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Shades Of Deep Purple
And The Address
Hush
(a) Prelude : Happiness
(b) I'm So Glad
Mandrake Root
Help
Love Help Me
Hey Joe
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とりあえずヒット曲"Hush"なのである。ここからディープ・パープルの歴史は始まる。確かにサイケの流れを汲んでいるし、ブラックモアのギターも活躍しない。しかし、ここには既に後のHR時代の片鱗が既に現れているし、そうじゃなくたってハードではなくともクールなロードのオルガンとエヴァンスのヴォーカルの素晴らしさだけで最高じゃないか。
とにかく「ギラン/ブラックモア信者」からは酷評されがちなロッド・エヴァンスだが、60年代後半のアートロック時代を生きるのに最適の歌い手であったと思う。バンドの楽曲も彼の声を生かす方向で作曲(または選曲)されていて、エヴァンスを「弱い」と感じる瞬間は初期3枚に置いて、存在しない。勿論、In Rockで彼が歌っていたら「弱い」のは間違いないのだが、それは要するにバンドの志向が変化したというだけの話で、そう言う意味ではエヴァンス離脱は必然だった。だが、それはこの時代のエヴァンスを過小評価するための材料にはなり得ないのだ。
エヴァンス擁護に文章を費やしすぎた。以下、他の楽曲に付いて。"And The Address"はイントロが"Hush"と似ている気もするが、ドライヴ感に溢れたインストナンバーで、初っ端の一撃としてもなかなかだ。これを露払いに"Hush"に突入する流れはワリと最高だ。
"Hush"以上にポップな"One More Rainy Day"も素晴らしい。こういう曲が書けたのにカヴァーに頼っていた印象があるのはレコード会社の意向なんだろうが、残念な感じもする。おかげで数多い名カヴァーが聴けた、とも言えるんだろうけど。歪んだサイケポップの"Love Help Me"も楽しい曲だ。ヘンドリクスのバンドでノエル・レディングが歌う曲みたいな雰囲気。
アートロック的な展開はビートルズのカヴァー、"Help"に顕著だ。ヴァニラ・ファッジのビートルズカヴァーが意識にあったことは間違いなく、また、イエスの"Every Littele Thing"とも類似性がある。要するに「アートロック的カヴァーのやり方」の典型であり、次回作でも"We Can Work It Out","River Deep Mountain High"で繰り返される。
その"We Can Work It Out"にはインストの「序曲」的なものが付いていたが、それの原型と言えるのが"Prelude:Happiness / I'm So Glad"だ。スキップ・ジェイムズのブルーズカヴァーだが、勿論クリームのヴァージョンが下敷きだ。が、全てにおいてクリームの域には到達していない。"Hey Joe"もヘンドリクスまんまで、あまり面白くない。
やはり"Mandrake Root"だろうか。70年代初期までライヴでもプレイされていたハードな曲で、このアルバム中でも特に重いノリの曲だ。後に後半部分が"Space Trackin'"のインプロビゼイションパートとして採り入れられる、この時代最重要曲の一つだ。そう、このノリはどんどん洗練されつつ、パワーアップしていくことになるのだ。今は圧倒的にロードが主張しているが、徐々にブラックモアも出てくる。これがディープ・パープルの「歴史」なのだ。
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