The Man I Used To Be
That Is Why
The King Is Half-Undressed
I Wanna Stay Home
She Still Loves Him
All I Want Is Everything
Now She Knows She's Wrong
Bedspring Kiss
Calling Sarah
ジェリーフィッシュってビートルズっぽいかね。パッと聴いた感じはそうかもしれないけど、意外に違うんじゃないかって思ってる。どっちかってーと10ccやクィーンの感じ。アメリカ人だけどトッドに近い匂いは感じない。XTCも近そうでいて、意外に遠い。やっぱり英国臭さはないもんね。ビートルズにしたってレノン的な香りは殆ど無くて、明らかにポール直系。パワーポップバンドとしてのウイングスからの系譜。そしてバッドフィンガー、サイケ臭を抜いたクラトゥとか、まあポップの血を濃ゆく濃ゆく煮詰めて出来上がり。ジェリーフィッシュです。
彼らのアルバムは2ndを先に聴いていて、その濃密なポップ空間にすっかりやられていたので、このデビュー作を聴いた時はあっさりしすぎな気がして、実はあまり入り込めなかった。
しかし、彼らやっぱりアメリカ人なんだよね。あの2ndの濃さって実は凄くアメリカ的だ。10ccとかってもっとずらすって言うか、あそこまで濃密にはしない。どこかクールなんだけど、それがジェリーフィッシュには、無い。ひたすらポップ濃度を上げていくのであり、それが気持ちいいのも事実だが気分によっては胸焼けする。
デビュー作での彼らは(予算の関係もあり?)そこまで濃密なサウンドにはなっていない。もっとむき出しで、ロックしている。ビート的にもストレートなのが多いのはこっちだ。俺も次第にこの「パワーポップ指数」の高いアルバムが気に入っていった。
とにかく"That Is Why"だ。この曲こそジェリーフィッシュ最高、必殺の1曲である。"Bye
Bye Bye"ではないのだ。メロディと言い、ビートと言い、完璧でしょう。それこそ"No Matter
What"(このアルバムのボーナスとしてカヴァーヴァージョンも収録)に匹敵する。この1曲のためにこのアルバムを買っても・・・って言うのは使い古された表現だが、実はこの1曲のためにこのアルバムを買うと他の曲も結構気に入ってしまうというおまけがつくのだ。
アルバムは"The Man I Used To Be"で重厚に幕を開けるが、実はこの曲は"Nights
In White Satain"がやりたかっただけ、と言う気もする。出だしのメロディそっくりでしょ。これに"Let
Me Roll It"を足して2で割りまして・・・って褒めてないようにも聞こえるけど。それでもこの曲は、良い。
爽やかなバラード風の"I Wanna Stay Home"もいいし、2ndに通じる路線ながらよりシンプルに聴かせる"Now
She Knows She's Wrong"なんかシンプルな分キンクス風に聞こえる瞬間も。同じ路線だがマッカートニー風ベースがポップ王道の"Calling
Sarah"も良い。
おっと忘れてはいけない"The King Is Half Undressed"。"Ticket
To Ride"風のドラムに乗せてポップすぎるメロディを惜しげもなく展開。サビの「ぱぱぱ〜んぱ〜ん」がたまらんね。
現行の日本盤では最後にライヴが収録されていて、これも良いのだが、それだけでなく「種明かし」にもなっている。カヴァーの選曲"No Matter What","Let 'Em In", "Jet"・・・ホラね。