Fresh

Sly And Family Stone

In Time
If You Want Me to Stay
Let Me Have It All
Frisky
Thankful N' Thoughtful
Skin I'm In
I Don't Know (Satisfaction)
Keep on Dancin'
Que Sera, Sera (Whatever Will Be, Will Be)
If It Were Left up to Me
Babies Makin' Babies

 不思議なアーティストだと思う。ファンクを語るときには常に欠かせない存在だが、そのスタイルは唯一無二。彼らのヒット曲の多くは世間一般でイメージする「ファンク」の枠では括れないものが多い。"Thank You"や"I Wanna Take You Higher"なんかなら解りやすいが、"Hot Fun In The Summertime"や"Everyday People"が普通にファンクに分類できるだろうか。「スライだからファンク」それはホントなんだとは思うケド。

 俺がどう思ってるかというと、これはやっぱり紛れもなく「ロック」だろう、と。ジミ・ヘンドリクスは実はスライに近い存在だと思う。まあはっきり言ってジャンルを厳密に分けるなんて馬鹿馬鹿しいコトなんだけど。

 スライの曲は奇妙だ。"Everyday People"を例にとると解りやすい。「うぅ〜〜しゃっしゃぁ〜」だよ?カッコいいか?これが。メロディーもまるで童謡だよ?カッコいいか?...勿論、カッコいいワケだ。何故、あの言ってしまえば馬鹿みたいな曲をカッコよく聞かせられるのか?ファンキーだから?理由にならない。そもそも前述の通りファンキーかどうか判別しずらい曲だ。勿論グルーヴィーではあるが。で、実はこの問題は結論が出ないのである。「実際カッコいいんだからしょうがない」コレだけだ。

 "Fresh"は、初期ファミリー・ストーンからメンバーチェンジを経て発売された作品だ。ここでは比較的まっとうなファンクが聴ける。オープニングの"In Time"は非常に複雑なドラミング(名手アンディ・ニューマークのプレイ)が印象的だ。まあ、俺がドラマーだからだろうが。まあ、テクニカルな面では難しいことをやってるワケだけど、聞こえてくる音はストレートなファンク。バランス感覚が凄いのだ。俺はこの曲でKOされたね。
 あと、例えば"If You Want Me Stay"にしても、"Babies Makin' Babies"にしても、勿論"In Time"もそうだけど、スライの曲ってやたらにクールだ。ただ、いわゆる「モッズ系」にしてもそうだけど、こういうかっこいいクールネスってのは「熱さ」をコントロールした結果としてのクールで、内面の熱さを隠そうとはしていないところもポイント。
 ギターやベース、トランペットがクールな音を奏でる中で、一緒に抑えていたスライがぐぅ〜〜〜っと来てシャウトするときのカタルシス。計算され尽くしたアレンジだが、多分本能で計算してるね。セッション一発でもう計算済み、みたいな聞こえ方だ。それだけに「フレッシュ」なんだな。

 そう、このアルバムには「奇妙な」曲は少ない。アルバム前半は特に「これがファンクですよ」って紹介してもいい音だよね。だからといって以前からの魅力がスポイルされたかというと、全然そんなコトはないと思う。むしろ今までのいろんな要素がいい形で統合されたのがこの作品だと思う。と言いつつもスローなソウルバラードにアレンジされた"Que Sera, Sera"やポップソウル(?)の"If It Were Left Up To Me"なんかも入ってるんだけどね。

 さて、ここまで書いてきてナンだが、俺の一番好きなスライのアルバムは"Stand"だ。「じゃあなんでコレ選んだのか」って言いたい?もうバレてるかな。....ジャケだよ、ジャケ!「必殺!スライ・キィイイイイイック!!!」わぁかっこいい。俺はこんなに楽しそうにキックをする仮面ライダーを他に知らない(注:スライは仮面ライダーではありません)。

 どうして俺はファンク系のレビュー書くとこんなに馬鹿文体になるんだろう。...ファンキーだからだよな。

 余談。このアルバムのワーキングタイトルは「Up For Grabs」だったそうだ。このタイトル、TSCの曲(ライヴのみ演奏)にパクられてます。