THE YOUNG PERSON'S GUIDE to
 「Quoって、まず何から聴けばいいの?」そりゃそうだよな。アルバムガイドは、既にファンだという人向けになりがちだ。初心者は?幸い、ベストアルバムがたくさん出ているので、そういったものを紹介してみよう
バンドの意思でリリースされた公式ベスト
レーベルの都合で乱発された、だが安さが魅力の廉価ベスト
代表的公式ベスト盤

 まずここで紹介するのはVertigo移籍後のベスト・編集盤である。Pye時代の音源を含むものもあるが、Pye音源を中心にした編集盤は別に紹介する。

12Gold Barsシリーズ

 12 Gold Barsは70年代の総集編といった内容のベスト。PiledriverからWhatever You Wantまでのアルバムから代表的なシングル曲は網羅されている。但し、Roll Over Lay Downはスタジオヴァージョン、Carolineは何故かエンディング寸前でフェイド・アウトする不思議なミックス。また、If You Can't Stand The Heatからの2枚目のカット、Accident Proneは収録されていない(ヒットしなかったからだろう)。目玉はアルバム未収録だったロジャー・グローヴァーによるプロデュースのシングル、Wild Side Of Lifeの収録。
  Vol.2は80年代に入ってから最初の「解散」までを扱っており、実質四年なので若干無理がある内容となっていて、選曲はJust Supposin’とBack To Backから4曲ずつ、それ以外から1曲ずつと、ライヴのCaroline、新曲The Wondererというバランスを欠いたもの。確かにその2枚からは多くのシングルカットがされているが・・・。両A面だったDon't Drive My CarかLiesを外してShe Don't Fool Me(あまり売れなかったが)を入れるなどの方がバランスが取れたのでは?
  2枚ともアナログ時代の編集であり、両盤共にタイトルどおり12曲入りで、現在ではボリューム的に物足りない間は否めない。また、当然だが再結成以降の音源は収録されていないため、活動の全貌を掴むにも不足だ。だが、特にVol.1のジャケットは若干下品ながら魅力的で、コレクションするのは悪くない。

Rockin' All Over The Years

 オフィシャルなベスト(CD化されているもの)としては3枚目となる。ロッシとパーフィットの出会いから25周年を記念したベストで、新曲Anniversary Waltzがここで初登場した。トピックとして大きいのはパイ時代からのオールタイムベストとして編集された初のアルバムということ。但しVertigo時代のPerfect Remedy、Rock 'Til You Dropからは未収録。
 12 Gold Barsからの曲も大半が収められているため、この時点ではベストな内容。今ではもっと曲数が多い(Anniversary Waltzも収録された)ベストが幾つか出ているが、1枚ものとしては今の目でも悪くない内容だと思う。但し汚点は、Roll Over Lay Downがスタジオヴァージョンであるばかりか、各部をズタズタに編集されたショートヴァージョンとなってしまっている。わざわざ作った意図も解らないし、出来も悪い。しかし、これ以降もこのヴァージョンは度々使われていくことになる。

Roll Over Lay Down

 96年の日本公演を記念して組まれた日本独自編集のベスト。ヒット曲中心のほかのベストとは違い、ライヴの予習にも使える「定番曲」が収録されているのがミソ。Backwater~Just Take MeやLittle Lady〜Most Of The Timeの収録はファンなら「ニヤリ」ではすまないレベルだ。タイトル曲が前述のぞんざいな編集ヴァージョンなので注意。また、Down Downが収録されていないベストということも特記出来る。
 個人的には最高にお勧めだが、残念ながら現在の入手は難しい。

Whatever You Want

 2枚組40曲収録のベスト。Rockin' All Over The Yearsの編集方針を拡大したものと捉えていい。再結成以降の曲もふんだんに入っていて(前ベストは3曲だけだった)歴史を完璧に俯瞰できるが、何故かまたしてもPerfect Remedy、Rock ‘Til You Dropの2枚からは1曲も入っていない(正確にはSpare Parts〜Dog Of Two Headの3枚からも入っていないが、同時期のシングルは収録)。
 Goldは同内容でタイトルを変更したもの。

