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Wings Paul McCartney / Vocals , Bass,
Guitars & Keybords Black Dyle Mills Band / Brass Rockestra Pete Townshend, Denny Laine,
Laurence Jubber, Dave Gilmour, Hank Marvin / Guitars |
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SIDE 1 Reception |
SIDE 2 Rockestra theme |
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そりゃあまあ、結果としてはウイングスのラストアルバムである。そして内容的にはあまり評価されない傾向にある作品で、まあ久々にちょっとコケちゃった感は無きにしもあらず、ってのは事実。曲もちょっとだけ中途半端だし、新メンバーを迎えてバンドとしてはこなれきってない感じもある。「元○○!」って看板の無い二人のメンバーの存在感は地味で、しかもこのラインナップでは1枚しかアルバムが出なかったのでセッションマン的に見えてしまうところもある。 ポール自身は相当気合いが入っていたと思われる。ロッケストラは勿論のこと、アルバムの構成には"Venus And Mars"の再来的なモノを狙っていた節も見受けられる。そういえば「惑星」と「卵」どちらも丸いものをモチーフにしたタイトルだ(関係無いと思われる)。と、思ったらこっちにも惑星(地球)がジャケに写ってるし... 「序曲」である"Reception"はマッカートニー流インストファンクロックか?タイトル(「受信」という意味もある)にひっかけてラジオの音が混じってくる趣向はジャケの印象と併せてどこかSF風に響く。良く聴くと"The Broadcast"の断片(こちらも「ラジオ放送」の意味)が混じってくるのは、トータルアルバム風狙い。 そして間髪入れずに始まる軽快&ポップなR&Rナンバーが"Getting Closer"だ。ここでも歌詞にラジオが登場して前曲からの流れを強調する。シングルにもなったがあまり売れなかった。これは勿体ないと思う。"Junior's
Farm"や"Helen Wheels"にも劣らないポール流R&Rの名曲なのに。過去のドラマーに比べればオーソドックスながら、ポールが重視するという「タムの使い方」が絶妙なスティーヴ・ホリーのプレイもじつにタイトだし、ローレンス・ジュバーも印象的なギターを弾いている。新生ウイングスの名刺替わりにはうってつけだと思うが。 この位置に"We're Open Tonight"の様な小曲を持ってくるのはポールの定番パターン。"Love
In Song"や"I'm Carrying"のパターンだ。ジュバーの12弦ギターやリンダ(?)のシンセがちょっと不安定な足場を作り、そこに美しいメロディーが乗るというミスマッチがポイント。サイケデリックな印象も。 多分ポールの曲で一番テンポが速い"Spin It On"は、パンク/NWのスタイルの表層を取り入れた曲で、影響を受けたというより例によって「よし俺もやってやれ」的な曲と思われる。こういうところはポールの短所とも言い切れず、純粋に「音楽」のみを追及するという意味ではむしろ長所。 デニーのヴォーカルは今回1曲のみとなった"Again And Again And Again"は前作の"Children Children"にも通じるミドルテンポのポップな曲。カントリー風を感じさせながらもあくまでイギリス音楽って言うのはデニーの面目躍如。ジュバーの速いフレーズのギターもいかにもそれっぽくてよい。 "Old Siam Sir"の方がむしろNW的なサウンドを取り入れてるんじゃないだろうか。過剰な印象さえあるシャウトやころころ変わるビート、スラップ風のフレーズも出るベースやシンセの音色など、全てが異質。この異質な曲がシングルになってしかも"Getting
Closer"より順位が高いってんだから笑ってしまう。 "Arrow Through Me"はいつもならギター中心の小曲として処理しそうな曲だが、シンセをフィーチャーしたある意味「テクノポップ」風の曲になっている。そういう意味では次回作(既にポールは個人的に録音を始めてた筈)に繋がる作品とも言える。 アナログB面は鳴り物入りの"Rockestra Theme"で始まる。タイトル通りの「ロック版オーケストラ」で、ポイントはジャズのビッグバンドとかじゃないので派手なソロ回しは一切無いということ。要するに人数揃えてダビング無しで分厚い音を出すというのがコンセプト。それも善し悪しだが、ボンゾやピート、ギルモアといった人達の独特のプレイスタイルが生かされているとは言い難く、その辺は残念。分厚い音もミックスが原因でスポイルされている感も無きにしもあらず。しかし、映像版を見るとやたら一杯人がいて楽しい(ウイングスパンDVDに収録されている)。 "To You"もいかにもこの時代をイメージさせるNW風のサウンドを持つアップテンポのロックナンバー。サビ入口の言葉を細切れにするような歌い方が特徴的だ。ヴォーカルパートは全体的に("Old Siam Sir"同様)一風変わったトーンで歌われている。そのイメージを全体に貫きたかったのか、ギターソロもハーモナイザーを使ってちょっとギターシンセの様な感じにも聞こえるように作られている。 ここからの3曲がスロー系の曲の連続になるため、B面はロッケストラ以外地味目の印象になるのだが、コントラストを意識した構成なんだろうか。 次もメドレー。"Winter Rose / Love Awake"はともにバラード風の曲調を持つが、タイトル通りのサウンドで変化を持たせている。その前半部、"Winter
Rose"は寒い冬の情景をサウンドにしたような寂しげで、しかも美しいバラード。かすれたようなヴォーカルがその雰囲気を強調する。個人的には一番好きな曲だ。 "The Broadcast"は一種のインタールード。クラシカルなピアノをバックに格調高い詩の朗読が乗る。これもバラード続きのパートから再びロッケストラ登場への繋ぎとしての機能がメインと思われる。曲としてはまあ、こんなもの。 再登場のロッケストラ、今度はヴォーカルナンバーだ。"So Glad To See You Here"はビッグバンドをバックにポールがシャウトしまくるパワー溢れるロックナンバー。ここでもバンドは余計なことをせず、分厚い音を出すことに専念している。音はこっちの方がよりダイナミックに聞こえる気がするが気のせいか。 前曲で終わらずこうやって「アンコール」"Baby's Request"を持ってくるのがポールらしいところ。しかもジャズ風の小曲で締める、と言うのもニクい。オーソドックスで古風なジャズの雰囲気をポール流に再現している。ジュバーの丸みのある、いかにもジャズギターという音色もツボを押えていてよい。 |
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