This Year's Model Elvis Costello And The Attractions

No Action
This Year's Girl
The Beat
Pump It Up
Little Triggers
You Belong To Me
Hand In Hand
(I Don't Want To Go To) Chelsea
Lip Service
Living In Paradise
Lipstick Vogue
Night Rally
Radio, Radio
 以前、コステロは"Spike"や"Mighty Like A Rose"が好きだと書いたが、アトラクションズは実にかっこいいっていう感想も、また本音である。「音を出したらかっこいい」近年のコステロに比べ、この頃のコステロ、そしてアトラクションズは「立っていればかっこいい」のだからたまらない。パンク期のバンドだけあってシャープなルックスが実に決まっている。特にブルース・トーマスの不敵な面構え&サングラスは最高だ。勿論サウンドもルックスに劣らずシャープ。切れ味の鋭いリズム隊とメロディアスなキーボード、そしてヴォーカルの対比が見事なのだ。

 実はアトラクションズと組んだデビューはこれである。作品としてのクレジットは「エルヴィス・コステロ」であるものの、裏ジャケにはアトラクションズの姿もあるし、事実上の「& the Attractions」作品である。
 前作はバックにクローヴァー(ヒューイ・ルイスのいたバンドで、ニューズの前身、ただしここにルイスは不参加)を従えて録音されており、意外にサウンドにもアメリカンな気配が漂っている部分もあった。しかし、この後長年連れそうアトラクションズは純粋なブリティッシュロック、いや、UKパンク/NWサウンドをガシィ!!っと決めてくれる。ここに来て聴きたかった音になっている感もあり、前作で少しだけ物足りなかった凶暴な感じが得られているのだ。

 そんなアトラクションズの挨拶代わりの一撃、"No Action"のポップでありながら攻撃的なグルーヴ。哀愁のメロディがコステロの声に似合う"The Beat"はスティーヴ・ナイーヴのオルガンが最高のフレーズを決める。勿論タイトル通り「ビート」も効いていて個人的には大好きな曲だ。
 ライヴのエンディングに欠かせない必殺の"Pump It Up"はタムを多用した重いビートにベースが絡みつき、オルガンのリフがとどめを刺す。ダムドの"Neat Neat Neat"の影響を感じるサビは本家にも劣らぬ攻撃的な音。名曲揃いのアルバムだがやっぱり、ハイライトの座は譲れない。
 "Little Trigger"はバラードシンガーとしての才能が既に開花していることをはっきりさせているし、"Hand In Hand"や"Lip Servise"の60年代的とも思えるメロディ作りも素晴しい。
 "(I Don't Want To Go To) Chelsea" ではスカ的なビートが聴けるし、"Living In Paradice"でもスカとはちょっと違うがトロピカル(?)なビート感を強調。この時代のバンドには欠かせなかった要素だが、消化の度合いもなかなか。特に前者、スカをベースにしつつももっと複雑なフレーズでしかもストレートなビートという結構難しげなサウンドをバッチリ作り出すピート・トーマスの才能に拍手。ヴォーカルもリズム楽器としての歯切れの良さに留意しているようだ。
 アルバム中で最もパンキッシュな"Lipstick Vogue"ではブルース&ピート・トーマス(兄弟ではない)のリズムソロまで聴ける。凶暴さでは勿論トップのナンバー。コレ聴いて暴れたくならないようじゃあ、ちょっとマズいね。

 このアルバムって、世界各国盤でジャケがちょっとずつ違ってコレクタブルなんだよね〜とか、コレクターっぽいこと書いて締めようか。え、俺?勿論CDしか持ってません。