Millions Of Years
In The City
Stop And Look Around
Dead End / Love Flowers Prophecy
The Last Hour
Panic / Images
Under Underground
A FAce In The Croud
(Crime Is) The Sign Of The Times
Mikuni
このサイト初の日本人アーティスト。俺と同世代くらいの人ならゴダイゴを知らない人はまずいないだろう。モンキーマジック、ガンダーラ、ビューティフル・ネーム、銀河鉄道999等々...ポップなメロディーはガキだった我々を魅了した。では彼らはガキ向けだったのか?勿論そんなことはない。確かなテクニックに裏付けされたポップさは、今聞いても決して他のロックアーティスト達から見劣りするようなものではない。それどころか、彼らは一流のロックアーティストだった。ここで紹介するのは、彼らがモンキーマジックでブレイクする直前のセカンドアルバム。最強メンバーでの最初のアルバムであり、最高傑作でもある。
ミッキー吉野グループが形を変えることでゴダイゴとなった彼らのデビューは、アルバム「新創世記」で、このときはドラマーが浅野良治(ギターの浅野孝巳の実弟)だった。その後ドラマーの座はトミー・スナイダーに取って代わられ、そしてこのアルバムが生まれる。当時の世の中(勿論、現代と行っても全く差し支えない)を「袋小路=Dead End」にたとえたコンセプトアルバムだという。多くの曲の作詞にトミーがからんでおり、彼が持ち込んだテーマなのかもしれない。
オープニングはトミーと奈良橋洋子(ゴダイゴの英語詞はほとんど彼女かトミーによるもの)の作詞、タケカワユキヒデの作曲による"時の落とし子/Millions Of Years"だ。残念ながら現在のゴダイゴのCDには訳詞がついていないので歌詞の内容が良くわからないので曲についてだけ述べるけれど、この曲はストリングスとコーラス(タケとトミーの掛け合い)が美しい幕開けにふさわしい曲。こういう掛け合いのパターンが多く聴かれるのはヴォーカリストとしても一流のトミーが加入して可能になった技。このパターン、大好きだ。
続く"In The City"は新加入のトミーがヴォーカルを取るアメリカンテイストのロックンロール。変態的リズムのイントロからストレートなロックに突入するところがいつ聴いてもいい。ミッキーのロックンロールピアノの良さってのも意外に知られてない気がするんだけど...。
"サムの息子/Stop And Look Around"は有名な殺人鬼をタイトルにしたアップテンポだがダークな雰囲気の曲。個人的にはゴダイゴの曲でもトップ10に入る。ミッキーのピアノとスティーヴ・フォックスのベースが曲の雰囲気を盛り上げている。スティーヴの低音のバッキング・ヴォーカルもこういう曲では抜群にはまっている。いい声なんだ、この人は。
アルバムタイトル曲"Dead End / Love Flowers Prophecy"は、2曲が複雑にからみあって、所謂メドレーとは一線を画した作りになっている。"Dead End"が奈良橋/タケカワ、"Love Flowers Prophecy"がトミーとSteve Schoenbergの作になっている。ミッキーの抑えてはいるが緊張感にあふれるピアノのイントロから始まり、2コーラス目からバンドが入ってくる。その後のサビ(この部分が"Dead End"だろうか)の二つのパートは対位法で繰り返される。アルバムでは女性コーラスとタケによる掛け合いだが、ライヴではトミーとタケになり、こちらの方がかっこいい。そして後半は最初のヴァースを盛り上げながら(ほんとに盛り上がるんだ。体の奥からこみ上げる感じ...)エンディングに向かっていく。こういう名曲を言葉で説明するのもむなしいんだけど、ほんと、せめてこの曲だけでもすべての人に聞いて欲しい。最新のベスト、Then and Nowには目出たくこの曲も入った。ゴダイゴ最高の1曲はこれだ。
"The Last Hour"はミッキーのピアノをバックにしたバラード。"Millions Of Years"と対になるかのような作りの曲でA面は終わる。
B面はメドレー"Panic / Images"ではじまる。"Panic"はそのタイトルを象徴するような単語を並べた歌詞をほとんどアカペラで不気味に歌う。突然はじまる"(Crime Is) The Sign Of The Times"のリフを挟んで"Images"に続く。こちらは浅野孝巳の繊細なアコースティックギターに乗せてタケが一人で歌う。
"Under Underground"はゴダイゴにしてはかなりファンキーなリズムの曲で、ヴァースをタケが、サビはスティーヴがその低音で歌う。ミッキーのシンセ(クラビ?)はスティーヴィー・ワンダーの影響が強そうな感じ。この曲などでのタケとスティーヴのツインヴォーカルのスタイルは後にモンキーマジックで完成する。珍しく作詞をYMOの詞でも有名なクリス・モスデルが担当している。
"孤独な面影 /A Face In The Croud"もA面を挟む2曲同様、タケカワらしいスタイルのバラード。変わったイントロからはじまるのはおそらくミッキーのアレンジ。後の「ポートピア」を彷彿とさせる。
"血塗られた街/(Crime Is) The Sign Of The Times"はこれまた珍しいハードロックスタイルの曲。浅野がギターシンセを使っているところがひねくれててゴダイゴらしいのだが。ラストにはトミーのドラムソロがある。ここでも"Panic / Images"とこの曲でサンドイッチ構造ができている。トータルアルバムの王道ですな。でもここでは終わらない。
唯一日本語のみでタイトルが付けられた名曲"御国"でアルバムは締められる。ギター(と薄めのシンセ)をバックにタケカワのヴォーカルで始まり、バンドが入ってからはコーラスで盛り上がっていく、解りやすく言えばフーの"See Me Feel Me"の様なスタイル。この高揚感。とにかく俺はこの手の曲に弱くて...
1999年、ゴダイゴは再結成した。再結成バンドに有るまじき現役ぶり(アルバムの完成度!)には驚いたが、やっぱりライヴで昔のヒットばかりではなく、新曲(しかも大量に)や当時の定番曲をやってくれたのにはやっぱり嬉しかった。特にこのアルバムからの"Dead End"には興奮も頂点になったのでした。