(イラスト)

2009年7月22日
日本で見られる皆既日食

開設: 2005/10/11
最終更新: 2006/08/20

2004年10月14日の部分日食
(名古屋)

2009年7月22日、日本国内の地域で待望の「皆既日食」が見られます。

皆既日食とは、月が太陽を完全に覆ってしまう現象です。太陽が部分的に隠される「部分日食」ならば国内でも2〜3年に1度の割合で頻繁に見られますが、皆既日食となると数十年に1度しか起こらず、大変珍しい現象です。

皆既日食は世界のどこかで1年に1度ほどの確率で見られるのですが、同じ場所で起こる皆既日食は100年に1度ほどの確率でしか巡ってきません。前回日本で見られた皆既日食は何十年も前でした。





各地でこのくらい欠ける!
2009/07/22 日食データ

 2009年7月22日、各地における最大食分時の太陽です。午前9時半以降、西の地方から順に真ん丸い太陽が徐々に欠け始め、それぞれ最大で下の図のように欠けます。これを見ても判るように、皆既日食になるのは特定の離島のみで、本土では皆既日食になる地域はありません。それでも、食分の深い(規模の大きな)部分日食として神秘的な光景を楽しむことができます。

■九州以南
福岡

欠け始め: 09:35
食最大: 10:54 (食分0.90)
食終了: 12:15

熊本

欠け始め: 09:35
食最大: 10:53 (食分0.93)
食終了: 12:16

鹿児島

欠け始め: 09:35
食最大: 10:54 (食分0.97)
食終了: 12:16

西之表(種子島)

欠け始め: 09:34
食最大: 10:55 (食分0.99)
食終了: 12:19

屋久島

欠け始め: 09:34
食最大: 10:56 (食分1.01)
食終了: 12:19

奄美(奄美大島)

欠け始め: 09:32
食最大: 10:54 (食分1.00)
食終了: 12:19


那覇

欠け始め: 09:29
食最大: 10:49 (食分0.91)
食終了: 12:16

■本州・北海道 (主要都市)
札幌

欠け始め: 10:01
食最大: 11:07 (食分0.51)
食終了: 12:28

仙台

欠け始め: 09:57
食最大: 11:12 (食分0.66)
食終了: 12:24

東京

欠け始め: 09:53
食最大: 11:08 (食分0.75)
食終了: 12:28

名古屋

欠け始め: 09:48
食最大: 11:04 (食分0.80)
食終了: 12:24

大阪

欠け始め: 09:44
食最大: 11:03 (食分0.83)
食終了: 12:22

九州以外は主要都市だけ掲載しましたが、その他の地域も日食の進行に大差はありません。北に行くほど浅く、南に行くほど深く欠けます。なお、日食の時刻・食分は「ステラナビゲータ」で調べました。「ダイヤモンドリング止まり」の地域はとても「微妙」なので、イラストはあくまで参考として見て下さい。種子島と奄美大島は、皆既帯のかかる海岸まで移動すれば確実に皆既日食が見られるはずです。

■本州 (部分)

東京〜大阪の地域でも太陽は7割以上も欠けます。

普段見る青空は不気味な薄暗い色になり、真夏のギラギラした太陽は弱々しい光になり、誰もが太陽の異変に気付くことでしょう。真夏の真昼間の眩しいはずの日なたは、まるで日没直前の夕日が差しているような感じになるでしょう。関東〜九州で太陽がこれほど深く欠けた日食は過去20年間に一度もありませんでしたので、何も知らない人は突然の「天変」にきっと驚かされることでしょう。


■九州地方 (部分)

九州では日食の食分が非常に大きく、スリリングな光景となります。九州では南に行けば行くほど「細い太陽」が見られますので、福岡〜鹿児島を結ぶJR九州を利用してとにかく南下したいものです。

