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"Freeway Madness"と並んで好きなアルバム。スワン・ソング移籍第一弾アルバムであり、新たにゴードン・エドワーズとジャック・グリーン(元T.レックス)が参加している。この二人に加えトルスンが、様々なギター類を担当、更にポーヴィにエドワーズも加わった鍵盤類が厚みのあるサウンドを構築している。特にこの時点でスキッパーに並ぶ古参メンバーとなったポーヴィの貢献は多大で、彼のピアノがサウンドの中心になる曲が非常に多くなっている。
なお、(アルバムのクレジットを含め)ジャック・グリーンを「ヴォーカル」としてクレジットする資料が多いが、彼は契約の関係でこうなっただけで、実際にはギターやベースもプレイ、また、作曲にも関わっているらしい。
"Dream/Joey"は「メドレー」と言うわけではなく、歌詞ではJoey's in a dreamと歌われているように、単にこういうタイトルの曲だと思った方がいい。2台のピアノが絡み合うバッキングに、メイがパワフルなヴォーカルを乗せる。2ビート主体のリズムなのにスケールの大きいアレンジが魅力。ベースラインが好きなのだが、このアルバムでは各メンバーが入れ替わり立ち替わり弾いているので誰のプレイか解らん。
いつものシンプルなR&Rも健在。プリティーズの場合"Maybe You Tired"の様なストレートな曲でもコーラスが大きくフィーチャーされ、更にポップなメロディが乗るので単純に楽しい気持ちになれるのが良い。
"Atlanta"と"L.A.N.T.A."はセットみたいな曲で、前半はアコースティック感覚を生かした、どこかスワンプっぽい響きも感じる曲。この曲のリズムを展開させて、パーカッションを多用したジャムに突入するのが"L.A.N.T.A."だ。この流れで聴いていると、なんか微妙にマナサスっぽくも聞こえる。ただ、圧倒的にイギリス臭いのだが。後期トラフィックの方が近いかな。
結構バラードが良いというのもプリティーズの特徴の一つ。"Is It Only Love"はちょっと大袈裟すぎる感じもするが、でも何故か憎めないバラード。ピアノとオーケストラの絡みとか、嫌いな人は嫌いそうだなあ、とか思うけど。どうしてもバラード向けの美声じゃ無いメイが、結構ベタッと歌うのがいいのかもしれない。それにしてもこのベタ過ぎるタイトルはどうかと思うが。
「ご機嫌な」ブギとか、ベタ臭いコトいいたくなる"Come Home Momma"も実に楽しい曲だ。間奏のブレイクを受けたエンディングの仕掛けも効いている。
"Bridge Of God"は安定感とスピード感が同居したビートが印象的。16分のハイハットで2拍4拍にタムを叩くスキッパーのドラミングが冴えている。ハイトーンのコーラスが彩りを添えるサビの覚えやすさも魅力。
タイトル曲"Singapore Silk Torpedo"は個人的にプリティーズのベストソングの一つ。シーケンサーのように早く正確なポーヴィのピアノによるイントロから、疾走感溢れるR&Rに展開、メイのシャウトも迫力満点だし、全編で弾きまくるトルスンも最高のプレイだ。前曲も含め、こういう曲では新メンバー二人がウォーリー・ウォーラーの抜けた穴(特にヴォーカル面)を見事に埋めている。
"Belfast Cowboys"はミドルテンポの、アーシーな曲。Paraschute以降のプリティーズには良く聴かれるタイプの曲だ。ビートは倍テンポとメインのテンポを行ったり来たりするのだが、そういう時の流れの良さというのもプリティーズの魅力の一つ。メドレー的な曲でどこからどこまでどの曲だか混乱することも多いが、それはこの「流れが良すぎる体質」から来るものと思われる。実はこの曲もラストのギターソロからいつの間にか"Bruise In The Sky"に変わっているのだが、これを1曲だと思っている人も多いだろう。実際、1トラックにされてしまっているCDもあったようだ。
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