Utopia

Utopia

Libetine
Bad Little Actress
Feet Don't Fail Me Now
Neck On Up
Say Yeah
Call It What You Will
I'm Looking At You But I'm Talking To Myself
Hammer In My Heart
Burn Three Times
There Goes My Inspiration
Princess of the Universe
Infrared and Ultraviolet
Forgotten But Not Gone
Private Heaven
Chapter and Verse

 このアルバムの評判ってどうなんだろう。メンバーは気に入ってるみたいだ。でも世間は?例えば以前の「レコード・コレクターズ」の特集では萩原健太氏とホッピー神山氏によって、わりと面白みのないアルバム、要は、普通にポップすぎる、と言う評価がなされていたと記憶している。ただ、彼らの、そして当時の視点としてはユートピアは「トッド率いる(一種の)プログレバンド」と言う扱いだったんじゃないか、と思う。確かに、初期はそうだったんだろう。神山氏をはじめとするファン達はそこに魅かれていた、と言うのもまた事実だろう。でもユートピア(特に後期カシム・サルタン加入後の)には「普通の」ポップバンドという魅力も確実に存在する。

 俺はまさにそこに魅かれたわけだ。ユートピアをビートルズフォロワーとしてとらえる層(特に"Deface The Music"を入り口としている人々)の多くはおそらくこっちの魅力に吸い寄せられたんだろう。このバンド名を冠したアルバムには、そんな魅力が(かなり雑然と)と詰め込まれている。はっきりいってかなりの名作だと思う。 

 実は個人的にはこのアルバムからユートピアを聴きはじめた。何故これを選んだかというと、よく解らなかったからだ。何枚かあった中から単純に「曲が多くて、シンプルなタイトルの」アルバムを選んでみたわけだ。記憶は定かじゃないが「ベスト盤か?」くらいに思ったのかもしれない。

 結果は大正解。いきなり1曲目の"Libertine"にノックアウトされた。しかもクレジットを見ると歌っているのはベースのカシムだという。ユートピアはトッドのバンドだと思っていたから、全曲トッドが歌っていると思っていたのだが、どっこい、ユートピアは「バンド」だった。他の曲を見てもロジャー・パウエル(キーボード)や、ドラムのウィリー・ウィルコックスまで歌っている。何とトッド単独ヴォーカルは7曲目まで出てこないのだ!「複数のヴォーカリストがいる」これは俺にとってはイコール、「正しいバンド」という意味だ。それだけで嬉しくなってしまう。サウンドはビートリーだし、言うことはない。

 他の曲も殆ど好きなのだが、特に5曲目までは全部最高(しかもここまででメンバー全員のヴォーカルがフィーチャーされる)。前述の"LIbertine"と"Say Yeah"はバンドでコピーしたこともあるくらいで、かなり気に入っている。他にもトッドの"Hammer In My Heart"や"Chapter And Verse"あたりもなかなか。

 残念なのは日本盤CDが無いこと。今では輸入盤も入手困難じゃないだろうか。結局今回も「どうにかなんねえのか?」と言う思いで締めくくる。