![]() A Quick One
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アルバムはクリスマスに合わせ12月にリリース。"Run Run Run"からはじまる。ロジャーのかなりラフに重ねたダブルトラックのヴォーカルが左右に振ってあって結構かっこいい。エンディングのギターソロもワイルドでいい感じだが、モノラルヴァージョンではフェイド・アウトが早いため聴くことが出来ない。勿論モノではロジャーのヴォーカル効果も解らないわけだが、結構ミックスその他違いが多いのでここは両方そろえたい。現行CDはステレオ、旧規格(ボーナス無し)はモノだ。 このアルバムでは、印税対策のためピート意外のメンバーが曲を書き始めている。"Boris The Spider"はジョンの初期の作品にして代表曲。ピートに「曲は出来てるのか」といわれ出来ていないというのが悔しくてその場ででっち上げたという凄い曲。下降する不気味なメロディーとジョンの低音のヴォーカルの相乗効果が変に気持ちいい。コーラスの音程は合ってるのか外れてるのか... キースが作った数少ない「普通の」曲、それが"I Need You"だ。ポップなメロディーは憧れの(?)ビーチボーイズ風。ピートがゴーストライターという説もある。ジャムにもまたまた同タイトルあり... "Whiskey Man"もジョンにしては「普通の」曲か?ホルンのパートがいかにもジョンらしくていい。何と日本ではシングルカットされている。B面も「ボリス」で、ジョンのシングルだ。他にも日本では"When I Was A Boy / My Wife"というカップリングも出ていて、ジョンに優しい国?それにしてもジョンは「ボリス」や「ウィスキーマン」や「ジキルとハイド」などキャラクターを設定して曲を作るのが好きらしい。 "Heatwave"はデビュー作のセッションで演奏されたが、これは完全な新録ヴァージョン。こちらの方が圧倒的に歯切れも良くていい出来だ。ラストヴァースのみピートが歌う。ちなみにこの曲もジャムがカヴァーしている。ポール・ウェラーはよっぽどこの時期のフーが好きなんだろう。 キースらしい曲、といえばむしろこっちの"Cobwebs And Strange"だ。メンバー自ら演奏するマーチ風の曲に挟まって破天荒なドラムソロが登場。ちなみにロジャーがトロンボーン、ピートが横笛(ブリキ製だそうだ)とバスドラム、ジョンがトランペット、キースがなんとチューバ、シンバル、そしてドラムスを担当。ジョンのホーン奏者としての腕は有名だが、ピートやロジャーも管楽器経験があるのだ(ロジャーがトロンボーンを吹いている写真もある)。映画"A KID'S ARE ALRIGHT"に登場するプロモフィルムは最高に楽しい。見ないと一生の損だと断言してしまおう。 "Don't Look Away"は久々登場のピートの曲。ちょっとカントリー風のバンジョー(ギター?)が印象に残るがそれ以外はあまり印象にも残らない、ちょっと弱い曲。でもこういう曲に限って熱烈なファンがいたりするんだ。 キース以上に珍しいロジャーの曲"See My Way"も、明らかに弱い曲だがなぜかBBCセッションでも演奏されている。デモヴァージョンをそのまま収録したとも言われていて、何とキースはロジャーに「段ボールみたいな音にならないか」といわれ、色々工夫した揚げ句に本当に段ボールを叩いている。 アルバム中最高の曲が"So Sad About Us"であることに異論がある人はあまりいないだろう。本来はマージービーツに書いた曲らしいがそんな勿体ないことをしなくて本当に良かった。この曲の凄いところは、このポップなメロディーとハーモニーに、キースの「キースな」ドラムがのっていて、しかも曲がそれで素晴らしく生きているところだ。ピートの言う、「キースのドラムがオーケストラ」という意味が良くわかる。またしてもジャムがカヴァー。 タイトル曲"A Quick One , While He's Away"はピートが初めて書いた「ミニ・ロックオペラ」として有名だ。実際には6曲からなるメドレーという構成をとっている。内容は、アカペラの"Her Man's Been Gone"から始まり、この時期のフーらしいスタイルのポップな"Crying Town"、ハーモニーを生かした"We Have A Remedy"(次の曲とのつなぎ部分のキースが楽しい)、キースの叩きっぱなしドラムをフィーチャーした"Ivor The Engine Driver"(ジョンがメインヴォーカル) 、牧歌的な雰囲気の"Soon Be Home"(ゲット・バックセッションでビートルズが演奏しているテープが存在!)そしてラストを飾るのに相応しい"You're Forgiven"(ピートが歌う)と展開していく。適当かつ良く解らないストーリーで、「トミー」とは比べるべくもないものだが、曲としてはいい感じだ。ライヴでも定番となり、特に「ロックンロール・サーカス」での演奏は最上のものだ。主役のはずのストーンズが食われるとミック・ジャガーが焦ったほどらしい。 なお、このリマスターCDは元々ステレオ、モノ、疑似ステレオが混在していたが、後にマスターが発見され、全てリアルステレオに差し替えられている。現行の輸入盤は差し替え後のヴァージョンだが、日本盤は古いヴァージョンのままだ。一部の曲はミックスが違っているので注意。 |
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