Xs All Areas

 2枚組だが、ロッシとパーフィットのコンビに焦点を当てており、パーフィットの曲が多めに入っている。また、当時の最新作Heavy Trafficからの曲も随所に入っていたり、曲順が時代を行ったり来たりする様な編集になっていたりと、今までとの違いを出そうとしている様子が伺える。新曲You'll Come RoundとThinking Of Youを収録。また、ベスト初収録となる4500Times(72年のオリジナルヴァージョンの方)は6分ちょっとに編集されたヴァージョンで、現在ここでしか聴けない。Spare Parts〜Dog Of Two Head,1+9+8+2, Perfect Remedy, Rock 'Til You Drop, Thirsty Work, Under The Influenceからの選曲は無し(Gerdunduraはシングルヴァージョン)。

Pictures 40 Years Of Hits

またしても40周年記念のベスト。これには複数のヴァージョンがあり、マニア泣かせとなっている。

4CD Earbook

 LPサイズのボックスに4枚のCDが収められた、この時点では究極のベストアルバムといえるもの。(The)Status Quo名義での全て(75枚!)のシングルA面曲が網羅されている。勿論Roll Over Lay Downはライヴヴァージョンで収録。また、ユニヴァーサルからのリイシューシリーズにも入っていなかったUnder The Influence(サンクチュアリ/イーグル系列からの発売)からのシングルも全て収録。加えてQuo+Man United Football Squadによる2枚のシングル、08年10月リリースのQuo+ScooterのJump That Rock(Whatever You Want)、そして新曲It's Christmas Timeも収録。

2CD Version

 上記の4枚組から抜粋したかたちの普及版ベスト。印象としては過去の2枚組ベストとあまり変化は無く、魅力は薄いと言わざるを得ない。但し、こちらには2CD+DVDの限定ヴァージョンもあって、このDVDは4CDには付属しない。内容はリックとフランシスのインタビューに加え、主にXs All AreasのDVD未収録だったプロモクリップ集となっている。
 また、2CDと同じ選曲でmp3化したものをUSBメモリに収めたヴァージョンもあり、これはパソコン用に壁紙、スクリーンセーバー、mpegのビデオなども収録されているという。

廉価盤ベスト(管理人所有ではないものを含む)
Essential Status Quo (Vol.1~3)

 3枚組みで2000円しない価格で手に入るため、今多分一番人気の高いベストではないだろうか。99年リリースなので最新の内容とは言い難いが、20世紀のQuoは俯瞰できる。アルバムのみのおいしい曲もかなり入っているので、これだけ持ってれば充分、と感じる人も多いと思う。ばら売りもあるが、3枚組ボックス(画像)で買った方が圧倒的にお得。

 これを買ってから、最新のオリジナル3枚(Heavy Traffic、Party Ain't Over Yet、In Search of Fourth Chord)を買うっていう入り方もなかなかお勧め。

Cover Up

 志の低い3枚のカヴァー集から18曲を収めた編集盤。こんなものはいらない、と考えることも出来るし、3枚のしょぼいカヴァー集を買って無駄金を払うならあえてこれを1000円前後で買った方が金銭的にマシ、と考えることも出来る。勿論、どれも買わないという選択肢もありだが。

Rock Legends

 この手の廉価ベストの常で、Fine Fine Fine, Where I Am, Rhythm of Life等を含む少し変な選曲が逆に気になる。基本中の基本は押さえつつ(Down Downが未収録)、レアな曲がごそっと入っているのでマニアは少しうれしいが、これを入門にするには疑問。CarolineとDon't Drive My Carのシングルヴァージョンってのは何なのかな?前者は12 Gold Barsのヴァージョンかもしれないが。

A Few Bars More

 何故か日本でも出た(ゴールド・バーズ Vol.3というタイトル。12曲ではないので「12」は付かなかった。)廉価ベスト。とはいえ、頭と最後の3曲以外は普通ベストに入らないようなナンバーのオンパレード。Rock 'Til You Dropからカヴァー曲中心に多く入っていたり、Just Take Meから切り離されたBackwaterが入っているなど、面白い選曲だ。これも入門向きではないと思うが。

その他

 ユニヴァーサル系列(または系列外?)の各種廉価レーベルから色々出ている。 Silver Collectionは10曲入りで、妙に70年代終わり~80年代初頭に偏った内容。ジャケにピート・カーチャーの姿があるのが象徴的? 似たようなタイトルのColour Collectionは15曲入り。なぜこの2枚にはI Love Rock'n'Rollが入ってるんだろう。こっちはラストがRoadhouse Bluesなのが「ニヤリ」ものである。単独Backwaterも収録。Master Collections(Universal Master Series)も同内容。