皆既帯に近い九州の南部、鹿児島市では9割以上欠けて皆既日食の寸前までいき、太陽は線のようになります(食分0.93)。ここまで欠ければ太陽はごく僅かな光となり、昼とは思えないほど暗くなりそうです。ひと時、幻想的な雰囲気になるでしょう。九州島内で一番太陽が細くなるのはズバリ佐多岬です(食分0.99)。ここまで来ると、皆既日食になるかならないかの「糸のような太陽」になり、コロナが見えるかもしれません。ここでもギリギリ部分日食止まりですが、フェリーでの渡航を諦めざるを得ないときはこの九州最南端の地を目指せば食分0.99の究極の部分日食を味わえます。


■ 種子島 (部分/皆既)

さらに南、種子島では、皆既帯の北限界線が島に掛かっているため、島の南部で皆既日食(食分1.01,継続時間4分)となりますが、西之表市(食分0.99)を含む島の中部〜北部はデータ上ではギリギリ部分食止まりです。それでも、99%隠されているので太陽は糸のようになり、もしかすると糸が途切れ途切れになるかもしれません。また、限りなく皆既に近いのでコロナが見えると思われます。

種子島は南北に細長い島なので、島の北部と南部とでは明暗を分けると考えてよいでしょう。種子島に見に行かれる場合は、データ上「皆既日食」となる南部へ行けば安心です。種子島宇宙センターのロケットを見ながら日食を見るのもドラマチックかもしれませんね。


■屋久島 (皆既)

一方、隣の屋久島では島の全域で皆既日食となります。屋久島でも島の南部が好条件です(食分1.01,継続時間5分)。南のほうが皆既の継続時間が長くなりますので、上陸したら島の南部を目指すのがお勧めです。

屋久島は種子島と並んで観光地にもなっていてアクセスしやすいのが利点です(鹿児島からフェリー)。7月22日の当日は屋久島へのお手軽な「日食を見るツアー」が人気になりそうです。


■トカラ列島 (皆既)

屋久島からもっと南にあるトカラ列島では全島において皆既日食が見られます。トカラ列島(口之島、中之島、諏訪瀬島、悪石島、宝島)は、渡航に時間がかかるものの皆既帯の中心部に近く、種子島南部・屋久島よりも皆既継続時間が長くなり、長時間じっくりとコロナを堪能できます。まさに撮影嗜好の「こだわりのマニア」向けです。

この中で最も条件が良いのは、悪石島(食分1.03,継続時間6分)という小さな島です。ここではなんと6分間も皆既日食が続き、黒い太陽とコロナを長時間見られるのです。全世界的に見ても、ここまで時間の長い皆既日食は滅多に起こらないので、ぜひとも行きたいものです。


■奄美大島 (皆既/部分)

奄美大島では、皆既帯の南限界線が通りますので、種子島とは反対に島の北部でのみ皆既日食となります。奄美市は市役所のある付近では皆既になるかならないか際どいのですが、同じ市内でも島の北端に近いところでは確実に皆既日食が見られるはずです(食分1.00)。



■夏なので台風が接近する可能性があります。
皆既帯に沿って航行する日食観察のための特別チャーター船などがあれば、天気のいいポイントまで移動しての洋上観測ができそうですね(でも台風の場合は海が荒れて船が出せない・・・?)。

■当日は、平日とはいえ「皆既日食を見たい!」という大勢の人々が本土から皆既帯の島々へ押し寄せるものと思われます。特に皆既帯の中心に近いトカラ列島の島々は渡航に時間がかかる上に宿泊施設の少なさなど様々な制約があるようです。帰りのフェリーに乗れず何日も足止めを食らってしまうかもしれません。スムーズに行って、見て、帰ってくるには(皆既継続時間は多少短くなりますが)アクセスも容易な種子島(南部)・屋久島・奄美大島(北部)のほうが安心です。また、皆既帯は陸地(中国)にもかかっているので、海外へ脱出して中国の上海周辺で見れば観光旅行も兼ねて楽しむことができそうです。
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