Who's Next
Side 1
Side 2
Baba O'Riley
Bargain
Love Ain't For Keeping
My Wife
The Song Is Over
Getting In Tune
Going Mobile
Behind Blue Eyes
Won't Get Fooled Again

→Singles 1971-1972
Remix & Remaster CD

Baba O'Riley
Bargain
Love Ain't For Keeping
My Wife
The Song Is Over
Getting In Tune
Going Mobile
Behind Blue Eyes
Won't Get Fooled Again

Pure And Easy
Baby Don't You Do It
Naked Eye(Live)
Water(Live)
Too Much Of Anything
I Don't Even Know Myself
Behind Blue Eyes


Deluxe Edition
Disc 1 Disc 2

Baba O'Riley
Bargain
Love Ain't For Keeping
My Wife
The Song Is Over
Getting In Tune
Going Mobile
Behind Blue Eyes
Won't Get Fooled Again

Baby Don't You Do It
Getting In Tune
Pure And Easy
Love Ain't For Keeping
Behind Blue Eyes
Won't Get Fooled Again

Love Ain't For Keeping
Pure And Easy
Young Man Blues
Time Is Passing
Behind Blue Eyes
I Don't Even Know Myself
Too Much Of Anything
Getting In Tune
Bargain
Water
My Generation
Road Runner
Naked Eye
Won't Get Fooled Again
 

 このアルバムは本来"Lifehouse"と言うロックオペラ(?)プロジェクトが頓挫し、再編集されたもので、そういう意味ではビーチボーイズの"Smile"と"Smily Smile"の関係に似ている。ただ、その大きな差は「"Next"はフーの最高傑作の一つとして完成した」と言う点につきる。ブライアンは崩壊し、投げ出してしまった。ピートはそうはならなかった。最高のノーコンセプトのアルバムとして仕上げたのだ。

 オープニングは"Baba 0'Riley"。ミハー・ババとテリー・ライリーの名前を繋げて名付けられたこの曲、バックに流れるシンセサイザーのフレーズは彼らの生年月日や身長、体重などのデータを音階に変換(どんな方法でやったのかは不明)して、プログラムしたものらしい。手弾きではない、シーケンスによるフレーズ。テクノやデジロック(死語)の先取りと考えて全く差し支えないだろう。71年だぜ?20年早い。
 バッキングは細かいシーケンスだが、フーの演奏は大きなノリを持っていて、これが「十代の荒野」をダイナミックに演出する。中間部の抑えたパートをピートが歌うというスタイルもこの時期から定番化する。これがメリハリになるのだ。エンディングはどんどんペースアップしていき、テンポが最高になったところでストップする。ここにはバイオリンが入っているが、このパートのみキースがプロデュースしたという。なお、バイオリンのパートはライヴではロジャーのハーモニカに置き換えられている。

 続く"Bargain"はライフハウスとは別に作られたとも言われるが、71年前半、まだライフハウスを意識していたと思われるギグでは演奏されていないので、あながち嘘でもなさそうだ。ただし何故かヤング・ヴィックでは演奏。イントロなどでアタックを抑えたシンセ音が印象的に使われているが基本はハードロック。キースが珍しくツーバスっぽいフレーズを繰り出している。この曲でも中間部はピートがヴォーカル。ボックスセットや"Who's Missing"には72年のライヴヴァージョンが収録されている。ライヴではシンセが無い分よりハードな印象がましている。

 "Love Ain't For Keeping"には現在二つのヴァージョンが発表されている。アルバムヴァージョンはミドルテンポの小曲で、アコースティックな味わいのある曲。ギターソロが素晴らしい。80年代のライヴではロジャーもギターを弾いていた。
 "Odds And Sods"のリニューアル盤と"Next"のデラックス・エディション(以下DE)に収録された初期のヴァージョンはピートがヴォーカルで、テンポも速く、サウンドももっとロック寄り。ヤング・ヴィックを含む71年前半のツアーでは二つのヴァージョンの中間とも言えるアレンジだった。

