Vertical Man

Ringo Starr / Drums, Percussions & Vocals
Steve Dudos / Guitars & Bass
Mark Hudson / Guitars, Bass, Keybords,Percussions, Banjo & Vocals
Jeff Baxter/ Pedal Steel
Garth Hudson / Accordion
Jim Cox / Keybords
Joe Walsh / Guitars
Paul McCartney / Bass & Vocals
George Harrison / Guitars
Steven Tyler / Blues harp , Drums & Vocals
Ozzy Ozboune / Guitars
Steve Cropper / Guiters
Tom Petty / Vocals
Alanis Morissette / Vocals
Timothy B. Schmit / Vocals
Rose Stone / Vocals
Scot Gordon / Harp & Percussions
String Arrangement / George Martin

One
What In The ... World
Mindfield
King Of Broken Hearts
Love Me Do
Vertical Man
Drift Away

I Was Walkin'
La De Da
Without Understanding
I'll Be Fine Anywhere
Puppet
I'm Yours

 リンゴ版"Cloud Nine"か?まあ、リンゴの場合各メンバーが大挙して参加して自動的にビートル風味になったりするのだが、今回は共同プロデュースのマーク・ハドスンを中心とした基本メンバーがおそらくこれで育った世代なんだろう、いかにもビートルズ風な演奏をする。ジョージやポールはその味付けにすぎないのだ(作曲での参加もない)。
 例によって参加ミュージシャンは豪華。中でもスティーヴン・タイラーはハープ、ヴォーカル、果てはドラムに大活躍。いつか彼の加わったオールスターバンドも見てみたい気もする。 

 "One"はメロディーが魅力的なミドルテンポのポップソング。間奏のハーモニカもスライドギターもどこかビートルズ風なのだが、ジョージもポールも関わっていない。どうやら今回のリンゴサポート隊がこう言うのがうまい奴等のようだ。なお、恒例豪華ゲストにはジェフ・バクスターが参加している。

 キメが面白い効果の"What In The ... World"は、ジョー・ウォルシュが参加しているせいか微妙なアメリカンフィーリングも感じる。コーラスパートの音処理など、ジョージ風、というかジェフ・リン風...?コーラスというか、エンディングに聞こえる声は誰が聞いてもポール・マッカートニーその人。目立ちたがりは相変わらずだがいい感じのベースもポールだぞ。

 "Mindfield"は活きのいいロックナンバーだが、音が分厚すぎてエッジが失われてしまった感がある。タブラを使うとビートリーに聞こえるってのもある意味不思議だな。ちなみにコーラスにスティーヴン・タイラーとアラニス・モリセットも参加。ところで2回目のブレイク明けのドラム、よれてない?

 King Of Broken Hearts" は「ビートリーな」メロトロンのイントロがどうしても印象に残るバラード。更にギターソロをジョージが弾いていて、"Free As A Bird"の雰囲気もあるが、やはり不思議なほど「本物」にならないのがやっぱり、ミソ。大サビの部分とかもラットルズの"Cheeze & Onions"みたいで結構いける。それにしても見事なまでにポップな曲だ。

 リンゴの恨み。"Love Me Do"のカヴァー?リメイク?とにかくこの曲のドラムを完璧に叩く、というのがコンセプトなのは間違いない。いいかげんしつこいオヤジだな、この人は。スティーヴン・タイラーがブルージーにハープを吹いてしまったので、この曲の正体がブルーズであるということが丸わかりになってしまっている。このアレンジでジョンが歌ったら凄かっただろう。

 タイトル曲"Vertical Man"は微妙にレゲエタッチの曲。ここまでの数曲に比べると若干弱い気もする。別に有名ゲストがいないから、というワケではないんだが。後半の激しいドラミングはリンゴファン的には聴きどころなのだが。

 "Drift Away"はなんとトム・ペティとアラニス・モリセットがリンゴとリードヴォーカルを分け合うという曲。しかもドラムは唯一リンゴではなく、元々はドラマーだったというスティーヴン・タイラーが叩いている。これが上手くはないがいい感じなのだ。
 ドビー・グレイのカヴァーで、ハンブル・パイもやっていたソウルナンバー。そういえばヴォーカルを交代するってのはパイ的だね(パイの場合この曲では交代しないけど)曲自体のカッコ良さは折り紙付きだが、このヴァージョンも実に味があっていい。エンディングではスティーヴンがアドリブヴォーカルで目立ちまくる。
 ..アレ?バックヴォーカルの「ローズ・ストーン」って、スライの妹!?

 "I Was Walkin"はシンプルなブギ風ナンバーで、ポールがまたしてもバックヴォーカルのクセに目立っている。更に今回大活躍のスティーヴンもハープを吹きまくる。こういうハッピーな雰囲気のナンバーはリンゴには実によく似合う。

 シングルカットされたのは"La De Da"だ。のん気な雰囲気のお気楽ポップソングで、リラックスしまくったヴォーカルがいい味。これはポールやジョージにはちょっと歌えない。バーバラや参加アーティスト一同、スタッフ、それにオールスターバンドでの仲間など、大挙してコーラスするのも"Yellow Submarine"からの伝統リンゴスタイル。

 "Without Understanding"はサイケデリックなイントロで始まるアルバム中最もヘヴィーな雰囲気を持つ曲。アルバム全体に漂うやり過ぎっぽいプロダクションがこの曲では好をなしている。リンゴのドラムのニュアンスが各パートごとで絶妙に換えてあるところには注目したい。

 シンプルなロカビリー風ナンバーの"I'll Be Fine Anywhere"はビートルズ初期を思い起こさせる。嬉しいコトにここでのギターソロはジョージ。スライドなのでグレッチではないだろうが、やはり雰囲気がでる(エンディングではスライドではない普通のソロも)。リンゴの歌は随分おっさんになっちゃったけどね。

 "Puppet"は独特なリズム(というか、ドラムのフレーズ)の曲。メロディーとかは普通なんだけど、シンバルをほとんど使わないドラムとサックスの絡みが印象的だ。オルガンもかっこいいね。目立たないがバッキングヴォーカルにティモシー・シュミットが参加。オールスター・バンドの縁だろう。

 ラストの"I'm Yours"はアコースティックギターとチェレスタ、そしてジョージ・マーティンアレンジのストリングスをバックに歌うバラード。マッカートニー風メロディの"Good Night"といった雰囲気の曲だ。リンゴが歌いこなしきれていないのは残念。

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