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Paul McCartney And Wings Paul McCartney / Vocals , Bass,
Guitars & Keybords Dave Spinozza / Guitars |
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SIDE 1 Big Burn Bed |
SIDE 2 Single Pigeon |
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ウイングスのセカンドアルバム。メンバーにヘンリー・マッカロウが加わり、5人組となったウイングス唯一のアルバムでもある。レコード会社の要請でウイングスからバンド名をポール・マッカートニー&ウイングスに変更し、ジャケもポールのアップにしているが、バンド名はジャケット背の部分以外、外から見えるところにはに書かれていない。ポールの意識はあくまで「ウイングス」だったんだろう。 レコーディングでは大量の作品が制作され、2枚組になるとさえいわれていたが、最終的には1枚物に収まっている。この時のアウトテイクは「Cold Cuts」(または「Hot Hits And Cold Cutz」)として発売されるといわれていたが実現しないままである。 しかし、そんなことはどうでもいいほどに凝縮された名曲が収まっているのは事実で、ソロのポールがはじめて評価された作品(主にシングル"My Love"に集中はしたが)でもある。初期の最高傑作という表現には異論は起こりずらいのではないだろうか("Ram"派はいるとしても、だ) このアルバムの不思議な点は、前作"Wild Life"を挟んだうえでの"Ram"の続編と言える雰囲気を持っていることだ。オープニングナンバー"Big Burn Bed"の出だしのメロディーは"Ram On"のエンディングでちらっと聞こえたものと同じ(歌詞も)だ。しかしそこで正体不明のまま予告された曲はすっかりポール流ロックナンバーに変貌した。ウラ拍を強調したドラムとアコースティックギターはジョンとは違う形でレゲエを消化したポールなりのスタイル。ストレートに聞こえつつもサビ後のパートなど、かなり複雑なリズム構造を持っている。メロディーのどこかストレンジな感じもこの後のポールではあまり聞かれなくなってしまった魅力の一つでもある。 スタンダード化した"My Love"は言うまでもなくポールのソロ以降のナンバーで最も親しまれているうちの一つと言える。でも個人的にはいまいちだ。ポールのバラードは好きなんだけど、この曲、ポールにしては珍しく「甘い」のだ。ポールはバラードを歌ってもどこか突き放した冷静な歌い方で、甘くない。アレンジ面もストリングスのビブラートをやめろと言ったり、甘さを排除することに細心の注意を払っていたはずだ。それが、この曲ではストリングスも"The
Long And Winding Road"(ポールが最も嫌っていた弦の使い方!)の様だし、歌い方さえ過去のものに比べ、若干大袈裟だ。それでもシナトラとかに比べたら圧倒的にクールなんだけど。 "Get On The Right Thing"は"Ram"のアウトテイクにウイングスでオーバーダブを加えたもので、ギターでデイヴ・スピノザが参加している。(デニー・レイン、ヘンリーは不参加)それにしては後処理の上手さか、むしろこのアルバムにぴったりのサウンドに仕上がっているのは流石。ポップとハードの同居、と言う70年代のポールを表現するのにはもってこいの曲の一つ。 トロピカルな"One More Kiss"は短いが魅力的な作品。ヘンリーのスライドがペダルスティール風でハワイアン風味を強調する。この曲でアルバム中はじめてリンダのキーボード(エレクトリック・ハープシコード)が登場する。ベースはデニー。 もう1曲の"Ram"アウトテイクが"Little Lamb Dragonfly"だ。羊テーマだからそっちに入っても良かった気もするが。後の"Treat Her Gentry/Lonely Old People"の様に、二つの曲(だろう)が交錯する展開になっている。最初の"Little Lamb"のパートはデニー・レインがメインヴォーカルをとって、後半の2回目ではポールが歌っている。2つのパートの繋ぎやバッキングでのヒュー・マックラケンのギターは流石に見事。"Dragonfly"のパートはポールが歌う。徐々にリンダやデニーのコーラスが盛り上げていく形式は"Silly Love Song"や"Listen To What The Man Said"も想起させる。ちょっと冗長なのが残念だが、曲は凄くいい。 "Single Pigeon"は珍しくデニー・セイウェルがベース、デニー・レインがドラムという布陣で録られている。殆どポールのピアノをバックにリンダとのデュエットで聞かせる、と言うシンプルな曲だが、中間部に突如登場するホーンが印象深い。 "When The Night"はポール流ブルーズか。"Wild Life"や"Let Me Roll It"の系譜にある曲だが、やはりポールらしくゴスペル風の味付けになっている。当然ファッツ・ドミノの影響が強く感じられる曲だ。ベースギターは入っていなく、リンダがエレピの低音部でベースをプレイしているのが珍しい。 "Loup"はアフリカンテイスト(?)の奇妙なインスト。セイウェルのうねりのあるドラムとポールの弾くメロディアスなベースによるメインリフに載せてデニー、ヘンリー、ポールの3人によるギターが絡み合う前半部と、ジャングルのサウンドトラック(?)の様なパート、ちょっとジャジーなパートが有り、ポールのベースソロを経て最初のテーマに戻るという構成。異様ながら完成度が妙に高い。評価されずらいケド、聞きどころは多いと思う。 アルバムラストを飾るメドレーは圧巻だ。「Abbey Roadを再び症候群」の発病によるものなのは言うまでもないが、ここではおそらくはじめからメドレーを意識して4曲が作られているんだろう。 "Hold Me Tight"はビートルズ時代に同名の曲があったが全く別の曲。ポールらしくポップだが、言ってしまえばどうということの無い曲。だが、メドレーを通して聞くと印象が変わってくる。計算されてるんだろう。 "Lazy Dynamite"は何故かリンダとセイウェルがクレジットされていないがリンダの声も聞こえるし、ドラムはセイウェルだろう。デニーのハーモニカが冴えるちょっとカントリー風の曲。エンディングでは次の曲のメロディーがメロトロンで奏でられる。 "Hands Of Love"はスカ風の曲で、ラヴソングらしくリンダとのデュエットになっている。珍しくリードギターをデニーが弾いている(と、思われる。ヘンリーにも聞こえるが)。次の曲共々ベーシストのクレジットが無いが、音からしてポールだろう。 クロスフェイドで始まる終曲"Power Cut"もレゲエを意識したと思われる曲。セイウェルのレゲエ感覚は独特で面白い。ラストにはそれまでの4曲のメロディーが交互にギターで演奏される。ここに来て、全てが同じコード進行の中に収まるようにできていることが解るわけで、この辺は見事。 |
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