さて、そんな可哀想なパープルだが、たった一人の死者、トミー・ボーリン在籍時の76年のライヴ盤である。この時期って、無視されてきてたし、実際俺も無視してた。だが、このライヴを興味本位で聴いてみたが、これが面白いのだ。特に新人3人のプレイ、そして頑張って若いもんに着いて行くおっさん二人。良く「ファンキーなパープル」と呼ばれるラインナップだが、まあ散々ファンクやソウル聴いた耳にはそれなりのファンキーにしか聞こえないが、しかしHRの範囲では、特に「ディープ・パープル」として考えると驚くほど黒い。このジャケの色、黒紫白だが、正にそんな感じなのだ。 新曲やボーリンのソロは当然なのだが、例えば"Smoke On The Water"のリズム感が大分違うし、更にエンディングに無理矢理"Georgia
On My Mind"が繋げられること。かなり無理矢理だが。 "Burn"や"Stormbringer"では何とイアンペイスの「だちーちー」フレーズ(バーナード・パーディの例のアレ)が聴ける。ペイスには黒っぽい資質が特に薄いと思っていたが、頑張っている。結構見直したぞ、ペイス。逆に"Burn"のオルガンソロとか、まあ新メンバー風に変わってはいるが、終盤にお約束のクラシカルなフレーズが出てくるとこのバンドには明らかに浮く。こっちのおじさんは今一つ着いて行き切れてないのがちょっと残念だ。 で、お待たせしました。目玉は何だかんだで新曲なのです。"Lady Luck"はホントパープルとは思えないほどよく跳ねたリズムの曲で実にかっこいい(ここでも「だちーちーちー」が・・・)。スタジオ盤より躍動感を増したアレンジだ。ヒューズのベースもリズミカルで良い。"Love Child"の方がHRファンには馴染みやすいのかな。なんか、サバスみたいな曲ですが。ペイスが「すととすとと」(ボンゾの有名フレーズ)やってるのがびっくり。 ハイライトは"Gettin' Tighter"。終始ヒューズがバンドを先導するこの曲は「ファンキーパープル」路線究極の一曲だ。間奏なんか完全にジャズファンクノリである。しかしこのノリで15分近くやられたら(保守派の)パープルファンはさぞキツかろうな。勿論俺には"Child In Time"延々やられるより圧倒的に良い。中間部では第3期の"Space Truckin'"で試された要素が次々に顔を出す。特に"Dance to the Rock'N' Roll"と呼ばれるパートは重要。例えるならZEPの"Boogie Mama"の様な存在か。 このバンドには最早こういう曲の方が似合っていて、実際、"Lazy"や"Highway Star"等には以前のシャープな感じは少なくなっていてちょっと物足りない。ドラムやギターの長いソロも蛇足だし。そういう意味では「こんなのパープルじゃない」って言う人の気持ちも良くわかるのだが。ヒューズとカヴァーデイルがヴォーカルを分け合う"Smoke On The Water"なんか、二人とも歌詞を覚えたくなかったのか知らんケド1番歌って2番歌ってまた1番、って中途半端なヴァージョンになってるし。でも二人のヴォーカルの違いが良くわかって面白いヴァージョンではある。 |