Oranges And Lemons

XTC

Garden of Earthly delights
The Major of Simpleton
King for a day
Here comes president Kill again
The loving
Poor skeleton steps out
One of the millions
Scarecrow people
Merely a man
Cynical days
Across this antheap
Hold me my Daddy
Pink thing
Miniature sun
Chalkhills and children

 20歳くらいの頃、いわゆるNWにはまっていた時期があって、そういう人間がXTCを聴かない、と言う亊はまずあり得ないわけで、そんな俺が選んだのは当時の最新作でもあったこのアルバムだった。まあ、最新とは言っても発売から既に1〜2年経っていたはずで、別に俺も新譜だから買った、と言うワケじゃなかったと思う。大きな理由はまずいっしょにバンドをやっていた俺の従兄弟が持っていないアルバムだったこと、そして、このあまりにも素晴らしいジャケットだ。

 このデザイン、世間では「ビートルズ風」もっと言えば「イエロー・サブマリン風」という言われ方をするが、まあ間違っちゃいないけどもっと近いのが「オールディーズ」だろう(これも指摘されていないわけでもないケドね)。そして更にはフーの「クイック・ワン」だ。俺はこの3つを足して2で割って2を引いて(人数)2倍ハッピーにしたのが、このジャケットだと思っている。ビートルズファンでこれをジャケ買いしそうになった、またはしたって人は結構いるんじゃないの?恥ずかしがらずに名乗りなさい。

 のっけからアンディのハイテンションな「きィ〜〜〜〜〜〜〜っず!」の叫びから始まるこのアルバム、ポイントになるのはパーカッシブ、と言うかミニマルな印象もあるリズム感だ。その冒頭の"Garden Of Earthly Delights"にせよそうだし、"Poor Skelton Steps Out","Scarecrow People"なんかもそう。"Merely A Man"もファンク風な形で出てるし、"One Of The Millions"や"King For A Day"といったムールディングの曲にもそれは(多少かたちは違うながら)現れている。
 しかし、XTCの魅力はそういった多少実験的だったり、極端だったりするサウンドを持ちつつもあくまで「ポップ」であり続けるところにある。どの曲もとにかくメロディがいい。俺が特に「歌」として好きなのは"Mayor Of Simpleton","The Loving","Cynical Days","Hold Me My Daddy","Pink Thing"等。特に最後の二つは流れが最高だなあ。メロ、良すぎ。

 ビートリーというポイントでも趣味性がいい感じで出てて、"Mayor Of Simpleton"の一部には"Misery"のピアノそっくりのフレーズが一瞬出てくるし、"Merely A Man"のトランペットはアルバム"Magical Mystery Tour"(アンディの好きなアルバム!)みたいだ。勿論前述の曲群のメロディもそうなんだけど、「ポップ=ビートル風」というイメージには待った。これは10ccなんかもそうだけど、ビートル風というのは「ポップであり、アバンギャルド」言い方が悪ければ「最先端」である、ということ。そういう意味ではオエイシスなんかビートリーじゃないと言える。アンディとコリン、そしてデイヴはビートルズの持っていた「ちょっと外した感じ」をナチュラルに再現できる才能がある。だからこんなに「何にも似てないけどビートルズっぽい気がする」音楽が作れるわけだ。他にこういう人に、ニール・イネスがいる。

 他に思いついたことなど。例えばコリンの曲がフォーキー("One Of The Millions")だったりジャジー("Cynical Days")だったり、アンディは「レノン役」って言われつつ無性にポップだったり(勿論レノンもポップなんだが)、前述の「きィ〜〜〜〜〜〜〜っず!」にしろ「はぁあ〜〜〜いやァ〜!」("Merely A Man")にしろ(次回作の「れっつびぎぃ〜〜ん」も)初期の「きゅうばぁ〜きゅぅばぁ〜きゅぅば〜ばばぁ〜ばぁ〜」から衰えてねえなあ、とか思ったり。