The Cost Of Loving


Paul Weller
Mick Talbot
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Steve White
Dee C. Lee

It Didn't Matter TSC
Right To Go Rappin' : The Dynamic Three
Percussions : Steve Sidelnyk
Heaven's Above Bass : Camelle Hinds
Congas : Steve Sidelnyk
Saxophone : Billy Chapman
Violin :Anne Stephenson
Fairy Tales Trumpet : Guy Barker, Roddy Lorimer, Luke Tunney
Trombone : Chris Lawrence, Pete Thams,Ashley Slater
Congas & Percussions : Steve Sidelnyk
Angel Bass : Camelle Hinds
Walking The Night Bass : Camelle Hinds
Trumpet : Guy Barker, Roddy Lorimer, Luke Tunney
Trombone : Chris Lawrence, Pete Thams,Ashley Slater
Backing Vocals : John Valentine
Flugel Horn : Guy Barker
Waiting TSC
The Cost Of Loving TSC
A Woman's Song TSC

 雑多な音楽を取り込んでいくことを売りにしていたTSCがはじめて特定のジャンルを意識した音作りにした作品。ミックスをソウル系アーティストに依頼して、TSC流ブルーアイドソウルといった出来になっている。UK盤のアナログはクラブユースを意識して12"2枚組でリリースされた。日本盤はジャケ違いで出ていたが、現行CDはオリジナルの「オレンジ・アルバム」に戻っている。

 "It Didn't Matter"は日本では当時TDKのCMソング(カセットテープ!)として使われたために先行発売されたシングル曲。イントロのシンセベースがいかにも80年代ブリティッシュソウルなのだが、こういう時代を感じさせる音になってしまっているところが、ある意味このアルバム全体の弱点でもある。とはいえ曲自体の出来は悪かろうはずもない。ソウルフルか、って言われるとやっぱり悩むけど...

 "Right To Go"はDynamic Threeによるラップを大々的にフィーチャーしたナンバー。当時はTSCがラップを取り入れたといって話題になったが、"A Gospel"、"Soul Deep"など、過去にもラップをフィーチャーした曲は存在した。評論家どもがいかにちゃんと聴いていなかったかが良く解る話だ。歌詞カードにこのラップ部分が載っていないのは大減点。どうにかして欲しい。

 この時期のツアーでラストに必ず演奏されていたのが"Heaven's Above"。シングルカットされても不思議じゃないくらいにキャッチーな曲なのだが、カットは無し。カーメル・ハインズやスティーヴ・シドルニクといった「いつもの連中」が参加。あと他の曲もそうなのだが、正式にメンバーとなったディーがポールとヴォーカルを分け合っている。今回のアルバムはメインヴォーカルを二人で取る曲が多く、アルバム全体のテーマを「愛」に置いたこともあり、結婚の前兆ともとれる。バイオリンのアン・ステファンソンは"A Stones Throw Away"にも(ストリング・カルテットの一員として)参加していた。

 "Faily Tale"は歯切れのいいギターのカッティングからはじまる。ホーンセクションも効果的だ。この辺もいかにもホワイトソウルな曲で、単純に曲としては凄く好きなのだが、TSC独自のひらめきのようなものは感じない。何よりもアルバムを通してミックの姿がよく見えない気がするのが気になるポイントだ。この曲ではオルガンを弾いてくれていてほっとするんだけど...ディレイを多用したミックスは何とあのカーティス・メイフィールドが担当。

 シンプルな"Angel"はTSC+カーメルの5人のみで演奏されている。控えめなサウンドの中に鋭いチョッパーベースが効果的。彼らがはじめてアルバムに収録したカヴァー曲でもある。

 "Walking The Night"はガイ・バーカーによるフリューゲルホーンをフィーチャーしたソウルフルな曲。どうも黒っぽさを強く感じさせる曲にはたいていカーメルが参加してる印象があるのだが、まあ、彼は黒人だから当然といえば当然。でもなんでディーの歌はあんなに黒っぽさが無いんだ?曲全体を牽引するのはミックのピアノだが、なぜかやっぱり印象が薄い。"Faily Tale"もそうなのだが大好きな曲でもこんなに苦言が出てしまうところがこのアルバムの問題点だな。

 イギリスではシングルカットされた"Waiting"もいかにもこの時代的ソウルバラード。サビのポールのヴォーカルは音が外れるぎりぎり手前で踏ん張ってる感じだ。ちなみに「ユニバーサル・マスター・コレクション」というシリーズのTSCのコンピレーションにはこの曲を別のヴォーカリスト(誰かは不明)が歌っているヴァージョンが収録されている。オケは同じなのだが....誰だお前?

 タイトルトラック"The Cost Of Loving"はアルバム中でも"Heaven's Above"に並ぶ名曲。ミックがオルガンを弾いてくれてるところが特に嬉しい。やっぱりこの人にはオルガンが似合う。エレピやシンセだったら変な話し、誰でもいいのだ。日本でのみシングルカット。後に"Wanted"のB面としてリメイクヴァージョンがリリースもされている。

 オリジナル盤のオレンジ一色のジャケットはビートルズの「ホワイト・アルバム」を意識したものだというが、「アビイ・ロード」も意識したのか、ジャケットには記載されていないシークレットトラックが入っている。ディーが歌う小曲、"A Woman's Song"だ。子守歌のような内容の曲をエレピとギターのみをバックに歌う。