In Live Concert At The Royal Albert Hall "Concerto For Group and Orchestra" Composed by Jon Lord

First Movement
a.Moderato
b.Allegra
c.Vivace
Second Movement
Part 1 Andante
second Movement
Part 2
Third Movement

 どう聴いても「やっちゃった」感じだよな、いろんな意味で。つまり多分リスナーやメンバーの大半にとっては「あぁ〜あ、やっちゃった」って感じだろうし、ジョン・ロードにとっては「どうだ!やっちゃったぜ!」なんであろう。多分ロードは満足しているし、コレが一番好きというパープルファンも存在しない。「ロックとクラシックの共演の貴重な記録」「意欲的な試み」・・・いやいや、どう聴いても失敗作。好きな人は好きなんだろうけど、アルバム1枚コレは長すぎる。やり過ぎって意味でも「やっちゃった」アルバムなんだな。

 要するに「ロックとクラシックの融合」がロードが思ったほど出来ていないのだ。クラシック(オーケストラ)は、あくまでクラシック的に、ロックバンドの側は相も変わらずロックを演奏。第1楽章序盤("Moderato")はオーケストラのみの演奏で、約8分経ってバンドが出てくると最初の瞬間以外はほぼバンドの音になる(多分この部分が"Allegro")。ここでの演奏は結構エキサイティングだが、やっぱり「融合」はしてないだろうと。まあペイスのドタバタしたリズムにオーケストラが着いてくるのも大変だろうが。結局ガーッて来るのがロードが緻密に書いたスコアではなくリッチーのアドリブ、ってのはちょっとアレだろう。"Vivace"に移る部分で「融合」するかな?と思わせといて、結局バンドとオーケストラは交互に登場、瞬間的には絡むものの、大筋ではすれ違いっぱなしで曲は終わってしまう。コール&レスポンスって解釈かあ・・・まあ、アリっちゃあアリだがな・・・微妙。
 
 ところで「クラシック(オーケストラ)」と括弧書きしたのには意味がある。つまり、ロードが書いたのは「クラシック曲」ではなくてやっぱりロックなのだ。ものすご〜くクラシックが好きそうな人が書いたロック、またはポップミュージック。むしろ映画音楽の世界に近い。第2楽章でギラン(結局最後まで「あの」シャウトは聴けない)とバンドが登場するあたりがまさにそういう感じだろう。ソフトプレイに徹するペイスのプレイは完全に伴奏だ。ここでは「バンドとオーケストラ」は第1楽章より上手く融合しているが、それは決して「ロックとクラシック」の融合に聞こえるものではないのだ。

 結局ラストの第3楽章で盛り上げたいのだが、バンドとオーケストラを無理に絡ませようとするとどうしてもバンドが指揮に合わせる形になり、萎縮して聞こえてしまう。第1楽章でのアドリブパートのようなグワーッと来る瞬間もあまり見いだせないのが痛い。ペイスのドラムソロに関してはこの人のソロは個人的に好きじゃないので正確な評価は出来ないが、ソロ終了後に"Mule"の如くバンドが入ってくるカタルシスが味わえないのは辛い。いきなりオーケストラが盛り下げてどうするんだよう。

 何だかんだで大袈裟なだけで「コレだけの長さで」っていう条件と「メンバーがオーケストラパーと含め全部作曲」という面を除いてしまえば決して新しいことはやっていない。この程度の融合なら60年代のサイケに足突っ込んだバンドならみんなやっていたんだし。
 結局良く指摘される事実で、俺が今更言うことじゃないかもしれないけど、ブラックモア&ギランが次(In Rock)に進むためにロードを満足させとく必要があった、そういう存在意義なんだろうな。

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