Surface Noise

Noonday Underground

The Surface Noise
Go It Alone
That Noonday Sun
Nobody But You
Windmills
Boy Like A Timebomb
Friends Of The Garden Pt 1
I'll Walk Right On
When I Fall
Friends Of The Garden Pt 2
Barcelona
Hitch Your Wagon To The Stars
Thunder Park
Closing Time

 俺はある人に会ったとき、必ずこのアルバムのサウンドみたいな気分になる。

 ポール・ウェラーの"Illumination"、このアルバムは基本的にウェラーのセルフプロデュースだったが、2曲ではじめてブレンダン・リンチではなくサイモン・ダインが手がけている。で、この作品があまりにツボだったので、ウェラーが二曲歌っているというダインのグループ、ヌーンデイ・アンダーグラウンドのセカンドアルバムを聴いてみた。グループと言っても、ダイン以外のメンバーがいる訳でもなく、まあソロプロジェクトと言ってもいい。

 おおまかに言えば"It's Wrighten In The Stars"で聴けたコラージュ感覚(?)みたいなモノを拡大したようなソウルフルでクールなクラブ向けサウンド(ひでえ表現だが)。サンプリングの使い方と音処理のざらっとした感じが実にツボだ。このサウンドを本人は「デジタル・モッド」と呼んでいるが、まさにそんな感じ。
 ウェラー先生が歌った2曲(ダインとの共作)はもう、すっかりウェラー節。アップテンポでポップな"I Walk Right On"とミディアムの"Thunder Park"だが、どちらも勿論"Illumination"に入っても違和感が無い作風で、素晴らしいことこの上ない。世間受けは前者だが、ちょっと不気味なストリングスとアナログ&エレクトロニックなビートの融合が「適度に気持ち悪い」後者が実はツボだ。
 つまり準オリジナルとも言えるこの2曲をウェラーファンは聴かないわけに行かないわけなんだが、「ホロウ・リード」のサントラなんかわざわざ買って"I Shall Be Rereased"を聴くよりは圧倒的に楽しいはずだ(そう言うことをやる奴は、俺だ)。お勧めである。

 勿論ウェラーだけが良いワケではない。多くの曲ではデイジー・マーティという女性ヴォーカリストが歌っており、この人の適度な「インチキソウルフル」ぶりがまたたまらないのだ。なんとなくジュリー・ドリスコールをちょっと低めのビットレートでサンプリングした様な歌い方をする人だ。これが現実感の薄い、レトロフューチャーなデジタルモッド(インチキ臭い文面だなあ)に絶妙なマッチング。ジャケのイメージ共々どこかラヴ・サイケデリコを彷彿とさせるのは多分狙い所が似てるんだと思う。"Go It Alone"がお気に入り。特にベースラインがいい。

 そしてインスト曲もある。これがまたねじれ気味の感覚が心地よくも気持ち悪くて最高なのだ。 ジャケはラヴ・サイケデリコみたいだけどな。"Hitch Your Wagon To The Stars"なんかがそうだが、ダビーなのかジャジーなのか、なんだか全然解らないがとりあえずグルーヴィーであり、どうしても人工的で、何かが歪んでいる。俺はこういう違和感が大好きで、居心地の悪い気持ちよさ、と言うか、そうだな、"You Never Give Me Your Money"の歌詞にいい表現があった。「That Magic Feeling, Nowhere to Go」って感じ。

 自転車に乗っていて、遠くに行って道に迷ったときに聴きたい音楽、だな。