On The Corner

Miles Davis

On The Corner
New York Girl
Thinkin' One Thing And Doin' Another
Vote For Miles
Black Satin
One And One
Helen Butte
Mr. Freedom X

 ジャズファンやソウル/R&Bファン、DJの方にとっては「何を今更」だろうが、こいつは凄い。今更衝撃を受けてるのは勿論今更聴いたからだ。

 先日MDK'sの写真に、各メンバーの「ルーツ」とも言えるアルバムのジャケットを合成する作業をしていたのだが、Mo.のセレクトにこの作品があった。彼がマイルスが好きなのは知っていたが、この変なジャケットのアルバムはなんなのだ。何故こんなコミック調の?なんにしても、印象には残ったのは間違いないわけで。
 しかし、このジャケよく見れば70年代ソウル/ファンクのテイストバリバリではないか。実はネットでジャック・マクダフの検索してるときに再び出会ってしまったのだが、そこでに並ぶほかの(俺好みのファンキーそうな)アルバムを見て「こいつは是非聴いてみたい!」と思うに至る。そしてこの文章は買った翌日に書いている。

 こ、これはブレイクビーツ!?

 しょっぱなからDJやってるような人なら使わずにいられないようなビートが飛び出してくる。いや、いわゆるなファンクビートより遥かに複雑なビートなんだけど、これは確かにファンクだ。確かにちょっと踊りにくいかもしれないケド、これはファンクだ。そしてひたすらクール&ダークな雰囲気。ドラムやパーカッションは勿論、鍵盤やトランペット、サックスも一種のパーカッションとして絡み合い、全体が1つのグルーヴを作りだしている。マイルス自身のトランペットは大きくフィーチャーされているわけではないが、ここでのマイルスはむしろプロデューサーやコンダクター的な、いや、大ざっぱに言えばDJ的な役割を担っていたのではないだろうか。レコードではなく、プレイヤーを直接「回す」DJ。「プレイヤー・ジョッキー」か。
 このアルバムのパーカッシブさに特にミニマルな効果を与えているのがタブラだというのも面白い。ここでは全くインド的な使われ方はされていない。一種のシーケンスパターンのようにカラカラと鳴り続けるのだ。この使い方は確実にイアン・ブラウン(元ストーン・ロージス)も影響を受けたはず。フジロックでこんなコトやってたよ、確かに。

 "Black Satin"(アナログではA面ラスト)から最後の"Mr. Freedom X"までは事実上「同じ曲」と言ってもいい。ひたすら1つのビートのパターンで突き進んでいく。1つのビートとは書いたが、上モノは勿論、ドラムやベースも微妙に表情を変えながら展開しているので全く飽きることはない。あたかも同じブレイクビーツを回しつつ、他のレコードを足したり引いたり、時にはエフェクトをかけたりという作業にも聞こえる。こちらの曲はより一般的なファンクビートで構成されており、まあある意味「解りやすい」。勿論「使い易い」ってーコトもあるだろう。

 ダンスミュージックに関わる人間で、コレ聴いてなかったら損してるんじゃないかな。うん、俺、昨日まで損してたかも。