Animals

Pink Floyd

Pigs On The Wing (Part One)
Dogs
Pigs (Three Different Ones)
Sheep
Pigs On The Wing (Part Two)

 プログレ音痴のプログレレビュー第2弾。って言うかフロイドってプログレか?って言うお話。

 プログレには2種類あって、1)クリムズン、イエス等に代表されるクラシックに影響を受けた楽曲をテクニカルに演奏するタイプ。黒人音楽の影響が希薄。イメージとしての「プログレ」はこっち。2)ジャーマンプログレなどのようにサウンドそのものに重きを置き、何だかよく解んないけど幻想的な雰囲気を醸し出すタイプ。(正直、知ってるバンドは少ないのであまりイメージが無いんだけど)と言うふうに大別できると思う。
 で、言うまでもなく2)の代表がピンク・フロイドなワケだ。1)タイプとの大きな違いは、彼らのルーツはブルーズであり、実際デイヴ・ギルモアは素晴らしいブルーズギタリストだ。更にはフォークふうの楽曲さえある。クラシックの影響もあるだろうが、それを具体化するためには"Atom Heart Mother"の様に外部の力を必要とした。また、フロイドにはテクニックが無い。それを補うためにテクノロジーを利用した。同じEMIでビートルズに関わったスタッフがいたのも幸いだったのだろう。ロジャー・ウォータースは建築学を学んでいたというが、スタジオを実験場として正にフロイドサウンドを「構築」していたんだろう。
 で、ジャンルとしての「プログレ」はともかく、"Dark Side Of The Moon"の頃までのフロイドは正にプログレッシブだった。成功不成功はあるが前に進もうというバンド全体の強い意志が感じられるアルバムを作っていた。1)タイプがある意味様式化する傾向がある中、フロイドは凝り固まることなく新しいことを続けていたと感じられる(クリムズンはラインナップとともに変化を続けているが)。
 ただ、フロイドも"Wish You Are Here"あたりからサウンドよりウォータースの詞を重視する方向へ向かいはじめる。ウォータースのワンマンバンド化だ。そして実験精神は鳴りを潜め、サウンドはこの時期どんどんオーソドックス化していく。

 世間的にはそんな意味で評判が悪いこの"Animals"だが、実は俺は大好きだ。ようするにプログレと思って身構えて聴くから駄目なわけで、そういう先入観無しで聴けば実にパワフルで暴力的なロックアルバムだということが解るはずだ。ジャンルにこだわって聴くなんてばかばかしいことで、ここでのフロイドはもうプログレバンドではない。せいぜい曲が長いのと豚が飛んでるくらいしかプログレッシブな要素はないのだ。大体先に豚を飛ばしたのはビートルズ(I Am Tha Walrusの歌詞だけど)なんだから豚が飛んだ程度じゃプログレッシブでも何でもねえのだ。長い曲ならQUOだってやってる。あんなにプログレッシブじゃないバンドも珍しいだろうに。
 悪口になってるみたいだけど、フロイドファンの目で見ると「プログレッシブじゃない=駄作」かもしれないが、俺にはそうは思えないのだ。このアルバムは全然プログレッシブじゃないけど魅力がつまっていると思う。特に"Sheep"のビート!ヘヴィー・メタルって言葉はこれにこそ相応しいんじゃねえの?歌も暴力的で最高。

 そうは言ったけど、プログレ音痴のイメージとして「プログレ=空飛ぶ豚」って言うのがあるのまた、事実だよな。