The Who Sell Out
Side 1
Side2
Armenia City In The Sky
Heinz Baked Beans
Mary Anne With The Shaky Hand
Odorono
Tatto
Our Love Was
I Can See For Miles
Can't Reach You
Medac
Relax
Silas Stingy
Sunrise
Rael
→Singles 1967
Remix & Remaster CD

Armenia City In The Sky
Heinz Baked Beans
Mary Anne With The Shaky Hand
Odorono
Tatto
Our Love Was
I Can See For Miles
Can't Reach You
Medac
Relax
Silas Stingy
Sunrise
Rael

Rael 2
Glittering Girl
Someone's Coming
Jaguar
Early Morning Cold Taxi
Hall Of Mountain King
Girl's Eyes
Mary Anne With The Shaky Hand

 

 アルバムはまたしても12月リリース。架空のラジオ局の放送を再現したコンセプトアルバムだ。Monday...Tuesday...と曜日をコールする良く解らないジングルに導かれて始まるのは"Armenia City In The Sky"。サンダークラップ・ニューマンのスピーディー・キーンの作品でフーのオリジナルではない。フーの曲中でもトップクラスのサイケデリックナンバーだ。歌詞も意味不明。この人絶対アルメニアがどんな国かなんてしらない。

 ジングル"Radio London"の次はジョンの架空CM第1弾、"Heinz Baked Beans"。"Cobwebs And Strange"によく似た曲で、「お茶の時間よ。ダーリン」を繰り返すだけの馬鹿みたい(褒め言葉)な曲。ジャケでロジャーが漬かっているのがこの「ベイクドビーンズ」で、寒くて肺炎になりかけたらしい。しかも寒いからヒーターを後ろに置いたら今度は豆が煮えはじめてケツまで煮えそうになったり、さんざんだったという。エンディングに付け加えられたジングルは"More Music"と呼ばれている。

  "Mary Anne With The Shaky Hand"はアメリカでは"I Can See For Miles"のB面としてリリースされた。但しシングルになったのは別テイク。「アコースティック・ヴァージョン」と呼ばれている。アルバムのは通称「エレクトリック・ヴァージョン」で、さらにリマスターCDにはアル・クーパーが参加したもう一つの別テイクがボーナスとして収録されている。
 それにしても歌詞で主人公がダンスした女の名前が「リンダ」「ジェーン」「シンディ」。前者二人はポール・マッカートニーの交際相手というのは...勿論偶然だろうけど。曲のラストにはキースによる"Premier Drums"のCM。キースは死ぬまでずっとプレミアのドラムを愛用していた。そして再び"Radio London"ジングル。

 美しいメロディーに変な歌詞、ピートのヴォーカル曲が3曲続く。"Odorono"は消臭剤のCMソング。実在するのかは不明。ジャケットにもピートが抱えて登場。"Radio London(Smooth Sailing)"をはさみ、ライヴでも定番の"Tattoo"に続く。これもメロディーがいい。繊細なイメージだがライヴでは一転、キースが(所々)炸裂する。そして3曲目は「普通の」ラヴソング。"Our Love Was"だ。3曲ともアコースティックな感触(サウンドがエレクトリックであるとしても、だ。)で統一されている。ここで挿入されるCMは、"Ladio London"のあと"Speak Easy"。これは当時のブリティッシュロックのアーティスト達が出入りしていたクラブの名前らしい。そしてピートやジョンが愛用していたギター弦のメーカー"Rotosound Strings"だ

 先行シングルで、A面を締めくくる"I Can See For Miles"はピートの自信作で、必殺ナンバーの一つのはずだが、意外にヒットしなく、ピートの怒りを買った。また、ギターのオーバーダブが複雑だったためライヴではほとんど演奏されていない。それにしても、"Happy Jack"のスタイルをさらにコントロール下に置いたキースのドラムは完璧だ。あえて言えばライヴではこの緊張感も再現しきれなかっただろう。実際、89年の再結成では途切れがちなコーラスやサイモン・フィリップスの最低のドラミングが魅力を半減させてしまっていた。

 B面はまずCMから。曲としてのクレジットはないが"Heinz"と同じくらいの存在感はある"Charles Atras"は、「貧弱だった僕も今やこんなに逞しくなってもてもて!」というやつで、ジャケではジョンが演じている。貧弱だけど。ボンゾ・ドッグ・バンドの"Mr. Apollo"と同じテーマですな。
 これはあくまでイントロで、B面の「本当の」1曲目は"I Can't Reach You"。これもピートが歌う。このアルバムはピートのヴォーカルがやたらに多いのも特徴だ。馬鹿CMに挟まれてあまり印象が強くないがちょっといい曲だ。

 "Medac"はジョン作のニキビのクスリのCM。ジャケではキースが持っている。アメリカでは"Spotted Henry"とタイトルを変えたところを見ると向こうには実在したのだろうか。しかも商標の利用許可が出なかった、と。ちなみにオーストラリア盤のジャケではなんとコレがお馴染の「クレアラシル」になっているらしい。
 何故かオリジナル盤はここで「ラジオ局」コンセプトが突然終了する。ラジオを止めてレコードを聴くことにしたのかな。

 "Relax"はアルバム中2番目くらいにサイケな曲。時代はそろそろサイケじゃないんだけど。比較的同時代のビートポップに近いサウンドがフーには異色だ。ちょっとハードな曲なのでライヴ映えもした。翌年のツアーでは定番となる。

 "Silas Stingy"はまたしてもジョンがキャラクターを使って書いた曲。守銭奴でみすぼらしいサイラスはビートルズの"Mean Mr. Musterd"と同類なんだろう。ジェスロ・タルのアルバムのジャケットにいる人もこういう感じかな。Money money money...のくだりは確かにアバの"Money Money Money"そっくりだ。順番逆だけど。

 "Sunrise"はピートのギター弾き語りナンバー。非常に美しい曲だが繊細すぎるかも。ギターのコードストロークは「トミー」に流用されることになる、いわば「プロトタイプ」。

 そしてアルバムラストはもう一つのプロトタイプ「トミー」、"Rael(1&2)"だ。一応ミニロックオペラになるはずだったが、内容を切り詰めすぎて誰にも理解できないようになっているという。中間のパートはそのままトミーの"Sparks"として使われた。また、タイトルに1&2とあるが、実際オリジナル盤には1のみが収録されている。2はボックスセットではじめて登場、現行盤のCDにも収録されている短いコーダ。

 最後はフーの所属レーベル、"Track Rechord"のCMで締め。現行盤ではボーナストラックの後に入っている。

LIVE TRACKS 1967
Singles And Rare 1967

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