Thunderbox

Thunderbox
Groovin' With Jesus
I Can't Stand The Rain
Anna (Go To Him)
No Way
Rally With Ali
Don't Worry, Be Happy
Ninety-Nine Pounds
Every Single Day
No Money Down
Drift Away
Oh La-De-Da

 なんとなくパイって"Eat It"で終わってることにされてない?なんか、これと"Street Rats"って無視されてる気がするんだよね。「パイはフランプトンが抜けてからがいい」とか言うクセに実は評価してるのは"Smokin"と"Eat It"だけ、っておかしいだろ?だって、このアルバムかっこいいんだから。ヒプノシスによるジャケが(アナログでは)結構エッチな仕掛けなのは有名。CDの鍵穴部分を切り抜こうかと迷っている馬鹿は、俺だ。

 要するに基本はグルーヴとマリオットの歌、コレで決まりである。オープニングの"Thunderbox"から当然の様に炸裂してくれているんだから、なぜあまり顧みられない作品になっているのかが理解できない。だってさ、かっこいいだろ。この曲、パイ好きなのにこれ嫌いって、意味解んないし。つまりは、これが「ハンブル・パイ」である。
 "Groovin' With Jesus"も同様にノリでグイグイ押していくナンバー。ギターはクレムにまかせてスティーヴはオルガンで攻めまくる。
 "I Can't Stand The Rain"はホーン(メル・コリンズ!)を導入したソウルナンバー。ピアノはマリオットか。ゆったりめなルーズなグルーヴに乗せて熱くて黒いヴォーカルを聴かせる。
 "Anna (Go To Him)"は勿論ビートルズで有名なアーサー・アレクサンダーの曲だ。オリジナルもビートルズももっと軽いが、パイは当然グッとヘヴィーに、ソウルフルにアレンジ。バッキング云々より、スティーヴの歌、これを聴けってな感じである。それにしてもスモール・フェイシズの"You Really Got A Hold On Me"といいなんか「レノンより俺の方が熱いぜ」とか思ってなかったか?スティーヴ。
 "No Way"はブラックベリーズをフィーチャーしたスワンプ風のノリの曲。前作での"Black Coffie"とノリが似ている。作者に名を連ねるのはグレッグ・リドレー。どうも彼が関わるとこういう調子になる傾向がある様な気も(漠然と)するが。エンディングのクールさが好き。
 "Rally With Ali"はメンバー全員の共作。ってコトはジャムってたら出来ちゃったんだろうな。メンバー達のプレイもアドリブ色が強い。ラップ的にも聞こえるヴォーカルもバンドも凄くファンキー。ってもZep的なハードロック的ファンキーさで、コレが当然の様に俺のツボ。ジェリー・シャーリーのドラミングが最高。荒っぽさとクールさの的確な同居。
 "Don't Worry, Be Happy"も同じくジャムっぽい曲だが、こっちはブラックベリーズもフィーチャーしてよりソウル寄りな雰囲気を出している。ブラックベリーズに溶け込まないグレッグの荒っぽいバッキングヴォーカルがハードで良い。
 "Ninety-Nine Pounds"はR&Bのカヴァーだが、パイらしいヘヴィーなリフを持ったHR(但し、凄くソウルフル)にアレンジされている。ちょっとミックスが軽い感じに聞こえるのが若干の難点か。
 "Every Single Day"は数少ないクレムの単独作品で、彼がタメの効いたギターを聴かせる。ヴォーカルはスティーヴが担当。スティーヴの弾くリフにクレムのスライドが絡みつく構成。なかなかの迫力だ。
 "No Money Down"はチャック・ベリーの曲。黒っぽくない黒人、ベリーの曲をパイは圧倒的に「黒く」プレイする。但し、ちょっとあまりにも典型的ブルースロックのスタイルにはまりすぎている感があって、ちょっと物足りない。っていうか飽きやすいんだな。
 "Drift Away"はドビー・グレイで有名なR&B。メインヴォーカルはグレッグが勤める。彼の歌はスティーヴのような黒さはないが、ちょっとダミ声で、太く、渋味のある声がこの曲によく似合っている。比較的シンプル、かつ丁寧な演奏。後半のハイライトだと思う。
 "Oh La-De-Da"もカヴァーで、ステイプル・シンガースの曲だ。スピード感がありながらヘヴィというのはパイのサウンドの特徴の一つでもあるが、この曲ではブラックベリーズのコーラスが軽快さの方を強調しているようだ。感想でのギターとベースの絡みが絶品。

 

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