The Pentangle

The Pentangle

Let No Man Steal Your Thyme
Bells
Hear My Call
Pentangling
Mirage
Way Behind The Sun
Bruton Town
Waltz

 ブリティッシュフォークに関する郷愁、または憧れ等々、不思議な感情に関しては既に書いた。それで、あの文章を書いて以来、少しずつ有名どころのフォーク系のレコードを聴き進めている。このペンタングルは勿論、フェアポートとかも聴いたし、ジェスロ・タルなんかにもこういう気配を感じ取りつつ聴いていたのだが、結局(ってまだそんなに聴いてないが)この人たちが一番ツボだった。
 とにかく、基本的にアコースティック楽器しか使っていないし、トラッドであり、フォークであり、その上明らかにジャズ的な演奏をしてるのだが、結局混じった揚げ句の結果はどう聴いてもロックなのだ(この辺はMDK'sのサイトで書いたコトと重複する)。フェアポートの方が(エレクトリック楽器を使っているのに)真面目に(?)トラッドやってる印象があるのが不思議だ。

 トップの"Let No Man Steal Your Thyme"は「普通」のトラッドだが、ボウイングによるベースがこのバンド特有の雰囲気を作り出しているようだ。ヴォーカルも実は俺的にはサンディ・デニーより好きだったり。実際にはコレと"Bruton Town"だけが本物のトラッドのアレンジ。後者の方がトラッドな気配は強い。やっぱりボウイングによるドローンサウンドが違った異国風味を付け加えてるんだろうか。
 しかしやはり俺の度肝を抜いたのは"Bells"だ。このドラムソロ。全てブラシによるプレイなのに何故こんなにアグレッシブなのだ。サウンドの感触はジャズ的でさえあるにもかかわらずこのロックな佇まいは何だ。このドラマー、基本的にブラシプレイでソフトなサウンドであるにもかかわらずどの曲でも常にシャープなドラムで切り込んでくる。俺もMDK'sの「空っぽの人生」とかでこの音に憧れた演奏をしてるのだが(実は録音時にはあんまり意識してなかったのが気まずいが)、コレが結構難しいのだ。なかなか出せねえな、この感じ。テリー・コックスか、また憧れのドラマーが増えた。

 このバンド、バート・ヤンシュとジョン・レンボーンのギターを中心にしたサウンドが語られることが多いが、聴くたびに俺の耳に残るのはベースだ。前述の"Let No Man Steal Your Thyme"でもそうだし、"Hear My Call"でのジャジーなベースラインの存在感も実に大きい。"Pentangling"ではソロも聴かせるが、この人もドラマー同様ビートの聴かせ方が最高だ。フレーズもいい。この大曲はメンバー全員に聴かせ所があって流石バンド名(に近い)タイトルを付けただけのことはある。
 一番ジャズっぽいのはラストの"Waltz"。目まぐるしく風景が変わりながらメンバー各々の演奏を余す所無く聴かせていく。しかしアドリブに偏ることなく構成的にも練られていて、こういう部分はプログレ的にも聞こえる。コレだけ凝った内容で5分で終わるのも驚きだが。ちなみに珍しくドラムはスティックが使われている。