Rod Stewart 1964-1969

Rod Stewart

Up Abobe My Head
Good Morning Little Schoolgirl
I'm Gonna Move To The Outskirts Of Town
Bright Lights Big City
Ain't That Lovin' You Baby
Don't You Tell Nobody
Just Like I Treat You
Moppers Blues
Keep Your Hands Off Her
Bright Lights Big City(Live)
The Day Will Come
Why Does It Go On
Can I Get A Witness
Baby Take Me
Oh Baby Don't You Do It
Lord Remember Me

Shake(Demo)
I Just Got Some
I Could Feel The Whole World Turn Around Underneath Me
Little Missunderstood (Demo)
Come Home Baby
Stone Crazy
Little Missunderstood
So Much To Say
In A Broken Dream
The Blues
Cloud Nine
Shock Treatment
Diamond Joe
Engine 4444

 「スーパースター」ロッドのイメージに引いてしまうロックファンは多い。やっぱりロッドはロックシンガー!って人が多いのはまあ、仕方がないことだし、かくいう俺もその一人である。
 勿論スーパースター時代のロッドを否定する気もないのだが、どうしてもせいぜいフェイシズ以前、と言うコトになってしまうのである。実は俺はフェイシズも最近まで結構聴かず嫌いで、JBGまでと言う立場をとっていたのだが、そんな俺にとってたまらないのはこのCDである。
 「ロッド・ザ・モッド」と呼ばれていた時代に始まり、JBGの頃(JBGの音源は入っていない)までの録音をほぼコンプリートした2枚組(実は3枚組・後述)である。もうちょっとはっきり言うと、ロッドが一番カッコ良かったころを詰め込んだコンピレーションなのだ。

  名義は一括して「ロッド・スチュワート」になっているが、実際にはこの頃のロッドはいろんなバンドやソロで録音をしており、過去にもそういうものを集めたCDは幾つかあったが、コレはその決定版と言っても良いものだ。
 ブックレットにはレアでかっこいい写真がたくさん載っている。特にショットガンを持ったショットガン・エキスプレスの写真(ピンストライプのスーツのピーター・グリーンが!)はやたらかっこいい。結構馬鹿みたいな絵面って言う気もするが、紙一重でかっこいい。
 実は3枚目のCDはCD-ROMになっていて、写真が入っているというのでこの辺の写真を期待したのだが、何と中身は全部ジャケ同様の「おすましロッド君」ばかり。コレはがっかり。CD-ROM抜きの2枚組でリイシューしてくれよ・・・そしたらみんな買うだろうにさ。

 さて、内容に移るが、何が凄いって初CD化の曲が含まれてることで、トップの"Up Abobe My Head"からしてそうなのだ。コレはロング・ジョン・ボールドリーのシングルのB面だった曲で、彼とのデュエットだ。後述するが、バックに回ったときのロッドは最高だ。
 次の2曲はデッカから出た彼の初のソロシングルで、過去にも様々なコンピレーションに入っていたお馴染のテイク。当然だが既に「あの声」である。あの声でこのスタンダードをクールに歌っていて、熱さこそないが好演奏だ。CDには誇らしげに「フィーチャリング」と書いてあるが売れっ子セッションミュージシャン、ジョン・ポール・ジョーンズが参加。
 続いての6曲("Bright Lights Big City"から"Keep Your Hands Off Her")はデッカのためのデモテイク。デモとは言え充分なクォリティで、特に"Bright Lights Big City"のジャジーな演奏は流石「ザ・モッド」だとうならされる(いや、バックが凄いって話もあるが)。
 これらの曲は全て当時のボールドリートロッドのバンド、フーチー・クーチー・メンが演奏している。次の"Bright Lights Big City"のライヴもこのメンツだろうか。

 次にロッドが参加したのはブライアン・オーガーとジュリー・ドリスコールで有名な(ボールドリーも参加)スティームパケット。"Can I Get A Witness"から"Lord Remember Me"までの4曲がこのバンドでの演奏だが、全てオーガーのコンピレーションなどでも聴ける。勿論オーガーのバンドであるからにはモッズ音楽好きにはたまらないサウンドなのは言うまでもない。

 この時期にはソロシングルも出していて、ディスク1収録の"The Day Will Come/Why Does It Go On"とディスク2最初の"Shake/I Just Got Some"の2枚がそうだ。前者はストリングスとか入ったあんまり面白みのない曲だが、後者が面白い。言うまでもなく"Shake"はスモール・フェイシズの1stトップに入っていた曲。ロッドがそのスモール・フェイシズに加入することを考えると両者のルーツの共通点が良く見えて面白い(そう言えばスティームパケットの"Baby Don't You Do It"も共通している)。それがどうしてああいうバンドになるのか、ってのも面白いが。

 その次のバンドがショットガン・エキスプレスだ。ミック・フリーウッドやピーター・グリーンが参加していたことでも知られる。ベリル・マーズデンとのツインヴォーカルと言うスタイルはスティームパケットのセルフ二番煎じとも言えるが、個人的ロッドのフェイヴァリットナンバー"I Could Feel The Whole World Turn Around Underneath Me"がここで生まれている。荘厳なストリングスをバックにロッドのソウルフルなヴォーカル(勿論マーズデンとデュエット)が聴ける最高の曲だ。このCDにはこの曲しか入っていないが、東芝EMIから出たモッズ系のコンピレーションにはマーズデンをフィーチャーしたほかの曲も入っている。

 この後ロッドはJBGに加入することになるが、平行してソロ活動もしている。ソウルフルな"Little Missunderstood"とP.P.アーノルドとのデュエット"Come Home Baby"が発表されており、特にイミディエイトに残された録音の後者は「ザ・モッド」とモッズの歌姫の共演である。これまたこのコンピの目玉と言ってもいいだろう。ちなみにプロデュースはミック・ジャガー、ギターとベースはキース・リチャーズ!
 
 "Stone Crazy"はエインズリー・ダンバー・リタリエイション名義での録音だが、何故かこのギターを大フィーチャーしたブルーズナンバーにギタリストのクレジットがない。コレって、多分ベック・・・だよね。他にGTO's(ザッパ発案のグルーピーの女の子が組んだバンド!)の"Shock Treatment"も事実上JBG(ロン・ウッドは不参加)の演奏だ。とは言っても、正直何やってるのか解んない感じだが。
 やはり同時期のパイソン・リー・ジャクスン(オーストラリアのグループ)のアルバムに参加した3曲はなかなかファンキーなハードロックを聴かせている。このバンドはヴォーカルが弱かったからロッドに頼んだという話だが・・・かわいそうだな。

 そして再び目玉である。ラスト2曲"Diremond Joe"と"Engine 4444"はアート・ウッズ・クワイエット・メロン名義で録音された3曲の打ち2曲(残る1曲は"Diremond Joe"のインスト)である。このバンド、実態はアート・ウッド+フェイシズ+キム・ガードナーと言う編成(ロニー・レインは不参加説も)であり、まあ、スーパーグループである。
 メインヴォーカルはアートで、ロッドはセカンドヴォーカリストとして参加している。前述した通り、バッキングに回ったときのロッドは最高にカッコ良いのだ。アートは正直、ロッドほどの力量はないが、あえてロッドがバックというのが良いのだ。ここでのツインヴォーカルはコントラスト面でも最高である。

 結局このCD全体に置いて、聴きどころはロッドが誰かとデュエットしたところにあると言える。また、JBGにしてもベックのギターとのデュエットとは言えないだろうか。そう、デュエットしたときのロッドは凄いのだ。