個人的にいちばん良く聴いたアルバムがこれだ。リリース当時に買って、ライヴも行ったから散々聴いて、結局今でも一番印象の強い作品になっている。詳しい話は"Spike"のレビューと重複するから書かないが、この2枚前の"King Of America"から顕著なジャズやアメリカンロックの影響を強く押し出した作品群が俺は大好きなのだ。アルバム単位で一番思い入れが強いのは明らかにこれ。全曲歌えるのも多分このアルバムだけだな。 とにかくいいバラードがいっぱい入っている。俺が「バラード好き」になる原因を作ったのがこのアルバムと言っていいかもしれない。その筆頭になるのが「バラードの達人」ポール・マッカートニーとの共作のひとつ"So
Like Candy"だ。タイトルに反しどこか「苦味」を感じさせるのがコステロらしさ。サビや後半で強力にシャウトして盛り上げていくところは圧巻だ。当時のライヴではこの曲と"I
Want You"をメドレーにする(更に"The Very Thought Of You"も)という非常に濃厚なバラードメドレーを聴かせていた。胸焼けしそうだが、最高。 言うまでも無くこいつはバラードだけのアルバムではない。っていうか普通筆頭に採り上げるのはコレだろ、って言う必殺ポップナンバーは無視しちゃいけないでしょう。勿論それは"The Other Side Of Summer"であって、このブライアン・ウィルソンとポール・マッカートニーを足してエルヴィス・コステロを掛けたようなスーパーポップ作は当然このアルバムを代表するナンバーだ。ホント、一瞬「アレ、ポール参加してないの?」と思わせるイントロのベースはコステロ自身のプレイ(曲中は勿論ジェリー・シェフ)。そして複雑にからみあうコーラスアレンジも凄く気持ちが良い。でもカリフォルニアや日本じゃなくて、イギリスの夏って感じに聞こえる。湿度が低い。 凶暴系コステロも勿論います。ポールとのもう1曲の共作"Playboy To A Man"もパワフルでいいが、やっぱりファンにたまらないのは"Pump It Up"路線の進化系とも言える"Hurry Down Dooms Day"だろう。ジム・ケルトナーの生ドラム&ループを聴かせるための曲と言っても良いほどで、フリーキーなギターも凶暴なヴォーカルも全てはドラムのためにある。当時のライヴでは本編ラストに力任せにブチかましていた。アルバム以上に気違いじみたプレイは必聴。 もう1曲、触れないわけに行かないのが"Couldn't Call It Unexpected No.4"だろう。アルバムのラストを飾るどこか教会音楽の空気感もある美しい曲だ。ラリー・ネクテルのピアノもマーチングバンド風のケルトナーのドラミングも完璧だ。面白いのはジェリー・シェフとマーク・リボー(ギター)がホーンを担当しているところ。リボーはライヴでもトロンボーンを吹いていた(シェフはウッドベース)。 ところでNo.1とNo.3は無いんだろうか。 |
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