Get Happy!! Elvis Costello And The Attractions

Love For tender
Opportunity
The Imposter
Secondary Modern
King Horse
Possession
Men Called Uncle
Clowntime Is Over
New Amsterdam
High Fidelity
I Can't Stand Up For Falling Down
Black And White World
5ive Gears In Reverse
B Movie
Motel Matches
Human Touch
Beaten To The Punch
Temptation
I Stand Accused
Riot Act

 20曲40分!!・・・強力である。この詰め込み方でインパクト充分。堂々貼られた「20 Great Hits」のラベル(画像には無いが)。オレンジのジャケットも鮮烈なだけでなくダメージパロディもシャレが効いている。
 しかしこの20曲、作りすぎ入れ過ぎで焦点がぼやけても不思議はないのだが、コレがいちいちコンパクトでポップでパンチが効いた曲がこれでもか!とずらり、なのだ。俺がリマスターに買い替えたとき古いヴァージョンを友人にあげたのだが、彼女から来た「Get Happy!!最高!」と言うシンプルなメールこそまさしくこのアルバムのレビューとして相応しいのではないか。こういうコンパクトなモンをグダグダ語るな、ってなもんである。

 しかしそれで終わるのもアレなもんで、やっぱりこの素人評論家はグダグダ語るのである。

 このアルバムの特徴としてモータウン的な音へのストレートな接近、と言うのがある。いや、ストレートじゃないかもしれない。明らかにモータウン発、ビートルズ経由コステロ行き、である。ポップなところからポップを経由してポップに行き着くとこういうすげえ楽しいサウンドになる。いきなりトップの"Love For Tender"からしてその代表例みたいなモノで、踊るにはちょっと短すぎるけどいきなり聴く側に満面の笑みをもたらしてくれる。そしてこんな曲が20曲も詰まってるのだ。そりゃあ「最高!」くらい口走るほうが普通だろう。
 シングルカットされた"I Can't Stand Up For Falling Down"は実際にサム&デイヴのカヴァーなのだが、オリジナル(未聴)はスローナンバーなのをこういうダンスナンバーに仕上げてしまった。これがまたたまらんポップさ。これがB面トップなのだが、実はオリジナル盤はどっちがA面なのかがぼかしてあり、どっち面から聴いてもいいように出来ていた。つまりこれは「もう一つのオープニング曲」であり、そう考えても「最高!」なのである。

 こうやって二通りに聴くと、「本来の」順でラストに来るのが"Riot Act"で、これがまたシブいスローナンバーで、美しいピアノと重いリズムのコントラストが見事なのだ。ベースラインの素晴しさ込みで、ポール・マッカートニー的である。最後をゴージャスに盛り上げる名曲。
 ところが逆サイドから始めると"High Fidelity"がラストに来て、印象が大きく変わる。このスーパーポップナンバーをラストと考えると、過去の作品のアメリカ盤等のようにシングルヒットを最後に持って来たように聞こえるのだ。これも面白い仕掛けだ。

 もう片っ端から好きなんで、挙げてくのも大変なんだが、個人的には「カンボジア難民救済コンサート」のLPで聴いた"the Imposter"が思い出深い。このちょっとだけスカっぽいスピードポップに一発でやられたのが俺のコステロ原体験パート2なのだ。コステロ自身も気に入ってるのか、このタイトルを変名や自身のバンド名に多用している。
 他にもメロディアスで微妙にレゲエっぽい"Oppotunity"や、典型的コステロ節で渋味とポップが同居する"King Horse"に"High Fidelity"、哀愁を感じさせながらビートのエッジは相変わらず鋭い"Possession"、アルバムを代表するスローナンバー2曲、"New Amsterdam"と"Motel Matches"、クールな音にシャレたタイトル表記がキマり過ぎの"5ive Gears In Reverse"、"Imposter"以上のスピード感、アルバム中最もパンキッシュな"I Stand Accused"・・・ざっと触れてもこの有り様。

 ね、「最高!」でしょ?