The High Numbers Recordings

I'm The Face
Zoot Suit
Here 'Tis
Leaving Here
Baby Don't You Do It

 

"Zoot Suit / I'm The Face"
 The Whoは、1964年、The High Numbersとしてデビューした。バンド名を半ば無理矢理変更、その名前にも曲名にもモッズ用語をこれでもかとばかりちりばめての急造モッズバンドとしてのデビューである。
 "Zoot Suit"はショウメンというバンドの"Country Fool"(未聴)が原曲。このシングルは両面とも作者がミーデンになっているが、既存の曲の改作(パクリ)である。どちらかというとやぼったい感じの曲で、典型的60年代ビートポップと言う感じ。強烈な個性は感じない。こういうデビューをピートがどう感じていたかは解らないが、モッズ受けをわざわざねらったにも関わらず惨敗に終わる。結局は狙い過ぎだったのかな。
 ボックスセットなどではフェイド・アウトしないヴァージョンが聴けるが、従来盤のミックスはQuadropheniaのサントラ(リマスター)に収録されている。
 "I'm The Face"がスリム・ハーポの "Got Love If You Want It"の改作であることは有名。この曲自体多くのブリティッシュ・ビート/モッズ系のバンドがカヴァーする有名曲だが、プロデュースを担当したピート・ミーデンはさらにモッズ賛歌として歌詞を書き換えている。ロジャーがハープを吹き、ふてぶてしいヴォーカルを取る。リーダーの貫録充分である。
 現在では様々なCDに入っているが、Odds & SodsのものとQuadropheniaのサントラにボーナス収録されたものでは若干ミックスが違うようだ。後者の方がピアノが大きいような気がするし、

 本当にモッズに受けるには、最近発掘された当時のデモヴァージョンの方が良かったんじゃないかと思う。これらの曲は、"Got Love..."同様本当のモッズ達が愛した曲だ。実際、"Leaving Here"はバーズ(英)等が、"Baby Don't You Do It" はスモール・フェイシズやスティームパケットがカヴァーしていたし、"Here 'Tis"もボ・ディドリーのナンバーで定番だった。実際ハイ・ナンバーズの演奏はさほど素晴らしくはないが、ラフで楽しそうだ。あくまでデモヴァージョンだからだろうけど。
 "Here 'Tis"(ボックスに収録)は軽快なR&Bで、キースのスタイルは後の演奏より軽いが、6連のフィルなどは明らかにキースそのもの。ここでも間奏のソロをロジャーのハープが取るが力関係というモノ以上に、「モッズ的R&Bのスタイル」を目指した結果ということも出来るだろう。フーにはオルガン奏者がいないわけだし。
 "Leaving Here"は現在多くのテイクが入手できるが、"Odds & Sods"収録のものが間違いなくハイ・ナンバーズによるものだ。しかしリマスター技術の向上のせいで後のフーのヴァージョンよりハイ・ナンバーズの方が迫力のある音なのも皮肉だが・・・まあ、それを差し置いてもパワフルな名演であるのは事実。デビューシングルの2曲より確実に上である。
 "Odds And Sods"リマスター盤初出の"Baby Don't You Do It"も素晴らしい演奏だ。70年代にもリメイクすることになる曲だが、そのハードロックヴァージョンに全く劣ることの無い迫力がある。この段階で既にピートのフィードバック&スイッチングのプレイ、そしてそれに呼応して暴走するキースが聴けるのにも注目したい。

 追記、真偽のほどは定かではないが、ハイ・ナンバーズ時代の "The Kids Are Alright"のデモヴァージョンのアセテート盤が高価で取引されているという。オフィシャルで発表される日は来るのだろうか。

LIVE TRACKS 1964
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