The Rolling Stones

Route66
I Just Want To Make Love With You
Honest I Do
Mona(I Need You Baby)
Now I've Got A Witness
Little By Little
I'm A King Bee
Carol
Tell Me
Can I Get A Witness
You can Make It If You Try
Walking The Dog

 ジャケが格好良い。俺は何だかコレばっかり言ってる気がするのだが、ロックってヤツは音楽と見た目のトータルアート(大げさ)と言う面が確実にあるのでコレは大事なのだ。
 ポーズもワリとおとなしめだし、メンバーの表情もそんなに鋭くない。しかしこの醸し出す「悪そうな感じ」は何なのだ。初期には結構かわいげなイメージもあるキースが充分に悪そうだし、一人白いシャツで別格っぽいブライアンの知的かつクールな視線。実は真面目な気配をしょっぱなから見せてるミックにモッド風で格好いいチャーリー、そして既に陰に隠れがちなビル(笑)と、メンバーの個性が一目で解る最高の写真である。それに加えて「デビュー作のジャケにバンド名を載せない」という大胆不敵な行為。勿論裏ジャケには大々的に載っているのだが、それでもコレはかなり大胆だ。ZEPの4枚目の8年前になるのかな。ある意味でよっぽど凄いぞ。
 こんなに格好良いジャケをゴテゴテの文章で飾り立てたUS盤のセンスは酷いがそれを現在統一規格にしてしまっているアブコの知能の低さには呆れるばかりだ。AftermathやBetween The Buttonsはどうにかなったのに何故にコレは・・・もっと言えばレーベルロゴは見た目的にLONDONよりDECCAの方が格好良いのでそのデザインで再発を望む。ってーか命令だ。

 オチっぽい文章が先に来てしまったが、曲の紹介に移る。ビートバンドにとって"Route 66"は紛れもなくチャック・ベリーがオリジネイターであり、ストーンズもそのロジックに従って演奏している。精一杯ベリー風に演奏するが下手糞な若造共がやるとどうしてもこうなってしまう。ひたすら青く、パンクだ。その結果、ビートバンドファンにとってこの曲のオリジンはストーンズになった。
 そういう現象は原曲を馬鹿みたいにスピードアップした"I Just Want To Make Love With You"にも現れる。ひたすらに若々しいミックのヴォーカルもいいが、間奏でバンドと一体になって爆走するブライアンのハープが凄い。エンディングの馬鹿デカいタンバリンは何だ!?
 "Honest I Do"はジミー・リードのカヴァー。一生懸命ブルージーにやっているが不思議なくらいポップになってしまっているのは何故だ。コレって実はミックの資質のなせるワザじゃないかと思うんだけど。ドラムはひたすらダルに刻むが、突如割れるように鳴り響くシンバルの音が凄い。
 ボ・ディドリーの定番ナンバー"Mona"はほとんどコピーに近い演奏だ。ギターにかけたトレモロがなり切ってる感じで良い。妙に上手いマラカスはフィル・スペクターか?
 "Now I've Got A Witness"はB面収録の"Can I Get A Witness"を元にしたジャムナンバー。決してモッズではなかったストーンズだが、スチュのオルガンがイカすこの演奏はモッズにも楽しめたんじゃないだろうか。勿論オルガンが入ってればいいってもんじゃないが、コレはOKなんじゃないかと。ギターが2本入ってるようには聞こえないのでハープはブライアンか?
 同じセッションで即興的に出来たという"Little By Little"は前曲同様メンバー共作とクレジットされている(ナンカー・フェルジ名義)。ブルーズ風の曲で即興でも出来そうだが歌詞は後付けか?それともミックが用意していたのか。とにかくこの2曲にはストーンズの気ままなジャムの風景が封じ込められていて、アルバム中でも屈指の楽しさだ。

 スリム・ハーポの"I'm A King Bee"をミックは淡々と歌う。間奏の蜂の羽音のようなギターも楽しいし、ブライアンのスライド、ミックのハープとメンバーの聞かせ所も短い中に織り込まれている。
 再びチャック・ベリーのカヴァー"Carol"が登場する。コレは流石にこなれきっているというか、原曲を尊重しつつもスピードアップしてチンピラっぽく決めているのがロンドン風な感じ。面白いのはビートルズの"Roll Over Beethoven"(勿論ベリーの作品)と同じ様なクラップが入っていること。コレもしかして、原曲のウッドベースのスラップ音を表現しようとしてるんじゃないだろうか。
 こういう黒人音楽愛好家達がはじめて自作した曲が"Tell Me"の様なひたすらポップなバラードナンバーになるのも不思議な感じだ。シンプルだがまとめきれておらず、ちょっと冗長なのが処女作っぽい。それでもビートはシャープだし、サビのキースのコーラスがチンピラ臭いのが既にストーンズ風だ。アルバムヴァージョンはフェイド・アウトしそこなっているのが変。
 "Can I Get A Witness"はマーヴィン・ゲイのカヴァーで、実はモロ真っ黒なブルーズよりこういうポップなR&Bの方が上手い。黒と白の歩み寄り方が双方から上手く行ってるんだろう。こっちのヴァージョンではスチュはピアノを弾いている。
 "You Can Make It If You Try"のオリジナルはジーン・アリスン。このソウルナンバーをミックは見事に・・・歌いこなせていなくて背伸びしている感じなのが微笑ましい。
 ラストの"Walking The Dog"が素晴らしい。チンピラ臭い乱暴なR&Rっぷりが最高だ。黒っぽさとか関係ない感じで好きなように演奏してる雰囲気で、多分ストーンズの曲中、もっとも気配がプリティー・シングス風なんじゃないだろうか。ダミ声でコーラスというよりツインヴォーカル状態の歌を聴かせるのはブライアン。コレがまた雰囲気充分。なお、エアロスミス(ラットも)がデビュー作のラストにコレを入れたのは間違いなくストーンズへのオマージュだろう。

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