The Book Of Taliesyn

Listen, Learn, Read On
Wring That Neck
Kentucky woman
Exposition/We Can Work It Out
Shield
Anthem
River Deep, Mountain High

 ディープ・パープルは2枚目に限る、と言うお話。

 実は今回のパープルは再挑戦にあたる。HP立ち上げ当初、実はこのコーナーで「ファイアーボール」を扱う予定で、ほぼ完成していたのだが、ミスでテキストを消してしまったのだ。以来、パープルはやる気を失ってしまっていた。で、その「ファイアーボール」こそ第2期の2枚目にあたるアルバム。何しろ名曲"No No No"収録というだけでも価値が高いのだが、パープルには異色の"Anyone's Doughter"やスピーディーな名作ハードロック"Fireball"など、なかなか隙のないアルバムであった。更にいえば、第3期も「ストームブリンガー」の方が好きだ。単に「バーン」はあまり聴いてないというだけの気もするが。でも"Lady Double Dealer"やタイトル曲は結構愛聴していたはずだ(高校の頃だが)第4期は2枚目は無いし、再結成以後は知らんが。

 そして、真の2作目にあたるのがこのアルバム。68年のリリースで、まだサイケの余韻が残った時期のアルバムだ。この頃パープルは「アートロック」と呼ばれていたのだが、既に「ハードロック」に繋がるサウンド作りが散見される。特に2曲目(これまた2だ)の"Wring That Neck"("Hard Road"なんて糞みたいななタイトルで呼ぶこと禁止!)はインストで、まだジョン・ロード(あえて元アートウッズと書いておきたい)のオルガンの方がメインに近いが第2期の初期にも演奏されていたエキサイティングなナンバーだ。

 4曲目のメドレーは第1期パープルの二つの側面が組み合わされている。ロードのクラシック趣味が存分に発揮されている前半部"Exposition"から、ファンキーにアレンジされたビートルズのカヴァー"We Can Work It Out"に繋がる構成で、この後半はあくまでポップだ。"Kentucky Woman"や"Listen, Learn, Read On"(事実上のタイトル曲)にも言えるが、ロッド・エヴァンスのヴォーカリストとしての素質はこういう曲に合っている。イアン・ギランにはポップな曲をソフトに歌いこなすのは向かないだろう。パープルの方向性がこういう方面に向かっていた1、2枚目の時期はエヴァンスとロードを中心に曲が作られ(選ばれ)ていたと言っていいだろう。しかし、3枚めの頃にはロードが主導権を握り、クラシック風サウンドに傾きはじめ、エヴァンスとニック・シンパー(あえて元ジョニー・キッド&パイレーツと書いておきたい)脱退後にはオーケストラとの共演盤まで作る。ロードはここで満足したのか、主導権をリッチー・ブラックモアに譲り、第2期ハードロック路線が完成する、と言うわけだ。

 しかし"Kentucky Woman"のエヴァンスは最高だ。カヴァーだが、"Hush"共々彼のために書かれたんじゃないか、っていうほどの名唱だ。勿論バックの演奏も冴えまくっているんだが。やっぱリロードもこういう曲の方がクールに弾きまくってかっこいいし。同じカヴァーでも"River Deep Mountain High"のアレンジはやりすぎ。あのイントロ...(笑)いや、楽しいんだけど。これも4曲目同様メドレーって解釈したほうが良さそうだ。実際後半部(ちなみにアイク&ティナ・ターナーのカヴァー)はソウルフルでカッコ良くなる。2曲ともハーモニーもいいしね。

 俺は勿論第2期以降も好きだが、特に最近繰り返し聴くのはデビュー作とこのセカンドだ。3枚目はバランスが悪いし、2期以降はハードロックな気分じゃないと聴けないし、あれは「演奏」を聴いている気がする。イアン・ペイスとブラックモアが嫌いな俺にはきつい部分も多い。そういう意味ではどう考えてもいちばんいい「曲」が聴けるのはこの2枚。そして、ポップ、アート、ハードのバランスが最も良く取れたこのセカンドアルバムが最高傑作、くらいまで言い切りたい俺なのだ。

back