(untitled)

The Byrds

Live side

Lover Of The Bayou

Positively 4th Street

Nashville West

So You Want To Be A Rock 'n Roll Star

Mr. Tambourine Man

Mr. Spaceman

Eight Miles High

Studio side

Chestnut Mare

Truck Stop Girl

All The Things

Yesterday's Train

Hungry Planet

Just A Season

Take A Whiff On Me

You All Look Alike

Well Come Back Home

バーズ(US)はあまり知らない。俺のイメージの中での彼らは「エポックメイキング王」で、つまり「フォークロック」「サイケデリックロック」「カントリーロック」の元祖、というものだ。ビートルズ、ビーチ・ボーイズと並ぶ「ロックの基礎を作った人」に数えていいんじゃないかと。いや、俺が知らないだけでそう言われてるんだろうけど。

カントリー・ロックって言うか、カントリーってのは得意分野じゃなくて、実は俺が最初に買ったバーズは最近出た69年のフィルモアのライヴなんだけど、"So You Wanna Be A Rock'n Roll Star"目当てで買った俺はエラく違和感を覚えることになるワケだ。モロカントリー(風)なこのライヴはとてもじゃないが俺のツボとは言い難く、半ば封印に近い形で放置されていた。
 実は例によって俺はバーズとは「ビート・クラブ」で出会っている。そこで演奏されていたのが"So You Wanna Be A Rock'n Roll Star"で、後に買った駅売り千円ベストに入っていたオリジナルヴァージョンよりリズムが細分化されて独特のノリになったこのヴァージョン(に近いもの)がレコードで聴きたくて、そのライヴ盤を買ってみたのだった。で、Moに聴いたら、あの映像はもうちょっと後のもので、アルバムならこの(untitled)の方が近い、と言うことがわかった。それなら!と言うことで、「リヴェンジ」気分で買ってみたのがこのリマスター盤だったのだ。

まあ、ご存知の方は当然ご存知のように(何を言っているのだ、俺は)オリジナル盤はライヴとスタジオ盤の2枚組。このリマスター盤はそのオリジナル盤を1枚に、更に未発表スタジオ録音及びライヴをもう1枚に収録した2枚組のCDになっている。で、俺は予想通り、って言うか期待通り、このライヴ盤を一発で気に入った。件の曲は言うまでもないが、何よりオープニングの"Lover Of The Bayou"がかっこいい。以前Moが俺に「ハードなカントリーロックがやりたい」と言うようなコトを言っていたが、その意味が瞬時に理解できた。
 どの曲も原曲に比べ、よりダルに、しかしうねりのある演奏になっている。"Eight Miles High"では原曲の数倍にも引き伸ばしたインプロビゼイションがされている。サイケロックとカントリーロックの融合ポイントが見えるのだが、本人達がそこまで考えていたかは微妙だ。
 実際、緊張感が有るのか無いのか解らないような微妙なポイントでふらふらとプレイされていて、ベースソロが有る、というコト以外には特に何も決まっていないんじゃないか、とさえ思わせる。でもこの雰囲気が妙に気持ち良くて、かなり長い演奏だが全然飽きが来ないのだった。

こう言ったグルーヴ感を下から支える男、ジーン・パースンズのドラムというのは、身も蓋もない言い方になるが、ドタバタしていて手数が多い。あまり安定しているとも言い難いし、フレーズは細かいが上手いというわけでもない。おそらくあまり考えずに手癖で処理するタイプだと思われ、その証拠に同じ曲でも前述のフィルモアとは全然違うことを叩いていたりする。まあ、ある意味、微妙なドラマーなんだけど、クラレンス・ホワイトのギターとは妙に相性がいい様で、独特の、他では得難いグルーヴ感を出しているのだ。前述の「独特のノリ」はこの絡みから出ていると思われる。

スタジオ盤の方も佳曲が結構あって、心地よい内容になっている。やはりダルなノリが気持ち良い"All The Things"や、リフレインがやたらに耳に残る楽しい曲"Take A Whiff On Me"印象に残っている。あとはディラン風に歌われるディラン風の曲"Chestnut Mare"(スタジオ盤のトップに当たる曲だ)が最高に素晴らしい。"Hungry Planet"もノリノリだし...

問題はラストの"Welcome Back Home"だ。始めは、普通カントリーロックですよ。悪くない曲、ノリもいい。ところが終盤になって唐突に、必然性も感じられないままにリズムチェンジ、そしてヴォーカルが「南無妙法蓮華経....」と唱え(歌い)はじめてしまう。いや、マジで困った。宗教観は知ったこっちゃないけど、音楽の質を落としてまで「教え」を広めたかったのか?