Ogden's Nutgone Flake

Ogden's nut gone flake
Afterglow of your love
Long agos and worlds apart
Rene
Song of a baker
Lazy Sunday
Happiness Stan
Rollin' over
Hungry intruder
Journey
Mad John
Happy days toy town

 もう結構前になってしまうが、Small Facesのイミディエイト時代のアルバムが紙ジャケで再発になっていた。その発売日のこと、駅ビルのレコード屋に買いに行ったのだが、売っていない。「イミディエイトファースト」こと"Small Faces"はあるのだ。入荷はしたはずだろう。問題は、「丸い奴」"Ogden's Nutgone Frake"だ。何故無い、売れたのか。そうに違いない。初回限定生産だしな。どう考えてもあれが一番人気だろう。俺もとりあえず「丸い奴」だけ買おうと思っていたしな。.......待てよ?ふと、頭にある考えが浮かぶ。
 「Moさん、今日新星堂でさあ...」「(笑)言いたい亊解った」「Small Facesの紙ジャケさあ...」「...ばれると思ってたよ」

 案の定犯人は身内だったのだ。

 さて、そんなこんなでその数日後に別の店で手に入った「丸い奴」。やっぱり嬉しいんだよね。このシリーズ、音源がマスターテープじゃなくて盤おこしだったりするようで(少なくとも「イミディエイト1st」は間違いない)色々と評判が良くないんだけど、こいつに関してはとりあえず「丸いだけでOK」と言った感はある。音に関しても、曲の部分はちゃんとマスターテープからリマスターした様で、曲間のつなぎ部分だけレコードから起こした音源を使っているらしい。それにしたって今までのイシューでは曲間が離れていた部分がちゃんと繋がったのはやっぱり感動。丸いジャケットを眺め、「お〜、繋がってるよ」などと一人騒ぐ間の抜けた姿はとても人に見せられるもんじゃない。

 勿論名盤として名高いこのアルバム、内容も最高だ。タイトル曲"Ogden's Nutgone Frake"はいきなりインストで、サイケデリックなサウンドが実に俺好み。しかし実はこの曲、初期のシングル"I Got Mine"(こちらは勿論歌入り)の改作なのだ。それでも彼らのインストは常に最高だ。
 イギリスで一番ソウルフルなシンガーの一人、スティーヴ・マリオットの迫力のヴォーカルとバンドの最高のグルーヴが堪能できる"Aftergrow Of Your Love"はここではアコースティックヴァージョン(?)が頭に追加されたアルバムヴァージョン。シングルとはエンディングも大きく異なる。ヴァースとサビでの表情の付け方が絶妙。
 メドレー的に始まる"Long Agoes And Worlds Apart"では珍しく作者でもあるイアン"マック"マクレガンのヴォーカルが楽しめる。ロニーの世界とも通じるフォーキー&サイケな感触のナンバーだ。マックのヴォーカルは朴訥としていて、上手くもないが、この曲にはマッチしている。
 続く"Rene"はロニー・レインが歌っており、この時点で3人それぞれの歌が聴けることになる。いかにもロニーの得意なトラッド風の陽気な曲で、ほろ酔い加減にさえ聞こえるヴォーカルには余裕も感じる。エンディングのいかにも唐突なヘヴィーなギターに不思議と違和感がないのも、ワザだ。
 "Song Of A Baker"は"Aftergrow"同様の緩急自在の「ヘヴィ・ソウル」ナンバーだ。マリオットファンなら誰もがハマるタイプの曲なのは言うまでもあるまい。ここではヘヴィかつ手数の多いケニーのドラミングにも注目したい。このプレイは彼のベストの一つに数えていいと思う。あと間奏でのロニーのベースラインが無茶苦茶格好良いのは言うまでもないだろう!
 イギリス人らしい、キンクスあたりとも通じるトラッド風味(?)の味付けの曲"Lazy Sunday"はシングルヒットもしたし、個人的なフェイヴァリットにも数えられる曲だ。スティーヴがいつになくコミカルな歌い方をするのも楽しいし、ロニーによる2回目のサビのコーラスと間奏のスキャット(?)もまた、楽しい。楽しい尽くしのナンバーなのだ。それでもサビではソウルフルになってしまうのを止められないスティーヴはやはり最強のシンガーなのだ。

 アナログB面に当たるパートは"Happiness Stan"という一つのストーリーになっている。そのオープニング部分になる同名曲はちょっとエキゾティックな感じとトラッドっぽさが同居するサイケフォーク、とでも言えばいいのかな。後半はいかにもサイケにヘヴィーな展開となる。
 成程こういう路線か、と思ったところに現れる"Rollin' Over"は音楽的にはB面のハイライトだろう。マリオットワールド全開のハードなナンバー、イントロからドライヴしまくるバンドに圧倒される。そしてマックのエレピが最高にクール!短い曲だが凝縮された濃過ぎるほどのソウルがある。
 再び最初の路線での"The Hungry Intruder"ではロニーの語り調のパートが曲間のナレーションとリンクする感じになっていて、アルバムのトータル性を高める効果にもなっている。ストリングスを加えたサウンドは美しくもサイケ。
 ちょっと「らしくない」雰囲気も漂う"The Journy"もロニーが歌う少しヘヴィーなサイケナンバー。マックのオルガンを中心に効果音も交え、混沌とした世界が展開する。一瞬ギターがダブ風に響くのが妙に新鮮だ。
 "Mad John"はトラッドフォーク調のバラッドで、初期のハンブル・パイにもロニーのソロにも繋がっていく流れを感じる。エンディングでナレーションがかぶっている間に密かにリズムが変化していくのが面白いセンスだ。
 そしてラストの"Happydaystoytown"、まさにハッピーでノスタルジックなイギリス人ならではの曲だ。これもキンクスやボンゾズに通じる感覚だが、もっとストレートなのが彼ららしさ。パブで酔っぱらって歌い狂うのが似合いそうだ。

 イミディエイト時代の彼らは、所謂「自称モッズ」にはあまり評価が高くなかったりもするらしいけど、このアルバムが出た時代を考えると、彼らは最先端のサウンドに手を出していたわけで、それはもう完全に「モッド」な姿勢だ。そういうことを考えずにイメージだけでこの時期のアルバムを聴かないのは勿体ないなんてもんじゃすまないし、そういう人が「モッズ」を名乗るのは最低だと思う、この私。この話はしだすと長くなるんでやめますけどね(笑)

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