McGear

Mike McGear

Sea Breazes
What Do We Really Know?
Norton
Leave It
Have You Got problems
Dance To Do*
The Casket
Sweet Baby*
Rainbow Lady
Simply Love You
Givin' Grease A Ride
The Man Who Found God On The Moon

*CD bonus tracks

 マイク・マクギア名義の2枚目のアルバムであり、現時点で(多分今後も、か)のラストアルバムでもある。しかしその実態はマイク・マッカートニー&ウイングス、またはマイク&ポール・マッカートニーwithウイングス、か。そのくらい音はまるっきりウイングスであり、作曲もほとんどがポールとマイクの共作。マイク単独作はゼロ、と言う有り様な上に現行盤CDでは名義もマイク・マクギア・マッカートニーになり、更によりによってポールの写真が追加(!)その上裏ジャケにProduced by Paul McCartneyと大書き・・・と結構「とほほ」な扱いになってしまったアルバムである。
 すなわちこいつは「お兄ちゃん」が弟の作品に「ちょっとにーちゃんに貸してみ、ホラ、こうやると良くなんだろ。あとこっちはな・・・」と言う小学生の頃から全く変わらない製作法で仕上げられたアルバムで、弟さんの素の音楽が好きなファンには評判が今一であるが、俺はやっぱりこれも好きだ。確かにお兄ちゃん出しゃばってはいるが、ちょっとは遠慮していて、その辺の微妙に気を使ったバランスが変な気持ち良さになっているのだ。ってーかポールの出しゃばりって悪意が無いから、なんか兄弟仲良さそうに見えて微笑ましかったりも(弟的には鬱陶しかったとしても、だ)。

 ロキシー・ミュージックのカヴァー"Sea Breazes"で始まるというのもある意味意表をつかれるが、コレはまあ悪くはないがちょっとした余興だろう。重厚な中に軽妙さが同居する感じはマイクらしいと言えるが。
 1回フェイド・アウトしてからポールが「ねえ、もう出てきていいかな?」とばかりに歌いだす"What Do We Really Know?"が好きだ。これ、ポールが書いたのだが、何となくマイクっぽい作風にも聞こえるのが面白い。要するにマイク自身相当アクの強いミュージシャンなんだよね。ちょっとやそっとじゃ塗りつぶされないぜ、って感じで。
 "Norton"はポール風のサウンドにマイクらしいメロディ(メロディ!?)が重なる。共作とは言え特にマイクの色がでた曲じゃないだろうか。ポールをダシに色々遊んでみました、って感じの曲で、アルバム中で一番グリムスやスキャッフォルドとの接点を感じる。
 ポールの単独作はもう1曲あって、モロにマッカートニメロディな"Leave It"がそれだ。これがまたポールの音域で書かれてる曲を兄弟が歌うせいで凄いポールっぽい。音もウイングスだし、このまま72〜3年頃のウイングスのアルバムに入ってても違和感ゼロ。ってーか、コールド・カッツに混ぜ込んだら騙されるヤツいそうだ。まあ、そんなコトは置いといても単純にいい曲で、アルバムのポール色の強さを嘆いているより「いい曲だなあ」っつって喜んでるほうが健全だと思うがどうか。どうせポールファンなんだし。

 勢いで冒頭4曲を紹介してきたが、別に全曲レビューをする気もないのにこうなってしまうのはコレが結構いいアルバムである証拠で、勿論この後も楽しい時間が12曲分ぎっちり続くのである。それこそまるでコールド・カッツに入っていそうな"Dance The Do"や、ポールっぽいバラードにマイクっぽい色が付いたらなんだかニール・イネスの世界に近づいてしまった"The Casket"。ジミーのギターが凄くカッコよい"Givin' Grease A Ride"・・・
 そんな中でも特筆したいのは、多分これもマイク中心で書いたと思われ、小粒な感じが心地よい"Sweet Baby"は元々シングルのみだった曲。個人的には大好きな曲で、ポールと共作にしてもこの路線中心ならもっと批判も少なかったんじゃないかと思える。何もしてないときに聴くといい感じな、春っぽい曲。

 これでマイクのアルバムは全部紹介してしまったがRespect2に移動はしないよ。