Almost Blue Elvis Costello And The Attractions

Why Don't You Love Me (Like You Used To Do)
Sweet Dreams
Success
I'm Your Toy (Hot Burrito #1)
Tonight The Bottle Let Me Down
Brown To Blue
A Good Year For The Roses
Sittin' And Thinkin'
Color Of The Blues
Too Far Gone
Honey Hush
How Much I Lied

 このアルバムに対して偏見を持ってる人は多い。つまりはコレをカントリーのアルバムとして聴くからいけないのであって、普通にアトラクションズのアルバムだと思えばいいわけなのだ。確かにカントリー的な曲が非常に多く入っているが、コステロらしいポップソングに聞こえる曲も充分にある。曲がオリジナルじゃないのがどうだって言うんだ。"Kojak Variety"だって名作じゃないか。だいたい"Peace, Love And Understanding"の例を挙げるまでもなくコステロはカヴァーが上手いんだぞ。黙って聴きやがれ。

 と、俺に対して言ってやりたい。

 オープニング曲が"Why Don't You Love Me (Like You Used To Do)"で、こんな曲からはじめられると通常のコステロのアルバムにしか聞こえなくなってしまう。こういうカヴァーの処理(原曲知らないが)は相変わらずで、"I Can't Stand Up For Falling Down"の様に完全なコステロ節になっているのだ。しかしこの曲はあっという間(まるで"Get Happy!"収録曲のように!)に終わってしまうのだ。
 そういうワケで次の"Sweet Dreams"こそこのアルバムの本領である(シングルにもなった)。しかし個人的にはちょっと「Sweet」過ぎるか。ストリングスも入ってあま〜く歌い上げるのもコステロらしいのだけれど。もう1曲のシングルカット"A Good Years For Roses"と共に頭の硬い俺の苦手分野だ。バラード系ならむしろ"I'm Your Toy"の方が好きな感じだ。フライイング・ブリトー・ブラザーズの曲で原曲を知っているせいもあるのかな。非常に「らしい」ナイーヴのピアノとコステロの歌がマッチしてるのも俺的にはポイント。

 俺のイメージする「カントリー」の世界はむしろ"Tonight The Bottle Let Me Down"様な曲だ。ジョン・マクフィー(元クローヴァーで、"My Aim Is True"に参加していた)のペダル・スティールの音。ナッシュビル録音のせいかイギリス人にしては精一杯に乾いたサウンド(特にドラム)。テンポはあってもどこかまったりしたビート。"Brown To Blue"や"A Good Years For Roses"もそうだけど、映画ブルース・ブラザーズでボブの店で喜ばれそうな音楽・・・それをアトラクションズは見事に表現して見せる。ここでのアトラクションズがあの店に出演したら「レギュラーバンドになってくれ!」くらい言われるんじゃないだろうか。ブルースあたりがすぐにブチ切れそうだが。

 かと思うと、カントリーというよりR&B的なフィーリングのある"Sittin' And Thinkin'"みたいな曲もあるから面白い。特に「コレはどう考えてもR&Rだろ!」っていうお馴染の曲、"Honey Hush"は異彩を放つ。このアルバムではじめてコステロがいつもの「悪いヴァージョン」の声を聞かせる。突如パブロックの人の本性を出してしまうこの瞬間がいつ聴いても爽快だ。

 このアルバム、またリマスターが出ると思ってCDを(例によって)人にあげちゃったんだけど、なかなか出ないのでアナログで聴きながらコレを書いている。しかしまあ、案の定と言うか、何とアナログの似合うアルバムだろう。ある意味正解?

 しかしこんなまったりしたアルバムの裏ジャケ、メンバーの不敵な佇まいは何なのだ。特にピートの目つき!「次はこの程度じゃすまないぜ、覚えていやがれ」って感じで、案の定次は"Imperial Bedroom"なのだ。