そう思ってたのは事実だが、あの変な曲はやはり、あまりにも強烈だった。いつの間にか口ずさんだりもした。でも、不思議と「彼らは何者か?」という疑問には行き当たらなかった。 じゃあどこで彼らをちゃんと認識し、CDを買ったのか、それが思い出せない。何にしてもその「変な曲」こと"Death Cab For Cutie"が聴きたくて買ったことだけは間違いない。どうやらいつの間にか虜になってしまっていたようだ。 アルバムを聴いてみると、やはり最初に耳に入ってくるのはその「変」のパート。それに、ディキシーというかトラッド調のジャズだったり、マーチ風だったり、映画音楽(しかも昔の)風だったりするその妙に懐かしいサウンド。俺は日本生まれの日本育ち。このての「イギリス人が懐かしい音」が何故俺が懐かしいのかはわからない。「懐かしい風」なだけかもしれない。でも、とにかくこれが俺のツボだった。"Jollity
Farm"や"Micky's Son And Doughter"の童謡風とさえ言える音。これがもう、変にツボにはまる。明らかにコメディの"I
Left My Heart In San Frabcisco"や"The Sound Of Music"(超有名曲を完全におちょくっている)やパロディ風である"Death
Cab For Cutie"(エルヴィスを意識していることは言うまでもない)も楽しいし、イネスの超名曲"The
Equestein Statue"の素晴らしいメロディも最高なのだが、気がつくと俺が好きになっていたのはこのボンゾズ流にねじれまくったポップの方だった。 話は飛ぶが、このバンドにはもう一人凄い人がいる。ロジャー・ラスキン・スピアーというのは結構馬鹿にしたような名前だが、彼はバンドのサックスプレイヤーの一人(もう一人はロドニー・スレイター)だが、ステージにおける彼は「ボンゾズの魂」とでも言える存在であった。彼はステージ上に自作のロボット(!?)を持ち込み、この「ワケの解らないもの」は始終蒸気を噴いたり変な動きをしたり、果てには壊れて煙を噴いたりしてメンバーさえ困らせたという。 ただ、スピアーのソロは最高の馬鹿ポップとしては大好きだが俺のノスタルジーは刺激しない。この感覚があるのはただ1枚、このアルバムだけなのだ。これを説明できるのはもう、ありきたりだがこの一言しかない。「バンドマジック」って奴だ。イネス、スタンシャル、スピアー、スレイターに加え、レッグス・ラリー・スミス(ジョージの親友、と言うかお抱え道化師!)、サム・スプーンズ、ヴァーノン・ダドリー・ボヘイ・ノウェル(凄い名前!)の7人でのみ産み出せた、この唯一無二のサウンド... |