Wake Up And Make Love With Me
Sweet Gene Vincent
I'm Partial To Your Abracadabra
My Old Man
Billericay Dickie
Clevor Trever
If I Was With A Woman
Plaistow Patricia
Blockheads
Blackmail Man
イアン・デューリーを聴いたきっかけってのは多分森脇美貴夫の「イギリスのパンク・ニューウェーブ史」っていう本を読んだときだったと思う。20代の始め頃、コレともう1冊のある本(非常に恥ずかしいので名は秘すが七福神のような名字の人の本だ)は俺の「バイブル」で、この2冊に載ってるCDを買いまくっていた。ダムドもギャング・オブ・4もワイアーも、チューブウェイ・アーミーもみんなこの本の影響だったし、俺がモーターヘッドを「パンクだ」と言い張るのも彼の受け売りの部分が無いとは言いきれない。
だからデューリーは俺の中ではパンク/NWの流れで聴いていた。オリジナルのファースト(つまり、コレ)は当時CDで手に入りにくかったので、買ったのは"Sex And Drugs And Rock And Roll"っていうベタなタイトルのベスト盤。それ以前から"Hit Me With Your Rhythm Stick"はカンボジア難民救済コンサートのLPで知っていたのだけれど、やっぱり最初に思ったのは「何だ、このきたねえ面は」だった。表じゃヶのフリーキーな面構え(彼が本当に小児マヒだったのは知らなかった)もさることながら、中ジャケでは浮浪者のような格好をして(新聞紙にくるまって!)寝そべっているのだが、これが何と似合うこと!当時俺は従兄弟の家を「スタジオ」と呼んで(あたりに家が少なかったので演奏できたのだ)入り浸っていたのだが、そこの「スタジオ」の壁にこの写真のコピーを張ったのは言うまでもない。
サウンドをNWやパンクの枠で語るのはまあ、間違っていると言わざるを得ないだろう。とにかく"Hit Me With Your Rhythm Stick"にしろ"Sex And Drugs And Rock And Roll"にしろ、ファンキーとしか言い様がない。"Reasons To Be Cheerful Pt3"なんてラップだもん。でも彼が白人ファンキーロッカーだなんて気づいたのはここ2年ぐらいで、当時はワケもわからず「かっこいい〜!」だった。
さて、名盤と誉れ高いこのデビュー作を買ったのは実は最近だ。まあ、ベストを聴くかぎりで悪いわけが無いというのは解っていたので安心して聴いたのだけど、もうトップの"Wake
Up And Make Love With Me"にいきなりやられた。ソロ名義になっているがバックは勿論ブロックヘッズで、リズムセクションのキレのよさはマジで凄い。あとピアノもかっこいいねえ、実に。確かこのミッキー・ギャラガーってのはポールの"CHOBA
B CCCP"にも参加してたはずで、まあ、ロックンロールな人なワケだな。前述のコンサートでもポールは出会っている筈だし、デューリーのトリビュート盤でもブロックヘッズをバックに"I'm
Partical To your Abracadabra"(これもポップでファンキーな名曲。スネアの音が独特。ポールのヴァージョンは頑張りすぎ・笑)をやっているから実は結構縁があるのだ。
ファンキー路線では他に"If I Was With A Woman"もあるし、"Billericay
Dickie"はいかにもイギリスって感じの曲で、キンクスあたりとも通じる気もする。"Plastow Patricia"や"Blackmail
Man"、バンド名にもなった"Brockheads"あたりはパンク的、そしてその名の通りスウィートなロッカバラードから「ジーン・ヴィンセント」なロックンロールに展開する"Sweet
Gene Vincent"(しかしこれはイアンが歌わないと実につまんない曲になっちまうんだけどね、トリビュートのヴァージョンは駄目だった)もあったりと、非常にバラエティに富んだアルバムで、クセの強い声さえクリアすれば普通はコレ、気に入るだろう!ってな感じで、いやマジいいです。ボーナストラック以外俺の買ったベストとかぶらないってのも気が利いてるよな!