|
アップル/EMIを離れてからのリンゴをまともに聴いている人は数少ない。いや、アップル時代だって普通はまともに聴いてないだろう。まあ大ざっぱに言ってとりあえず"RINGO"とGoodnight
Vienna"を聴いていればいいほうだろうし、それで充分という考え方も(悪いけど)あながち外れていない。まあ、俺的には絶対"RINGO
RAMA"は聴いて欲しいけどね。
そんなわけで、このアルバムも俺自身ようやく聴いた作品の一つで、まあ「必聴!」って程の名盤にはほど遠いっていうのが本音。でもファンの欲目もありつつ、結構楽しめるアルバムだと思う。
大袈裟で大ざっぱなR&Rが続く出だし2曲は悪くない。どか〜んと始まったかと思うとちょっと落して、まったりしたオールディーズ風のR&Rに展開する"A
Does of Rock'n Roll"はいかにもリンゴに似合っている。素朴な味が売りみたいに言われるリンゴだけど、俺はむしろこういう中途半端に大袈裟なディナーショウ的な味ってのがリンゴには大事な要素だと思う。だからこのオーバープロデュース気味な音は似合ってる気がする。
続く"Hey Baby"も同じ様な気配の曲だが、こっちの方が(リンゴ的には)アッパーだ。派手なコーラスとブラスがいい感じ。リンゴとジム・ケルトナーのツインドラムもバッチリだ。この二人は似通ったグルーヴ感を持っているのでいつでも良く合う。多分リンゴも相当ケルトナーを信頼してるんだろうな。
そういう意味では3曲目のポール作"Pure Gold"もうまく行ってる。ポールもそういうネタ得意な人だしね。3拍子系のバラードで、ゆったり歌うリンゴが気持ち良さそう。終盤でリンダの声が異常に目立つのはご愛嬌。
リンゴが相棒ヴィニ・ポンシアと共作した"Cryin'"はカントリー風の曲で、本当の専門家、スヌーキー・ピートのペダル・スティールがまさしくそういう味。当然なわけだけど。
"You Don't Know Me At All"は何故かジョージ風に聞こえる。ちょっと独特のコード進行のせいだろうか。ゆったりしたビートと気持ち良いメロディが良くマッチしている。コーラスのミックスがちょっと好みじゃないんだけど・・・
ジョンが書いた"Cookin"は彼が主夫時代に唯一参加したレコーディングとしても有名。リンゴのためなら、だよね。楽しげなR&R、決して名曲ではないけど、アルバム中で個人的には一番好きな曲。レノンがピアノでDr.ジョン(マック・レベナック名義)がギターって言うのがちょっと面白い。
ジョージは陰鬱なバラード"I Still Love You"を提供。でも(しつこいが)"You
Don't Know Me At All"の方がジョージっぽく聞こえる。この曲にはジョージ本人は不参加だが、ギターソロの雰囲気はジョージを意識したものにも聞こえるし、多分本人が歌ったら"Extra
Texture"あたりにに合うAORになりそうな気もする。
豪華作者陣が続く。"This Be Called A Song"の作者はエリック・クラプトン。スティール・ドラムをフィーチャーしたトロピカルな雰囲気のある曲。クラプトン自身も「あの」音色で軽快な、しかもやり過ぎないギターを弾いている。
"Las Brisas"も南国風のサウンド。リンゴもマラカスとヴォーカルだけを担当(ドラムレス)、気持ち良さそうに朗々と(しかし上手くない)歌っている。
"Lady Gaye"はアメリカンロックの職人ともいえそうなメンツを集めつつ、不思議と乾かない。ミドルテンポで軽快に聴かせる「ちょっといい曲」。ジェシ・デイヴィスと思われるギターのオブリガートが気持ち良い。
|