Fireball

Fireball
No No No
Demon's Eye
Anyone's Daughter
The Mule
Fools
No One Came

 第2期パープルの最高傑作は何か?答えは普通"Machine Head"だろう。では一番重要なアルバムは?それはやはりHR路線の幕開けとなった"In Rock"なのは異論ないだろう。

 じゃあ、一番好きなアルバムは?

 前回、第1期の紹介の時も触れたように、俺にとってはこの"Fireball"が最高の作品だ。前述の通り、完成度や緊張感、そして歴史的な位置などでは一歩譲るし、実際に比較的マイナーな存在でもある。日本盤などには"Demon's Eye"をカットして"Starange Kind Of Woman"が入っているが、実はUKオリジナル盤ではシングルヒットが皆無なのだ(一応"Fireball"がカットされた国もあるが)。そりゃあ存在も地味になろうというもの。
 だからってしょぼいアルバムかってーと勿論ここで紹介する以上はそんなことはあり得ない。ってーか繰り返すが俺はこいつが大好きなのだ。何だかんだ言って他のアルバムも好きだが、思い入れではトップだ。彼らの作品中でもかなり早い時期に買った(多分最初か、"Machine Head"の次)のも多分原因だろう。

 ドラマーの俺には"Fireball"のイントロの2バスプレイがとにかくインパクトだった。そもそもHR的2バスはあまり好きじゃない俺が「大好き」と断言するのはコレとヴァン・ヘイレンの"Hot For Teacher"くらいなのだ(フーみたいのはまた別格ね)。ライヴはこの曲だけ2バスにセッティングするという馬鹿らしさも感動モノであるが、とにかくこの疾走感。HRバンドのオープニング曲のお手本みたいなものである。あ、勿論彼ら自身の"Speed King"や"Highway Star"っていう例もあるのだが。
 そしてパープルには珍しく重く、黒っぽい"No No No"。黒いったってパープルの黒さは所詮たかが知れているのだが、それゆえに逆に彼らにしかあり得ない独特のグルーヴである。個人的に彼らのオールタイムフェイヴァリットの一つだ。勿論更に最高なのはビート・クラブでのスタジオライヴ。コレのルーズなノリ、もう最高。同じ日に収録の初期ヴァージョンの"Highway Star"がまたフリーキーで素晴しいというのは勿論余談だが。
 勿論ヒットした"Starange Kind Of Woman"もいいが、アルバムの流れにはオリジナル通りの"Demon's Eye"の方がよりフィットするのは当然だろう。曲の雰囲気も地味で、日本盤の流れの方が好きという人も多いだろうが、俺の場合は後に入手した新装盤の流れの方がより馴染めた。
 カントリー風というよりは英国トラッドの香りぷんぷんの"Anyone's Daughter"も他のアルバムでは無いタイプだし、しかもこの手の曲は俺のツボぴったり。ライヴは長いドラムソロを含む"The Mule"もおざなりな様でいて、どうしても捨てがたい魅力がある。どこがいいんだ、と思いながら飛ばし聞き出来ない不思議な曲だ。ひたすらヘヴィーで、様々に展開する"Fools"も隠れた名曲。
 ラストの"No One Came"も整然としないディープ・パープルを堪能できるエキサイティングな曲だ。前述のライヴを挙げるまでも無く、この時期のパープルはどこか絶妙に狂っているのかもしれない。

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