Draw The Line
I Wanna Know Why
Critical Mass
Get It Up
Bright Light Flight
Kings And Queens
The Hand That Feeds
Sight For Sore Eyes
Milk Cow Blues
明らかに大好きでありながら何故か距離を置いてしまうバンドがエアロスミスだ。日本での変な売れ方に原因があるんだろうけど。
そもそも出会いはパーマネント・ヴァケイションで、いわゆる「再結成」後、ゲフィン時代が好きだったのだが何故かその時代のオリジナルアルバムは持っていなくて、世間の風潮通りCBS期のアルバムばかり聴いているのも変な気分だが、やっぱり良く聴くとこっちの方が燃えるんだよね。ポップなR&Rバンドとしてはゲフィン時代、パーマネント・ヴァケイション〜ゲット・ア・グリップがいいのだが、ハードロック的に聴くとやっぱりこの時代の「太さ」には一歩譲ってしまうのも仕方がないだろう。それでも"Rug Doll"、"Dude"、"Jennie's Got A Gun"、"LoveIn An Elevator"、"Eat The Rich"といったヒット曲はこよなく愛しているのだけれど。
勿論"Rocks"や"Tois In The Attic"と言ったいわゆる名盤群は大好きで、非の打ち所がないと思う(特に後者は捨て曲ゼロ、完璧を絵に書いたようなアルバムだ)が、何故か俺はこのオリジナルメンバーでは最後期のアルバムに惹かれる。それはフーの"By Numbers"やビートルズ"Revolver"の様なジャケにも実は起因している。親しみやすいわけだな。
とりあえずオープニングのタイトル曲にはやられる。特に後半でスティーヴン・テイラーが得意の金切り声でまくし立てるあたりのカタルシスが最高だ。ぐにゃりぐにゃりと地を這うリフもまた最高である。
"Kings And Queens"はアルバム中で最もヘヴィーで、複雑な展開を持つナンバーで、個人的にはバンド(森企画)で演奏したこともあり、思い入れ込みで大好きな曲だ。2パターンのテンポを行ったり来たりする展開が印象的だが、倍テンポになっても全く重さがなくならないのがミソだ。ヴォーカルがグルーヴ作りに貢献していると思う。
"Milk Cow Blues"はブルーズのカヴァーだが、ここはあえてキンクスのカヴァーと言いたい。明らかにキンクスの(死ぬほど荒っぽい)ヴァージョンを下敷きにしている。荒っぽさではキンクスの勝ちだが、ハードさで引き分けに持ち込んでいる。ヴァン・ヘイレンの例のヤツにも劣らない名カヴァーと言えるだろう。
ヘヴィーで楽しいブギ"Critical Mass"やジョー・ペリーが歌う"Bright Light Flight"、ファンキーなリフとスライドギターがZepの"Nobody's Fault But Mine"を思わせる"Get It Up"なんか好きだ。特に"Get It Up"や"Sight For Sore Eyes"のようなファンキーさはエアロの重要な持ち味だ。こういう部分は良く比較されるストーンズよりツェッペリン的で、ガンズ(現ヴェルヴェット・リヴォルヴァー)のスラッシュあたりにも引き継がれている。
それにしてもこの感覚があったからこそRUN DMCに再発見され、スターダムへの復帰の引き金になったのだから、なおさら重要どころか、自らの黒っぽさにも感謝、ってトコだろう。ロッカーたるもの、黒くて損をするということはないんである。