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個人的に一番好きなプリティーズの作品。いや、最初は俺も「名盤S.F.Sorrow」とか「元祖ガレージバンド」とか言う聴き方をしていたのだが、いつの間にかこのアルバムを聴く回数が増え、今ではフェイヴァリットだ。
後期プリティーズもHR系のファンの間では評価は高く(決してHRバンドではないが)、無視されているとは言えないが、評価が高いのはむしろ(ZEPの)スワン・ソングと契約してからの2枚と言う印象が強い。しかし個人的にはコレの方が好きなのだ。完成度では譲るかもしれないが、初期の暴れ者の香りを残しつつ洗練に向かう過渡期っぽさも好きだ。
それから(余談かもしれないが)裏ジャケに脱退したメンバーの顔が全て描かれてるのも楽しい。
一曲目から強力な"Love is Good"をかましてくれるからたまらない。スローバラードに分類できるタイプの曲だが明らかにヘヴィーなリズムに(前作より薄くなったものの)ポップなコーラス、そしてメロディックなフレーズを全編で奏でるピーター・トルスンのギターと、各要素が見事に溶け合う名曲だ。
続く"Havana Bound"は後期プリティーズを代表するR&Rと言っていいだろう。サウンドは典型的だし、特にメロディックでもないが、ヒステリックなメイのヴォーカル、メンバーのソロパートを含んだ展開、そしてジョン・ポーヴィの相変わらずゴキゲンなピアノ。バンドとしての魅力が詰まりたい放題だ。ライヴでは更に派手に展開する。
キャッチーな2曲で掴んでおいてフォーキーなバラード"Peter"が登場する。ストリングスも導入しているがあくまでシンプルな音と悲しげなメロディが良い。そしてこの曲を導入部のようにして始まる"Rip
Off Train"は世界観を受け継ぎつつよりポップなサウンドになっている。アコギのみの出だしから徐々に楽器が増え、だんだん派手になっていくが"Peter"から続く空気感が最後まで決して壊れないのが見事だ。なお、ライヴでもこの2曲は続けてプレイされている。
"Over The Moon"はストリングスをフィーチャーしたバラードナンバー。メロディが最高に美しくてキャッチーだがここで(似付かわしくないような)ダミ声のヴォーカルを聴かせるのはウォーリー・ウォーラー。前作までのベーシストで、このアルバムではプロデューサーとして関わる(但し変名)彼がメイと競作したのだが、何故ヴォーカルまでとってるのかは不明だ。でも、結構味で俺は好き。
"Religion's Dead"はダルな感覚のR&R。トルスンのギターを中心にストーンズ風のルーズな演奏が初期のプリティーズを思い起こす瞬間も。
"Country Road"は例の「あの」曲ではない。ペダルスティールまで入れて、タイトル通りのカントリー風味を出そうとしてるのに聞えてくる風景は明らかにイギリスのものだ。綺麗にキマッたコーラスも不思議とバーズ風にはならないのね。
"Allnight Sailor"もカントリーロック風の曲。だがこの曲もどうしようもないほどに英国的だ。この辺もトルスンの趣味なのかな。サビで必ず出てくる変な効果音が異様なまでに耳につく。楽しい曲だけど。
後半のハイライトは"Onion Soup"だ。「決してHRではない」と書いたが、この曲はかなりHR的なダイナミズムをもっている。頭打ちでも突っ込んでいかないヘヴィーなドラムにヘヴィーなリフが乗り、トルスンが熱いソロを聴かせる展開はそりゃあロックファンなら好きに決まってるよな、って感じで、勿論ライヴではインプロビゼイションまで登場するのだった(しかもジャズ風な4ビート!)。トップ2曲と並ぶ代表曲だろう。
間をおかずに始まるブルーズ風の"Another Bowl?"が最終曲。ポーヴィとメイがツインヴォーカルを聴かせ、ポーヴィはピアノ&オルガンでも大活躍。とにかく重い。実は長いこと"Onion
Soup"の一部だと思っていたが、実際ライヴでもセットでプレイされることもあったようだ。曲の最後にはLove Is
Goodの歌詞がリフレインされる。トータルアルバム風の仕掛けにもなっているのだ。
なお、このアルバムの曲の多くはボーナストラックと"BBC Sessions"でライヴヴァージョンが聴くことが出来る。こういうロックなアルバムはライヴがキモなだけに、最高に嬉しいぞ。
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