Full Moon Fever

Tom Petty

Free Fallin'
I Won't Back Down
Love Is A Long Road
A Face In The Crowd
Runnin' Down A Dream
Feel A Whole Lot Better
Yer So Bad
Depending On You
The Apartment Song
Alright For Now
A Mind With A Heart Of Its Own
Zombie Zoo

 俗に「トラヴェリング・ウィルベリーズ Vol.2」とも呼ばれるこのアルバムの何処がいったい「トム・ペティのソロアルバム」だというのか。だって参加メンツ見れば、マイク・キャンベルがフル参加、他のハートブレイカーズのメンバーも軒並み(1〜2曲とは言え)参加。向こうを見ればジェフ・リンを中心にジョージ、ロイ・オービソン、デル・シャノンにジム・ケルトナー。ウィルベリーズ人脈も(ディラン以外)フル参加である。ハートブレイカーズVSウィルベリーズといった趣なのだ。

 昔から好きなのが"Free Fallin'"で、俺はアメリカン・ミュージック・アウォードでアクセル・ローズと共演してるのを見た記憶があるんだけど、その時から凄くいい曲だな、と思っていた。何で当時CD買わなかったのかは良く解らないんだけど。多分何処に入ってるのか知らなかったんだろう。
 ともかく、当時聴いたヴァージョンよりこのスタジオ盤はよりシンプルでアコースティックな感じが強調されていて、心地よい。

 それにしても"I Won't Back Down"はジョージっぽい。曲がジョージっぽいのだ。実際に彼自身アコギとコーラスで参加しているのだが、曲そのものはペティとリンの共作。やりやがったな、リンよ。これぞウィルベリーズ番外編。
 そして間奏のスライドである。コレ、ジョージじゃないのだ。確かによく聴くとジョージっぽさとはちょっと違うんだけど、なんかジョージが弾きそうなフレーズがね。思わずクレジット凝視しちゃったくらいで。スライドギターでクレジットされてるのはマイク・キャンベルだけなので彼なんだろうけど、"A Face In The Cloud"(渋い)でもほんの1音のさりげない、コレまたジョージっぽい音のスライドを聞かせてくれる。トーンが似てるんだよな。そう言えばジョージの追悼コンサートでの"Handle With Care"も良かったもんね。

 "Love Is A Long Ago"はなかなか強力なR&Rだが、アレンジが"Won't Get Fooled Again"なのが笑う。「ぎゃっぎゃぎゃーん」ってリフに「あの」オルガン。狙ってるのは間違いないな。一種ニール・イネスにも通じるパロディ感覚。でもメロディはフーでも何でもないんだよね。アレンジだけ遊んでるの。コレも結構好き。
 "Runnin' Down A Dream"もリフが格好良くて、そのワリに歌がさりげないのがまた魅力なんだけど、この曲の雰囲気、ポールの"Biker Like An Icon"に似てる気がする。勿論ペティが先で、ポールが影響受けたかは解らないけど、多分こういうアメリカンな乾き方を出したかったのは間違いないと思う。まあ、ソレは余談としてもコレも凄く好きな曲だ。
 バーズのカヴァー"Feel A Whole Lot Better"は多分こっちの方を先に聴いたような気がする。まあそんなに印象は違わない、オリジナルを大事にしたアレンジ(特にタンバリン・笑)だけど。

 まあこのように前半に個人的に好きなのが集中してるのが気まずいんだけど、ソレは俺の集中力がないとか(無いけど)後半が弱いって意味じゃなく、単純に好みの問題。たまたまでしょうな。何故かジェフ・リンとの共作曲が前半に多く、そっちの方が耳を引きやすいより派手な造りになってるのも本当だと思うけど。
 だからって6曲目でCDを止める気はサラサラ無い。ポップな「これぞアメリカンロック」風の"Depending On You"はコンパクト&シンプルで気持ちいいし、ビートルズ〜バディ・ホリーと溯っていくかのような"The Apartment Song"のR&R感覚も好きだ。こういう過去へのリスペクトの仕方ってリンっぽいけど。でも"A Mind With A Heart Of Its Own"や"Yer So Bad"もそうだけど、後半(アナログサイド2かな)の方がペティのアメリカ人としてのルーツが見えやすい作りになってるように聞こえる。逆にUK好きの俺には前半の方が馴染めるのかもしれない。