Appetite For Destruction

Guns'n Roses

Welcome To The Jungle

It's So Easy

Nightrain

Out Ta Get Me

Mr. Brownstone

Paradice City

My Michelle

Think About You

Sweet Child O' Mine

You're Crazy

Anything Goes

Rocket Queen

「強烈」。最初は拒否感が先にたった。"Welcome To The Jungle"が大嫌いだと公言もした。テレビで何度も聴いたが、その度に「ケッ」と思った。しかし、曲がかかってからチャンネルを変えることはなかった。それどころか、適当にチャンネルを回しているとき(当時は回すチャンネルだったんだよ!ウチは)この曲が耳に入ると、何故かそこで手を止めてしまう、という亊もしばしばだった。実はこの段階でこのバンドに魅了されていることには気付いていた。しかし、最初に公言してしまった手前恥ずかしくて「やっぱり好き」とは言えなかった。
 俺が敗北宣言したのは"Paradice City"の時だ。この徐々に盛り上がるダイナミックな構造の曲はすっかり俺のツボにはまってしまった。遂に観念した俺は「ごめん、やっぱかっこいいわ」ってなってしまったんである。

まあ、俺が気に入ろうと気に入らなかろうとこのアルバムの評価は変わることはあるまい。ストーンズ/エロスミス/モトリークルーの流れからの正常進化であり、世間ではヘヴィーメタルの文脈で語られる亊の圧倒的に多いバンドではあるが、実のところ彼らの立ち位置はセックス・ピストルズであり、パンクの流れで語るのがむしろ妥当だろう。実際、ダフ・マッケイガンは明らかにパンクファンであるし、アクセル・ローズも同様のルーツを持つことは間違いない。

そのアクセルとダフがツイン・ヴォーカルを聴かせる"It's So Easy"が個人的にはフェイヴァリット。この乱暴で性急なリズムはパンク意外の何者でも無い。ただ、そこにイジー・ストラドリンのR&RスタイルとスラッシュのHR風ギターが乗ることで他の何者でも無いガンズサウンドが産まれてしまうのだ。

スラッシュはジミー・ペイジなどに影響を受けた正統ハードロック畑のギタリストだが、黒人の血が混ざる彼は自然とファンキーなスタイルに近寄っていく(勿論ZEPのファンキー路線の影響などもあるだろうが)のが面白い。それをスティーヴン・アドラーの馬鹿ドラムが台無しにするという構造、これも初期ガンズサウンドの重要な点で、"Welcome To The Jungle"や"Mr. Brownstone","You're Crazy"はスティーヴンが馬鹿だったからこそこれだけの輝きを放っているのだ。後に馬鹿で下手でジャンキーのスティーヴンは解雇されてしまうのだが、後任ドラマーが(上手いが)普通のハードロッカーだったせいもあり、ガンズは急速に「並のHRバンド」に成り下がっていってしまう。「馬鹿で下手でジャンキー」はパンクバンドの必需品である。それが解らなかったアクセルの罪は重い。

もう一つ、忘れちゃいけないのが「実は物凄くポップ」だということだ。"Sweet Child Of Mine"を聴いてそう思わない人はいないだろうが、"Rocket Queen"にしても"Paradice City"にしてもメロディがしっかりしている。そう、まさしくセックス・ピストルズが「実は物凄くポップ」だったのと同じように。クィーンの大ファン、アクセルの面目躍如なんだろうな、やっぱり。この人、実は「ポール・マッカートニー型」アーティストなのだ。実はレノン型に憧れてる点も含めて。

ハードロックとパンクを融合したスタイルをモーターヘッドやモトリー・クルーから受け継ぎ、進化&強化して後のオルタナティヴ/グランジ系のアーティストに引き渡した、そんな意味でも重要なアルバムでもある、ってのは後付けの理屈だけど。