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Paul McCartney Paul McCartney / Vocals , Bass,
Guitars & Keybords Kate Robbins / Backing Vocals Tony Visconti / Ochestra Arrangement and more |
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SIDE 1 Stranglehold |
SIDE 2 Press (CD Bonus Truck on Original Rerease) |
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まあ、誰にでも評価が低くなってしまう時期というのはあるもんだが、ポールって人はことさらにそういう時期が多い。それなら音楽的クォリティがホントに下がってるか、っていうと結構難しいけど実際には以外にそうでもなかったりもする(そうだったりもするが)。で、このアルバムの頃ってのはまさにそういう時期で、直前のシングル"Spies
Like Us"くらいから「シングルの売れない人」になりはじめた頃だ。 さて、オープニングからしてかなりパワフルだ。"Stranglehold"はつかみとしては結構イケて無いだろうか。アコースティックギターがクールに響くR&Rナンバー、それでいて熱いポールのシャウト。ブラスもも格好良い(ビデオクリップは後半のサックスが別ヴァージョンなので要チェック!)。ただ、やっぱり音処理、特にヴォーカルとドラムが当時の「今風」で、ストレートに響きにくいのが残念。ライヴで聴きたい曲だ。 得意のメドレー形式、"Good Times Coming / Feel The Sun"、サウンドの処理は前曲同様。でも、メドレーながら小曲、と言う"Back To The Egg"後半を思い起こさせる作りは親しみやすく、勿論メロディーもいい。特に前半はちょっとレゲエ風(エレクトロニックだが)のリズムにかわいげのあるメロディという、なかなかの曲。そして急に生っぽくなる後半は"Flaming Pie"に入っていそうなラフなロックナンバーだ。 リンダ、ジェイムズやスタッフ達の「しゃべり」をフィーチュアした"Talk More Talk"はアルバム中では弱い曲の部類に入る。デジタルでせわしないリズム、それでいてスカスカのバッキング、ポールのシャウト風ヴォーカル、イントロの重厚かつこけおどしなシンセ、しゃべり、全てが上手く融合せず、宙に浮いたような作りになってしまっている。こう言うのがはまったときのポールは凄いが、これはいただけない。リミックスヴァージョンはもっと酷い。 逆に打ち込みパーカッションが上手く決まったのが"Footprints"だ。勿論メロディが最高なのは言うまでもないのだが、このアレンジは"Bluebird"や"Sun Ferry Anne"の88年ヴァージョンと言った趣で、渋くて良い。枯れた感じのヴォーカルも曲の雰囲気にあっている。発売当時からずっと好きな曲。 "Only Love Remains"はちょっと大袈裟な、ポール的には「普通」レベルのバラード。アルバム中では最も「生っぽい」曲。センチメンタルなビデオクリップは置いておくとしても、ちょっと甘すぎる感がある。シングルヴァージョンはサックスが追加されたワリには、不思議と甘さ控えめな印象になっている。こっちの方がいいと思う。ミックスも違うんだろうけど。 先行シングルの"Press"は当時非常に判断に困った曲だ。実は、曲そのものは悪くない。ただ、この曲でも"Talk More Talk"と同じ現象が起こってしまっていて、色々と、やはりばらばらな感じな音なのだ。特にこのアルバムヴァージョンは歌がリズムに飲み込まれて負けてしまっている気がする。もう少しまとまりのいい7"ヴァージョンの方が聴いていて気持ちがいい(CDには全く収録されていない)。 さて、最大の問題作は"Pretty Little Head"だ。サウンド、声、曲、全てが「ホントにポール?」なこの曲、発売当初はホントに驚いた。実際、拒否反応の方が大きかったが、この独特の音は聴く都度にはまっていき、今では結構好きな部類に入っている。実はメロディーは思ったよりポールらしい。そして、この曲は何を思ったのかシングルカット(イギリスのみ)されたのだが、そこでのヴァージョンはヴォーカルが再録され、よりポールらしい歌い方になっていた。このヴァージョンは馴染みやすく、お勧めも出来るがやはりCDでは聴けない。当時から"Only Love Remains", "Press", "Pretty Little Head", "Angry"をシングルヴァージョンに差し替えて欲しいと本気で思っていたものだ。 "Move Over Busker"は1曲目と並ぶストレートなロックナンバーで、単純だが盛り上がる、素直に楽しい、ポールらしいライヴ映えしそうな曲だ。"Ballroom Dancing"の路線、と言えば分かり易いだろう。当時ツアーの噂もあったが、これや"Stranglehold"を聴いているとポールもその気があったんではないかと思えてくる。"Stranglehold"のライヴ仕立てのビデオクリップでは同曲の前に演奏されていたような演出がされていて、ホントっぽくて印象に残った。 "Angry"はタイトル通り怒りに満ちたサウンドの速いテンポのロック。とにかくパワーあふれる曲で、アルバム中でも最も暴力的。ただしシャウトがウイングス時代ほど「本気」じゃない気がするのは年齢的に仕方ないところか。こういう曲にはデジタル音の出番はない。シングルのB面になったときにリミックスされ、ホーンが加えられた。こっちの方が更に乱暴になっていて、良い。 ラストナンバーの"However Absurd"はポールが"I Am The Walrus"を意識したと言われる曲だが、結果的にはいかにもポールなバラードになっている。サウンドはフェイザー系のエフェクトがサイケな雰囲気も感じさせないでもないが、ストリングスが大袈裟過ぎて失敗している。ポール得意の「ラストは大作バラード」というパターンだが、これは今一つだったと思う。 当時はCDが今ほど普及していなくて、CDのみのボーナストラックというのがあった。このアルバムには3曲のボーナスがあって、後にシングルのカップリングになる曲が先に聴けて豪華な感じがした。 残り2曲は明らかに弱い。"It's Not True"はしょっぱなからこけおどしなドラムに辟易してしまい、メロディが始まる前に飽きてしまう。ヴァースは実は美しいメロディなので、残念だ。刺し身で喰えば美味いマグロをケチャップとチョコレートでアレンジしてしまったようなものだ。 もう1曲の"Tough On A Tightrope"もやはり物足りない曲。これも曲そのものは悪いわけではないが、やはりリズムトラックが決定的に駄目。ストリングスも邪魔。もうちょっとましなアレンジなら隠れたファン多数の地味な名曲として語られただろう。あと、この2曲に共通するのはヴァースはいいがサビ(と言うか、タイトルフレーズ)が駄目、という致命的欠陥。実はここをカットするだけでも結構ましになるかも。 |
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