In The Wake of Poseidon

King Crimson

Peace - A Beginning

Pictures of a City including 42nd at Treadmill

Cadence and Cascade

In the Wake of Poseidon including Libra's Theme

Peace - A Theme

Cat Food

The Devil's Triangle

i) Merday Morn

ii) Hand of Sceiron

iii) Garden of Worm

Peace

クリムゾンはあまりにも完璧なデビューアルバムを作ってしまった。しかも自分たちの成し遂げたことを理解するに耐える頭脳を持つメンバー達、これは大変なことだ。つまり、いきなり行き詰まってしまうんである。しかもリーダー(この時点ではその立場は微妙だが)のロバート・フリップは他のメンバー達の脱退という危機にも直面する(彼は「自分がやめるから残ってくれ」とまで言ったそうだ)。

 そう言う状況下で作られたこのセカンドアルバム。これだけ開き直ったアルバムも珍しい。彼ら(というより、フリップ)が何をやったか。徹底して前作の二番煎じをやったのである。しかもおそらく意識的に。こんな亊、普通出来るもんではない。アルバムタイトルも"In The 〜 Of〜"の形で前作を踏襲。しかもメンバーは「脱退した」前作時点での元メンバー達を中心とした編成。「同じ音にするために同じメンバー」というわけでもはや彼らは一種のセッションマンである。フリップによって丁寧にトレスされた楽曲群(このアルバムの全曲で彼の名前がクレジットされている)を、(ほぼ)同一のメンバーで「再現」する。果たしてこれが「プログレッシブ」なのか?

 "Peace"という曲でアルバム全体が括られてはいるものの、事実上のオープニング曲は"Pictures Of A City"だ。聴いた瞬間に"21st Century Schizoid Man"を思い出すだろう。構成やビート感、レイクのヴォーカルスタイルまでそっくりだ。"Cadence And Cascade"は勿論"I Talk To The Wind"だし、タイトル曲は"Epitaph"そっくりだ。
 フリップはマクドナルドの名曲"In The Court Of Crimson King"を真似ることは出来なかったらしく、アルバム終盤には"the Devil's Triangle"を用意した。しかしこれもホルストの「火星」(クリムズンのライヴでもよく演奏されていた)の焼き直し、と言うかパクりだ。

 じゃあこのアルバムは駄作か?とんでもない。俺は実はこいつが大好きなんである。あまりにも完璧すぎたファーストも言うまでもなく好きだが、あまりにも隙が無さ過ぎる。フリップが苦悩し、そして開き直った(と、俺は決めつけている)このアルバムのB級っぽさがたまらなくいいのだ。実際"Pictures Of A City"だって"Schizoid Man"よりファンキーでロック的醍醐味があるし、"Cadence And Cascade"はちょっとフォーキーな感じもする。どちらの曲も「プログレ」の偉そうな、頭良さそうな感じが薄れ、よりロック的(肉体的=馬鹿っぽい)な感じに聞こえる。
 それに1曲だけ、二番煎じでは無い曲が入っている。"Cat Food"だ。フリージャズピアニストのキース・ティペットをフィーチャーしたこの曲のクールでフリーキーなノリ、この1曲だけでもこのアルバムを聴く価値があるというものだ。いやホント、ストレンジで最高。

 しかしシンフィールド作のジャケットはどうかと思うぞ。お前は詞だけ書いてろ。