Woyaya

Osibisa

Beautiful Seven
Y sharp
Spirits Up Above

Survival
Move On
Rabiatu
Woyaya

 そもそもこのCDなんて持ってないし、CDが出てるかどうかも知らない。売ってるところを見た記憶はない。しかもLPを持ってるわけでもない。つまり実は、Ko-Ryuから借りてる(アナログ)レコードのレビューである。

 まあ、条件反射っていうか、誰が見てもロジャー・ディーン作のジャケを見たらプログレだと勘違いするのはまだいい方で、最初は普通にイエスのLPだと思ったという情けない第一印象である。

 しかし、中身は当然イエスでもなんでもない。これは何と言うのかね。勿論、アフリカン・ミュージックが下敷きなのは解るけど、例えばアート・ブレイキーのアフリカンな作品なんかよりずっと解り易い、って言うかやっぱりロックなんだろう。ビートは明らかにロックやファンクのもので、そこにアフリカがトッピングされている、と言うのが音の第一印象。
 しかし、オシビサのメンバーは全員アフリカ出身。ジャケにわざわざ出身がクレジットされてるくらい「俺達はアフリカ人だ!」って部分にはこだわっている様なのだが、それにしてはサウンドが解り易い。つまり、俺は聞き違えていたのだ。「ロックにアフリカをトッピングする」のではなく、「アフリカがロックしている」って言うバンドなのである。
 そりゃあそうか。「アメリカ人」のアート・ブレイキーだからこそ「ルーツ」であるアフリカにこだわる必要があった。しかしアフリカ在住のオシビサにはルーツは常に身近にある。なにも確認する対象ではないのだ。もっと言っちゃえば、要するに日本人のバンドがロックやるのと一緒なんだな。それでも「血」は確実にサウンド上に姿を見せる。

 そんな訳で、特にA面では"Beautiful Seven"のコーラスがアフリカンな感じだったりする以外には「アフリカ」が前面に押し出される部分は少ない。"Spirits Up Abobe"でもそう言うコーラスが出てくるが、むしろスライやファンカの様な感じに聞こえたりするのだ。勿論特にファンカなんかアフリカを意識してはいるんだろうけど、むしろオシビサの方がファンカを意識したコーラスをつけてるように聞こえるあたりがミソ。この適度な薄さは単なるロックファンである俺にはむしろツボなのだ。
 "Survibal"では口パーッションから始まってかなりアフリカっぽいパーカッションソロで始まるが、結局解り易いジャズファンクに落ち着くのが(A面を聴き進んできた俺には)最早「彼ららしい」とさえ思えてしまう。"Move On"あたりだとトラフィックとかと一緒に聴いても全く違和感がない歌ものファンクだ。オルガンがかっこいいんだまた。
 しかしラスト2曲は(おそらく)アフリカの言葉がタイトルになっているだけあって「そっちっぽい」グルーヴを聴かせる。"Rabiatu"のポイントはやっぱり3拍子系のリズム。「だかすかだかどんどんどん」って感じの。それでも微妙に薄く「アフリカの大地にロンドンの風が吹く」って感じでこれがまた(以下略)
 対してタイトル曲"Woyaya"は同じ系統のグルーヴをもうちょっとポップに寄せてメロウなメロディーが乗った普通っぽい歌もの。でもやっぱりリズム感覚がいかにもである。ちょっと「アフリカンレゲエ」って感じもするかも。