Presence

Achilles Last Stand
For Your Life
Royal Orleans
Nobody's Fault But Mine
Candy Store Rock
Hots On For Nowhere
Tea For One

 渋谷陽一が誉め讃えたせいか、世間ではツェッペリンの最高傑作というコトにさえなってしまっている。いや、勿論俺だって好きだし、駄作と言うつもりも無いけど、コレを最高傑作と言ってしまうのはちょっとキツい。
 根拠として、明らかに衰え始めたボンゾのプレイ、というのがある。コレはマードックスのMo.と話していて気付かされたのだが、テクニックの向上に反比例してグルーヴが失われつつある時期のものなのだ。よく、In Through The Out Doorでのボンゾは軽くて平面的だと言う意見を目にするが、実際にはその兆候は既に出ている。いや、Phigical Grafityの時点で既に見え始めているのだ。

 とは言え、個々の楽曲を紹介しようと思うと俺にはやっぱり褒め讃える事しか出来ない。いきなり"Achilles Last Stand"なんか持って来られた日には尚更である。やはりこの曲のサウンドプロダクションは圧倒的だ。ギターオーケストレイションによって構築されたスケールの大きいサウンド、10分という長い曲だがそれを感じた事は一度も無い。
 だが、逆を言うと「ギターオーケストレーションで構築」する事で「サウンドプロダクション」でこの曲を保たせている様に感じるのも事実だ。ボンゾが"When The Leevie Breaks"の様に叩けていればこれだけ大量のギターは必要なかったんじゃないか。
 なお、日本盤の歌詞カードで「アキレスの巨大な両腕が」となっているのは「アトラス」の間違い。よく聴けばわかるし、「大地を天から支える」のがアキレスでは無く、アトラスなのはギリシャ神話好きには常識である。
 変則的なビート感を持つ"For Your Life"は個人的にはかなり好きな曲の一つ。ペイジがストラトで遊んでる様にも聞こえるが。ボンゾは2年前より全然軽いとはいえ、頭拍のシンバルの位置とかは結構良い。ただ、やっぱり後半でギターリフに呼応したフレーズを踏む時の頭抜き半拍3連バスドラムのフレーズは、"Good Times Bad Times"のそれより圧倒的に正確で早いが、重さも説得力も足りない。
 "Royal Orleans"(ロイヤル・オルレアンと読んではいけない)は、タイトルに反して全くニューオーリンズ風ではないZep流のファンク。ジガブーの影響を受けているフシも見受けられるが、全然ミーターズ風じゃなくてボンゾそのものなのが笑える(いい意味で)。軽めのギターの音もこの曲では逆に効果的で、軽快なファンクを演出している。

 "Nobody's Fault But Mine"はブラインド・ウィリー・ジョンスンの歌詞を流用した曲で、下敷きはブルーズだが結果として全く別のものになっている。そこら中に出てくるブレイクのタイミングは楽譜化不可能な微妙なもので、コレはもうバンド以外であり得ないグルーヴ。間奏のハープが入ってくる瞬間の気持ちよさがこの曲のキモだと思う。ヴォーカルも含め、主役はパーシーだ。
 "Candy Store Rock"は軽いタッチのロカビリーで、ペイジ&プラントの趣味が爆発したと思われる曲だ。初期のR&Rメドレーの楽しさをオリジナルで再現という気分か?("Boogie With Stu"の実体はカヴァーだったし)。それでもリズム構造はかなりオリジナリティを感じるもので、ドラムは相当複雑なプレイをしている。
 "Hots On For Nowhere"には複雑な思いがある。楽しいファンクではあるが曲としてはどう考えてもたいしたコトないし、グルーヴも軽い。ペイジの「びよおおおお〜ん」もどーなのよ、だし。でも、このやりたい放題ドラムに、プレイヤーとしての俺は惹かれまくっているのだ。「最近出来る様になったプレイ全部やってみました」的な、グルーヴよりテク優先のプレイだが、なんだか物凄く好きなのである。実際にここからいくつかアイデアを借りた事もある。そういうワケで、評価保留。音楽って複雑。
 ラストの"Tea For One"だけはストレートにダメ出ししたい。この曲には「"Since I've Been Loving You"の冗漫な焼き直し」としか感じられない。ラストに録音されたと言うし、この長さ、穴埋めという言葉さえよぎる。バンドも決してこっちの方が良いとは思っていないんじゃないだろうか。77年以降のツアーで"Since〜"が選択されている事実がそれを物語っている。

1977 Tour基本セット

The Song Remains The Same
Te Rover intro 〜 Sick Again
Nobody's Fault But Mine
Over The Hills And Far Away
Since I've Been Loving You
No Quater
Ten Years Gone
The Battle Of Evermore
Going To California
Black Country Woman
〜 Bron-Yr-Aur Stomp
White Summer 〜 Black Mountain Side
〜 Kashimir
Over The Top
Guitar Solo 〜 Achilles Last Stand
Stairway To Heaven
(encore)
Whole Lotta Love 〜 Rock And Roll

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