The Yardbirds (a.k.a. Roger The Engineer)

The Yardbirds

Lost Woman
Over Under Sideways Down
The Nazz Are Blue
I Can't Maky Your Way
Rack My Mind
Farewell
Hot House Of Omagararshid
Jeff's Boogie
He's Always There
Turn Into Earth
What Do You Want
Ever Since The World Began

Psycho Daisies
Happenings 10 Years Ago

 最近はさすがに見かけなくなりつつある論調だが、ヤードバーズは「3大ギタリストがいたバンド」だった。それ以上の価値が認められないという扱いになる場合も多々あったし、特にキース・レルフの扱いはひどいものであった。

 ふざけるんじゃない、ってーんである。

 ヤーディーズはレルフのバンドなのだ。いや、逆に今はこんなコト言って怒る必要が無い時代になったのは解ってる。でも、未だに古い時代の偏見をもってヤーディーズを語ろうとしたり、聴かず嫌いする人間だっているのだ。

 このアルバムはヤーディーズが最強メンバーだった時代のアルバムであり、また、この時期のメンバーがちゃんと意識して作ったほとんど唯一のスタジオアルバムである。全ての曲はメンバー5人の共作になっており、ジャケットはクリス・ドレヤが、ライナーはジム・マッカーティが、プロデュースはポール・サミュエル・スミスが担当しているまさしく「バンドの」作品なのだ。どうだいかにも俺が好きそうだろう。

 とにかく"Over Under Sideways Down"が好きだ。サイケデリックなシタール風ギターと凄くポップなメロディのコントラストがいいのだ。勿論我らがレルフもヴォーカルにハープに大活躍である。確かに彼の歌は朴訥としているが、同時代のほかのシンガーに引けを取るものでは有るまい。下手なんじゃない、これが彼のキャラなのだ。そりゃあ確かにエリック・バードンやスティーヴ・ウィンウッドに比べるのは酷だが。
 同じく(前後するが)性急なリズムの"Lost Woman"も絶品だ。マッカーティのドラムのジャングルビート、レルフのハープ、ベックの鋭角的なギターが炸裂する間奏部分が特に凄い。
 あとベックの上ずりまくったヴォーカルがカッコ悪い"The Nazz Are Blue"(間奏の「おーいぇ」は酷い)とか"Rack My Mind"みたいな伝統的ブルーズマナーの曲も一番とがってる時期のヤーディーズが料理すればパンキッシュになる。この点ではやっぱりベックが凄い。彼のギターは明らかにとがっている。凄くエッジが立った、クラプトンとは正反対のスタイル。これがガシガシ切り込んでくるのはやっぱり凄い。(凄いばっかり言ってる気がするが)
 そんなベックの(時に馬鹿っぽい)ソロを大フィーチャーした その名も"Jeff's Boogie"ではいくらでもベックを堪能できる。楽しいしね。

 童謡?トラッド?みたいな"Farewell"に奇妙なインスト(何をブクブク言ってるんだ)"Hot House Of Omagarashid"みたいな曲でサウンドに幅がでているのも見逃せない。いや、これがただの実験埋め草じゃなくて楽しいいい曲だから。
 勿論いつものブリティッシュビート風("He's Always There")や"Still I'm Sad"路線グレゴリオ聖歌風("Turn Into Earth")あたりも完備、お買い得である。

 実は目玉はボーナストラックの"Happenings 10 Years Ago"だったりする。同時収録の"Phycho Daisies"(かっこいいタイトル!)と共にジミー・ペイジが参加、ツインリードでプレイされているものだ。しかし、有名ギタリストツインリード!とか言うのは置いといて単純に曲がカッコ良い。発狂暴走中のベンチャーズみたいなギターリフ、"Over Under Sideways Down"をアップデイトした様なアレンジ、「ヘイ!」の掛け声、ガッチリ決まっていてサイケポップ名曲の座は揺るぎなし、ってなもんである。