 "My Wife"は今回唯一のジョンの曲。勿論ライフハウスとは無関係。"Love Ain't For Keeping"から間髪入れずに始まっていたのだが、DE以前ののCDでは間隔が空いてしまっている。DEでようやく本来の繋ぎに戻った。
 ボリスと並ぶジョンの代表曲の一つで、実際フー時代の彼の作品で最高の完成度を誇る。ライヴでもインプロビゼイションを含む長尺の演奏となる定番曲で、その際にはエンディングや間奏のアドリブヴォーカルはロジャーが担当していた。72年のライヴヴァージョンが"Two's Missingに収録。また、76年スワンシーのテイクもボックスに収録、映画"Kids Are Alright"のサントラには77年キルバーンのテイク(映画には出てこない)収録など、ライヴヴァージョンが多い曲の一つ。

 "The Song Is Over"はライフハウスでも中核を担う曲だったことは確かで、その証拠にエンディングには"Pure And Easy"のリプライズが登場する。ピアノはニッキー・ホプキンスで、サウンドのメインの部分を担当。このせいでライヴでは演奏されたことがないのだが、勿体ない話だ。ニッキーを同行させてでもやって欲しかった。ヴォーカルはやはり繊細な部分をピート、ハードなパートをロジャーと振り分けられている。
 ライフハウスと切り離されてもこのA面ラストという位置を完璧につとめあげる名曲だと言える。ただ、このリプライズとの兼ね合いもあるのだから"Pure And Easy"もアルバムに収録すべきだったとは思うが....

 B面もライフハウス用の"Getting In Tune"からスタートする。これもピアノがフィーチャーされていて、やはりホプキンスが弾いている。ただしこちらはごく初期のみだがライヴでも演奏。比較的地味な印象の曲だが、キースの暴れっぷりを堪能できるエンディングには注目したい。DEにはニューヨークでの初期テイクが収録。だいぶラフな感じで、もう一つ何かが物足りない。ミックス次第でどうにかなりそうな気もするが。

 "Going Mobile"はピートがメインヴォーカル。意外にもピート一人でのヴォーカルはアルバム中唯一だ。軽いノリを持ったR&R風のナンバー。

 "Behind Blue Eyes"は現行盤CDには2ヴァージョンが収録。フーのバラード中1、2を争う曲で、ZEPの"Stairway To Heaven"をコンパクトに凝縮したような構成を持つ(ほぼ同時期の曲だ)。メロディーの美しさも全く遜色はない。
 CDのボーナストラックになった初期のヴァージョンにはアル・クーパーによるオルガンが入っている。既に完成度はかなり高いが、後半への繋ぎが惜しい感じだ。DEにも収録されている。

 先行シングルだった"Won't Get Fooled Again"はフーの曲でも最高級の長さを持ち、また、それに負けないだけの迫力を持つ曲。ライヴでも定番となり、程なくエンディング曲として固定されることになる。この曲でもアープシンセサイザーによる(オルガンにトレモロをかけたものという説もある)シーケンスパターンが曲全体に流れており、ライヴではキースはヘッドフォンで聴きながらプレイしていた。シーケンサーをバックにしても全く揺るぐことなく暴れ続けるフーの演奏は圧巻の一言。特にキースは明らかにフィルで走ったりしてるのにいつの間にか元に戻っている。それに気づかせないのが凄い。
 DEにはNYセッションのテイクも併録。シーケンスも手弾きっぽく、明らかにラフな演奏だがこれはこれで悪くない。特にキースの後半での暴走は必聴。結局、これがうまくいかなかったためにシーケンサーのパートはピートのデモがそのまま流用されることになった。

 DEのディスク2で伝説のヤング・ヴィック・シアターにおけるライヴが遂に公式に登場した。詳しくはライヴのページで触れる。

LIVE TRACKS 1971
Singles and Rare 1971-1972

back