NONSVCH

XTC

The Balld of Peter Pumpkinhead
My Bird Performs
Dear Madam Barnum
Humble Daisy
The Smartest Monkeys
The Disappointed
Holly Up On Poppy
Crocodile
Rock
Omnibus
That Wave
Then She Appeared
War Dance
Wrapped In Grey
The Ugly Underneath
Bungalow
Books Are Burning

 XTCとの出会いは前回書いた。ジャケが素晴らしいOranges And Lemonsは当然大好きな作品だからああやって紹介したのだが、実は一番好きで、思い入れがあるアルバムと言う事になるとコレと言うことになる。なんと、俺にとってリアルタイムで、発売してすぐに買ったXTCのアルバムって、コレ一枚だけだったりする。Apple VenusやWasp Starは大分経ってから中古で買ってると言うのが本当のところなのだ。
 そう言ったワケで、聴いた回数も多分Drums And Wiresと並んで多い筈だし、その分好きな曲もいっぱいある。世間ではけっこう微妙な扱いを受けているように思うのだが、それは多分今までのようなひねくれ感が(比較的)希薄なところに起因しているのだと思う。そう、XTCの作品中隋一と言えるくらいに解りやすいのだ。あまりにも普通なポップだったために、XTC(この場合アンディ・パートリッジと言い換えてもいいだろう)に固定イメージを持っていた人たちは「物足りない」と感じてしまっていたのだろう。そういう部分はユートピアの例の作品と似たような扱いかもしれない。そして俺がそこに思うところも同じである。

 何が悪いんだ馬鹿野郎。XTCがポップなことに文句をつけるならXTCなんか好きにならんでもよろしい。うるせえお前なんかプログレでも聴いてろ、てなもんである(誰に怒ってるんだ)。

 まずギターをプラグインする音から始まる"The Ballad Of Peter Pumpkinhead"の「れっつびぎぃ〜〜〜ん!!」でKOだ。デイヴ・マタックス(セッションマン、と言うよりやっぱり元フェアポート・コンヴェンションと呼びたい!)のゆるいがかっちりしたドラムのビートに乗せたゆったりしながらも鋭角的なヴォーカルと言う、実はXTCスタンダードなノリがキープされているのにも注目したいが、とにかく覚えやすい曲、コレに尽きる。掴みばっちり系のオープニング曲だ。
 コリン・ムールディングは「マッカートニー役」として有名だが、そんな彼がタイトルに"My Bird Performs"と付ければそれはポップなメロディにアコースティック風(実際には結構エレクトリック)なバッキングになるのは当然であろう。アルバムのライナーではS&G風とか書いてあるが、俺にはポールっぽく聞こえる。いや、当然パクりでも何でもなく、ムールディングの世界なのは間違いないのだが。
 そんな、パートリッジ&ムールディングの個性が強くでた2曲を導入に、必殺のポップナンバーがあと15曲も堪能出来るのだ。普通は爆笑するくらい楽しくなってしまうものだろう。

 ではその他のいい曲を列挙したいと思う。「全部」と言い張ってもいいのだが、まあ、かいつまんで。ムールディングは実はベースもマッカートニーなうねり方をするのだが、そんなベース+ポップ過ぎるメロディで否応なくビートリーな"Dear Madam Barnum"、やっぱりダークな時のマッカートニーみたいな"Humble Daisy"、ティアーズ・フォー・フィアーズ("Everybody Wants To Rule The World"みたいな・・・)を限りなく優しげにしたようなリズムの"The Disappointed"、フォーキーなサウンドとベースとタムが一体化したリズム隊が心地よい"Holly Up On Poppy"、重苦しいメロディがピアノとホーンによるバッキングに乗り、どこか同時期のコステロを彷彿とさせる"Rock"、ビートルズを通過してラーズやストーン・ロージスにも通じるポップナンバー"Then She Appeared"、そして特に大好きなのがビートルズの"Things We Said Today"をもっとクールに、もっとハードに、もっとジャジーにしたような"War Dance"。

 あえて一息ついて。とにかく俺が最高に好きなのがラストの"Books Are Burning"だ。まるでマッカートニーなこの名バラードを作ったのは「レノン役」のパートリッジだ。いや、本当にポールが"Come On People"を作った時参考にしたのはコレじゃないだろうか、と言うくらいそういう雰囲気なのだが、それでいながらどんなポールのバラードにも負けていないメロディ、素晴らしいドラマティックなアレンジ。そしてクールなパートリッジのヴォーカル。"Maybe I'm Amazed"にも負けないメロディアスなギターソロはパートリッジとデイヴ・グレゴリーの掛け合いによるもの。この大作を見事に締める、凄くいい曲だ。ひねりは全然無いけど、最高にいい曲だ。