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流行り物に手が出せない体質だ。結局ニルヴァーナのベストも買ってなかったり、ビートルズ1の時もそうだったし、世間が騒いでると背を向けたがるひねくれ性は自分でも難儀だし、格好悪いからどうにかならんかなあ、とか思うのだがコレ性分なので困ってしまう。
2004年最初の数ヶ月、突如某ドラマのせいでQueenが盛り上がった。日本編集のベストはCDでは無いにも関わらずバカ売れしてしまい、音楽愛好家の頭を抱えさせた。
さて、このひねくれ者の嗜好が何故かこの世間の動向と合致してしまったところで難儀な男は悩むことになる。しかも「今しか買えない(かもしれない)」紙ジャケリイシュー。2001年リマスターの輸入盤は店頭にはあまり置いていないし、ネット通販でも高い。しかしアンチCCCD男は「東芝に金は払わない」宣言までしている。コレは・・・困った。
結局この男、自分を裏切りまくり初期5枚を一気に購入という暴挙に出る。全く呆れた話だ。こういう奴を決して信用してはいけない。
そうしてベスト以外のアルバムをはじめて入手して、一番印象に残ったのがこのアルバムである。一気に聴いたので印象ダンゴである感は否めないが、世間でも初期の最高傑作との評価の多いこのアルバムは俺のツボでもあった。
いわゆるヒット曲は収録されていない。ベストで聴けるのも"Seven Seas Of Rhye"くらいのもので、しかもあまり印象に残る存在ではなかった。しかし、そんなことはこのアルバムの充実度の前ではどうということはない。ああ、そう言えば「ブレイク前のセカンドアルバムにして大傑作」って意味ではゴダイゴのDEAD
ENDに似ているかもしれない。どちらもポップ極まりなく、しかも後の時期よりもロック度が高いと言う共通項がある。
いかにも「序曲」な"Prosession"(フーの"Overture"にも部分的に似ている)をイントロに始まる強力なHRナンバー"Father
To Son"がエキサイティングだ。"Prosession"を含む大きな流れはこの後"Bohemian
Rhapsody"に連なるクィーン得意路線。ただブライアンらしくクラシカルな方法論は殆ど聴かれず、彼のギターを中心にしたサウンドになっているところがミソ。
一転して穏やかな雰囲気のスローナンバーになるのが、この「Side White」のテーマ曲ともいえる"White
Queen"だ。「シタール風の音が出るように改造した」というアコギの音色がユニーク。フレージングと音色の的確なミスマッチが素晴らしい。そしてまるでシンセのようなホーン風の音色がギターだというのも凄い。「シンセサイザーは使っていません」だからね。
前半最後の2曲はブライアンとロジャーがそれぞれヴォーカルを取る。"Some Day One Day"のちょっとフォーキーな曲にフェイジングされたようなバッキング、その上にブライアンの不安定な声って組み合わせの絶妙さ。ちょっと方法論がジョージ・ハリスン的かもしれない。ソレは俺にとっては「好き」というのと同義なワケで。
そしてハスキーな声でロジャーが歌う"Loser In The End"はヘヴィーなハードロックだ。いつも彼はクィーンのハードな面を担っているがこの曲はそんな中でも重量感が特に凄い。サビの最後での「Woo
woo・・・」ってのが格好いいね。ドラムがソロになるときの質感の差も効果的。エンディングのギターソロのバックでの手数の多いプレイも注目。完全にロジャーが主役の1曲だ。
「Side Black」は逆回転フレーズが絶妙なミックスで正回転に変化する不思議なイントロから始まるハードなナンバー"Ogre
Battle"で幕を開ける。フレディ流のハードロックを"Father To Son"と聴き比べると面白い。間奏のサウンドはSE的に絶叫(ロジャーか?)が入って、かなり映像的なサウンド作りがされている。
"The Fairy Feller's Master-Stroke"も前曲同様ファンタジックなテーマの曲だが、こっちはハープシコードを中心にファンタジー的世界をサウンドに移し替えている。フレディの声色の使い分けにも注目。
"Nevermore"はピアノをバックにうたわれる短いバラード。前の曲から続いて演奏されているように聞こえるが、よく聴くと編集で繋いであるようだ。
そして「Side Black」のテーマこと"March Of The Black Queen"だ。"Bohemian
Rhapsody"のプロトタイプ的(エンディングはかなりはっきり似ている)ながらもそれ以上に複雑な構成(逆に言うと未完成的でもある)の曲。ヴォーカルもギターも一人掛け合いのようなパートがあり、オーヴァーダブの回数を想像するだけで気が遠くなりそうだ。確実にこの面、いや、アルバム全体のハイライトだ。曲としては"Ogre
Battle"の方が好きだけど、やっぱりこの音世界は圧倒的だよ。
"Funny How Love Is"は独立した曲だが、前の曲があんな曲だったのでその一部にも聞こえてしまう。っていうか、このアルバム両面合わせて2曲って聴き方も出来るんだけど。ともかく、一転してさわやかな雰囲気を漂わせるがパーカッシブなギターのコードカッティングがある種異様な雰囲気を漂わせる。ヴォーカルも何故か遠いし。
ラストはデビュー作の同名ラストチューンを改作した"Seven Seas Of Rhye"だ。このアルバムでは最もポップでストレートな曲。シングル向けだ。やっぱりイントロのピアノ(プリティーズの"Syngapore
Silk Torpedo"に似てる?)が印象的。
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