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Any Road |
Stuck Inside A Cloud |
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ジョージのソロ名義としては実に15年ぶりの新作。その間にウィルベリーズやったり、来日してライヴ盤出したり、ビートルズやったり、"All Things Must Pass"のリマスター&再録やったり、そこそこ働いてはいたものの、純粋なジョージのスタジオソロ作品としては前作からこんなにも間が空いていたのだ。そして、"Cloud 9"の時と同様、「たまにリリースすれば傑作」と言うパターンを見事、キープしている。 とまあ、こんな書き方を意図的にしてみたがこのアルバムは言うまでもなく(言うまでもないのが悲しい)ジョージの遺作なのだ。彼の純粋な意味でのラストアルバムであり、今後我々はジョージの新作を聴くことはない。出るとしてもそれは全て「未発表作品集」でしかないのだ。 さて、前置きが異常に長くなった。本題はここから。まず"Any Road"からスタートするが、もういきなりジョージ節全開の軽快なポップソングだ。このメロディ、そしてスライドギター。サビでのふらついたような歌い方がたまらない。エンディング附近での叫び声(?)が楽しげでいい。 "P2 Vatican Blues (Last Saturday Night)"はアルバム中で最もジェフ・リンの色が出た曲だと思われる。ジェフ自身のハーモニーヴォーカルが目立つせいもありサウンドはちょっとウィルベリーズのようだ。前作での"Wreck Of The Hespels"あたりを思い起こさせるリズム感だが、ヴォーカルに若干の弱々しさが感じられるのが結構晩年の録音かも、と思わせて微妙に寂しい。 "Pisces Fish"はバラード的なナンバーで、ここではかなり低い音域まで降りて行く珍しいジョージの歌が聴ける。一切余計なことをしないシンプルに徹するジム・ケルトナーのドラムが素晴らしい。ここでもウクレレがかくし味になっている。 "Looking For My Life"もジェフ・リン味をジョージ味に巧妙に忍び込ませたポップバラード。"This
Is Love"をシンプルに料理した感じのサウンドと言えるかも。これもメロディが凄く良くて、シングルにも向いてる感じだ。 テンポ感やストリングスがどうしてもビートルズを思い浮かべてしまう"Rising Sun"は個人的に気に入っている曲だ(いや、全部だが)。"Free As A BIrd"を思い浮かべる人も多いんじゃないだろうか。スライドギターはバッキングでストリングスの様に鳴っていて、これが実に味わい深い。それにアコースティック・ギターと重なるウクレレ(クレジットはないが、音はする)、こういう音を埋めてしまわずに分厚い弦と共存させてるあたりにもジェフ&ダーニの丁寧な仕事ぶりが良く解ると思う。 "Marwa Blues"はブルースとはいうがトロピカルな感じのインストナンバー。ジョージのスライドギターを前面にフィーチャーした「水中っぽい」曲。ちょっとインドっぽい旋律のキーボードも入るが、「マルワ」ってのはインドの地名だというから納得。 "Stuck Inside A Cloud"は最も(アルバムの)"George Harrison"っぽい雰囲気を持つ曲。2本重ねたスライドギターのリフとダーニのウーリッツァーによるバッキングが雰囲気を出していて、最高のメロディを支える。ジョージ自身気に入っていたらしいが、それはファンにとっても同じだ。 "Run So Far"はエリック・クラプトンにプレゼントした曲のリメイクだが、このメロディ、ジョージ以外の誰に似合うっていうんだろう。実際、エリックのヴァージョンは音域も合ってないし、曲自体彼に似合っていない。 "Never Get Over You"でもケルトナーの抑えたドラミングの素晴らしさが堪能できる。また、クレジット上はダーニの名前がない数少ない曲。極上のメロディ(自分の表現力の貧困さが恨めしい!)を持つバラード。 "Between The Devil And The Deep Blue Sea"のみカヴァー曲で、しかもジュールズ・ホランドの番組出演時のスタジオライヴだ。既にブートなどでも聴けたが、そう言う曲をあえて入れたのは彼の「ウクレレ」という楽器への愛情故か。勿論バックのメンツも他の曲とは全く違うが、特に違和感は感じない。 "Rocking Chair In Hawaii"はタイトル通りリラックスしたトロピカルフォーク(?)って感じの曲。ダブルトラックによる一人デュエットの雰囲気もいい。ドブロによるスライドも土臭さよりトロピカル感があるのがジョージらしい。 ラストで、タイトル曲"Brainwashed"は"Devil's Radio"の続編的な曲調と攻撃的な詞を持ったナンバー。「大人のティーンエイジャー」は最後までこういう曲をやっていたと思うと嬉しくなる。「宗教系+皮肉系」の歌詞は彼の集大成とも言えるか。ヴォーカルは若干ディラン風?サビの「God God God」は単純すぎるとも思えるが、それゆえにキャッチーであっという間に覚えてしまう。また、タブラを使った間奏からより力強い後半に移行するダイナミックさは圧巻。そしていきなりラストにはジョージ自身によるマントラの詠唱が...これが許せてしまうのもジョージゆえか。他の人がやったら「宗教くさい」って切り捨ててそうだけど。 |
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